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二郎インスパイア系、看板のない六角橋の「豚星。」の本家では食べられない限定メニューとは?

ココがキニナル!

豚星。の辛麺の辛さがどのくらいか、なぜ看板を設置しないのか気になります(みーこさん)二郎インスパイア系のお店で変わり・限定メニューのあるお店を調べて。六角橋豚星。の限定冷やし中華がキニナル(ときさん)

はまれぽ調査結果!

辛麺の辛さは強烈だが後を引かずまるで打上げ花火、冷やし中華の濃厚ながら爽やかな酸味はひと夏の恋。そしてラーメンが看板なので特別必要はないのだ

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ライター:永田 ミナミ

一方そのころ



一方そのころ厨房では、茹であがった麺が氷水で冷やされ、メインメニューは最終段階に差し掛かっていた。そこからの完成に向かうダイナミックなシーンは目を見張るものがあったが、撮影不可なのでいきなり完成である。
 


濃厚かつ抜群のボリュームながら涼しげな冷やし中華(750円)が完成
 

どんぶりの上を彩るのは、定番の豚、キャベツ、モヤシのほかに海苔、ウズラの卵(2個)、プチトマト、鰹節、その上からレンゲ1杯の特製のマヨネーズダレかかけられている。添えられたニンニクは大塚さんの粋な計らいである。
 


すべてを混ぜ合わせて
 

思いきりすすってみた
 

するとどうだろう、口のなかで、ひんやりもちもちした麺とシャキシャキした野菜、パリッとした海苔、鰹節の食感と香りと、それらすべてを包み込む酸味の効いたタレが、夏の浜辺の青春群像劇を映し出したのである。

そしてそのドラマの主題歌として頭のなかで流れたのは、『いとしのエリー』でも『真夏の果実』でもなく、『いなせなロコモーション』であった。
 


紅一点のプチトマトは2人の男(豚肉)の間で揺れるヒロインかな
 

プチトマトとウズラの卵は食感に変化を与えてくれるので、ボリュームたっぷりのドラマが進みゆくなかでいいアクセントにもなる、とても美味しい夏メニューだ。ちなみに6月末に登場するこの冷やし中華が食べられるのは、9月中、夏の終わりまでである。
 


真っ赤なだけはある



そのころ厨房では、もうひとつのメインメニューが着々と完成に近づいていた。
 


店に入って最初に目に飛び込んできた真っ赤な鍋からタレの中へ大さじ4杯
 

それをササッと掻き混ぜるとこんな感じになり
 

三たび茹であがった麺と野菜が職人の手つきで見事に盛りつけられると
 

辛麺(しんめん/750円)の完成である
 

「できたようだね」。それまで目を閉じ、黒烏龍茶で喉を潤しながら静かに出番を待っていた編集長・吉田の鼻が、辛麺の完成を嗅ぎ逃すわけはなかった。
 


では、いただこう、と鳳凰の構えでどんぶりと対峙すると
 

スープをひと口
 

うううん
 

「だ、大丈夫だよ」編集長・吉田は少し潤んだ目で感想を述べた
 

あらゆる具材に絡みつく
赤い彗星たち。本当に大丈夫だろうか
 

無理してないといいけど、と思いながら冷やし中華は終盤に入る
 

終盤に入ったせいで遠い目をしている横で、編集長・吉田の唇は赤く光る
 

食べ進むほどにスープも麺も赤みが増していく感がある
 

どんどん赤くなっていく辛麺としだいに汗ばみはじめる編集長・吉田の顔を見ていると、やっぱり大丈夫じゃないんじゃないだろうか、と思いかけていたが、スープと麺を少し分けてもらってみると、それは杞憂であった。

一味、ラー油、胡麻、山椒ほか数種類の材料でできた真っ赤なスープは、口に入れた瞬間、凄まじい辛さが旧正月の爆竹のように駈けまわるが、辛さの滞在時間は長くない。一瞬ではかなく消えていき、むしろ次をまた見たくなる打ち上げ花火のような辛さというべきか。

辛さが引いていったあとにはじんわりと旨味がひろがる辛麺は、ボリューム以外の闘いも求める勇者にはぴったりのメニューと言えるだろう。
 


さのちゃん、緊急召集です



編集長・吉田と手分けしながら、怒濤の3杯との長い闘いもようやく終わりが見えてきたかに見えたそのときだった。
 


「はい、あとこれもね」という声とともにカウンターに置かれた新たなるどんぶり
 

何ということだ、1日約50食の大人気限定メニュー「禁断の果実(750円)」の登場である。ボスの後にラスボス現るというのは、こういった流れにおいては充分考えられることではあったが、ここにきてもう1杯という展開があるとは思いもよらなかった。

仕込みの最中、カネシ醤油に柚子など5種類の柑橘類ほかいろいろな材料を入れポン酢風に仕上げたタレでつくる、その名の通り「禁断の果実」の話を聞いて、何て美味しそうなんだろうと話し合ってはいたものの、さすがに2人で4杯じゃ胃袋が爆発しちゃいそうですね、と断念したはずの「禁断の果実」がまさに禁断のタイミングで現れたのだった。
 


限定なのは、風味と酸味が飛ばないよう2台の炊飯器で仕込んでいるためである
 

すでに胃袋は容量ギリギリだったが、禁断の果実の甘い誘惑に、気づくとレンゲはスープをすくっていた。
 


デフォルトのスープと比べると透明感があり、さらっとした感じだが果たして
 

ああ、ここにきてこのスープは最高だ、と思わず歎息(たんそく)が洩れるほどのやさしい味わいが口に広がり、そして甘酸っぱい匂いが鼻を抜けていく。もちろんやさしいながらも濃厚さは健在で、麺、豚、野菜が空腹をあり余るほど満たしてくれること請け合いである。

