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明治時代に「ご利益がある」と一大ブームとなったが一瞬にして消えた鶴見の「お穴さま詣で」って一体何!?

ココがキニナル!

明治40年ごろ鶴見区駒岡にある瓢箪(ひょうたん)山の掘削中に穴が見つかり様々な物が出土し、お穴様と呼ばれ、ご利益があると評判がありにぎわいだったとか。お穴様って何?今もある?(ねこぼくさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「お穴さま」は、「瓢箪(ひょうたん)山遺跡」という古墳。現在は祀られてはいないが「瓢箪山遺跡」という記念碑が建っていて現在も参拝する人がいる

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ライター:橘 アリー

お穴さま発見61周年記念の法要!



「お穴さま詣で」は約1年半という短い間で終わったが、「お穴さま」は崇神天皇のお墓ではないかと噂され、霊験(れいげん)あらたかな存在として一時期は参拝者が絶えず、地域はにぎわっていた。
しかし、時が経つにつれて、そんな様子は忘れ去られ「お穴さま」は雑草に隠れて見る陰もなくなっていく。

それではあまりにも忍びないということで、「瓢箪山おあなさま」の著者の稲葉さんなどの地元の有志が集まり、「お穴さま」が発見されてから61年目になった1968(昭和43)年に、「お穴さまの法要」を行うことになった。
 


61周年法要の時の正行寺白石広祐住職(出典:瓢箪山おあなさま)


法要の時には、雑草にまみれていた「お穴さま」はきれいに掃除して飾り付けがされ、正行寺で盛大に法要が行われた。

そして、毎月4日がお穴さま縁日と決められた。
 


1969(昭和44)年7月の「お穴さま」の様子(出典:瓢箪山おあなさま)


しかし、「お穴さま」の縁日は特に行事が行われることはなかったようで、翌年、1970(昭和45)年の2月に「お穴さま」は埋められ「瓢箪山遺跡」の碑が建てられた。

「お穴さま」がまた活気あるものになればという思いもあったようだが、61周年の法要は「お穴さま」を供養して記念碑を建てるためのものであったのだ。
 


現在の様子は?



「お穴さま」の場所を教えていただき、現地へ向かったが、道が入り組んだ住宅地の中で場所が分かりづらい。

とても寒い日で人通りは少なかったが、通りがかった11名の方に「お穴さま」の記念碑の場所を訪ねたが、何か石碑が建っているのは知っている人はいたが、それが「お穴さま」の跡だとご存じの方はいなかった。
 


「お穴さま詣で」の時にはこの通りには商店が並んでいた
 

住宅地の中なので目立つ目印もない
 

この辺りらしいが・・・
 

個人宅の入口のようになっているが進んでいくと石碑が見えて来る
 

発見!「瓢箪山遺跡」の碑の様子
 

横はフェンスで囲われている
 

灯篭(とうろう)のようなものが壊れている
 

裏から見た様子
 

少々枯れかけてはいるがお花が供えられている


記念碑の写真を撮っていると、すぐ近くに住まわれておられる方が通りがかったので、お話を伺った。

現在でも、数ヶ月に一度くらいではあるが、お参りに来られる方がいらっしゃるとのこと。
お参りは、「お穴さま」のご利益をみこんでというものではなく、「瓢箪山遺跡」がそこにあるので、そっとお線香を手向けに来るというようなもののようである。

お花が供えられていたので、この記念碑はどなたがお世話されているのか訪ねたところ、“お世話というほどではないが、ご近所の数軒で自主的に、掃除をしたり正月など特別な時にはお花のお供えをしたりしている”とのことだった。

「お穴さま」のことを詳しく知っているわけではないが、それでも、ここに記念碑があるので放っておけず、お世話をされておられるようだ。
 


取材を終えて



瓢箪山があった場所は、現在は何の面影もなく、閑静な住宅地になっている。
 


瓢箪山があった場所の現在の様子


この景色からは「瓢箪山」がここにあったことを想像できない。
それでも、記念碑が残り、利益など関係なくそれをお世話している人がいる。
取材したこの日はとても寒かったが、人の温かさに触れて温かい気持ちになった。
記念碑は分かりづらい場所にあるが、盛況だった時を想いながら訪ねてみてはいかがでしょうか。


―終わり―
 

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  • 東博のサイトで画像確認しましたがなかなか立派な埴輪でした。 リンクくらい許可すればと思うのですが、「企業のWebサイトや企業がスポンサーとなっているWebサイト、その他もっぱら営利を目的とするWebサイト」は許可できない決まりみたいでした。見たい方は 東博サイト http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/index に行ってキー 神奈川県横浜市鶴見区駒岡 で試してください。

  • 数年前にこの近所に住んでいました。石碑とお穴さまのことは鶴見区のホームページで知って見に行ったのですが、見つけるのが大変でした。今回この記事でより深く知ることが出来てよかったです。

  • 出土品を見ると瓢箪山遺跡はそれなりの学術的価値があったのではないかと思えるのですが、実際どうだったのでしょうか?記事を拝見する限りでは出土品だけを国が持ち帰って遺跡自体は打ち捨てられてしまったようにも読めます。

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