ただしやはり編集長・吉田と力を合わせてとはいえ、すでに小ラーメンと冷やし中華、辛麺を食べている胃袋は、目の前の美味しそうな「禁断の果実」を前に、あきらかに箸の動きを遅くしはじめていた。

そのときである。「禁断の果実」のどんぶりが自動的に移動しはじめたのだ。ゆっくりと動くどんぶりを目で追っていくと、鼻歌まじりに伸びてきた箸の持ち主は秘密兵器、編集部・山岸であった。
 


ひょいと麺をつまむと、軽やかに口へ運んだ
 

「ああ、これ美味しい」そう声をあげると、次から次へと麺が口のなかで吸い込まれていく。ついにわれわれは『スパルタンX』よろしく、3人で闘う仲間となった。
 


主人公はもちろんラスボスと闘うジャッキー山岸である
 

「ほう、ならばサモ・ハンの意地を見よ」と出演兼編集長の闘いも終盤に入る
 

額や頬から滴り落ちる玉の汗と、激闘を制さんとする男の魅力的な表情
 

ジャッキーの登場で「禁断の果実」は順調に減りはじめた。編集長・吉田はついに最後の豚を頬張った。頬張るとウイニングランとして、「禁断の果実」の味見を要求した。
 


しかし、大量のカプサイシンでも燃焼しきれないほどの小麦粉を抱えた男は
 

ひと口食べるとおもむろに箸を止め、張りのある球面を誇らしげに見せつけた
 

「僕はドッジボールが1個入ってる感じです」「ふむ、まあまあだな」
 

その横で「この豚、リンゴみたい」とはしゃぐジャッキー山岸
 

ちなみにスープを口に含んだとき、天使のような微笑みを浮かべた少女が脳裡をよぎったような気がしたが、実はそれはあながち間違いではなかった。

「禁断の果実」の別名は「さのちゃんラーメン」という。大塚さんによると「さのちゃん」はかつて「豚星。」に来店した神奈川大学の学生で、「超かわいいからまた会いたい」というさのちゃんへのオマージュとして生み出されたのが、果物をふんだんに使った「禁断の果実」だったのだ。

「豚星。」にやってくるのはノーガーリックノーライフな猛者たちだが、さのちゃんオマージュである「禁断の果実」はニンニクを入れないメニューとして考案したので、ノーガーリックでも食べてみてほしいそうだ。

そして童顔でショートカットのさのちゃん、至急「豚星。」へ向かってください。
 


星はさらに輝く



最後に少し気になっていたことをきいてみた。というのも、ラーメン二郎やインスパイア系は、トッピングの種類や汁なし、つけ麺の有無など店によって多少違いはあるものの、ラーメンの大小、豚の量3段階というシンプルなラインアップが基本である。
 


もちろん豚星。も基本的にはそうである
 

しかし「豚星。」は、上記メニューに加え辛麺、禁断の果実またの名を「さのちゃんラーメン」、さらに6月までの「塩」「味噌」、夏期限定の「冷やし中華」、あまりの人気に作り続けることができず、もはやTwitterをフォローしてないとなかなか巡り会えない突発的限定メニューとなった「台湾混蕎麦」などさまざまな限定ラーメンが提供され、それぞれ進化し続け、日々新しいラーメンが生まれてもいる。

なぜこんなにたくさんの種類を出しているのか。

「だって美味しいもの作れるんだったら作ったほうがいいでしょ」大塚さんは即答した。愚問であった。
 


カウンターには初めての人にもわかりやすいトッピングコールリストもある
 

美味しい上にやさしいとなればベストラーメンも当然である
  



食事を終えて



数奇な星の巡り合わせで緊急召集され、思いがけず「豚星。」に来店することになり、さらに思いがけずユン・ピョウのポジションを任され、「小ラーメン」「冷やし中華」「辛麺」「禁断の果実」と4種類の山の頂きを目指すこととなった。
 

非常に厳しい闘いを終えたいまは「麺類はもう一生、フォーでいい」という気分である。ただし、これが一過性のものであることもまた知っている。

しばらくたったある日、街を歩いていてふと鼻をくすぐるスープと小麦粉の匂いが、また山登りの時期が来たことを知らせてくれるからである。ただ、どうあがいても擂り鉢で完食できる勇者になる日が来ることはないだろう。
 


ふつうのどんぶりと比べてみると、擂り鉢はもはや小宇宙である
 



―終わり―
 
豚星。 
住所/横浜市神奈川区六角橋2-10-1
電話/非公開
営業時間/11:00~24:00
定休日/日曜
※現在は川崎市中原区木月4-5-20 1Fに移転しています。

新店「豚星。」のレポートもしてきました!

白楽から元住吉に移転した二郎インスパイア系ラーメン店、新「豚星。」に突撃!

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  • 「現在への布石となる某ラーメン店を経て」などと書かないで、小金井二郎と野猿二郎って書きゃいいのに(・w・p

  • 酒は勿論、カレーやラーメン、食べ物全般辛口党なので、辛麺はとても美味しそうなので、早速食べに行くつもりです。

  • 今日6/29に空き巣が入ったようで、明日は臨時休業と店長のツイッターが。お見舞いがてら今度食べに行こう

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