ついに記録更新なるか!? 横浜で一番急な坂はどこ? 2014冬・中編
ココがキニナル!
2011年、前区を回り「一番急な坂はどこか」を調査後、寄せられた情報をもとに再調査した2013年冬。その後寄せられたコメントに今度こそ瀬谷区天竺坂の20°越えの急坂はあるか(はまれぽ編集部)
はまれぽ調査結果!
港北・鶴見・神奈川3区で最も急だったのは港北区「新吉田町4197付近の坂」と神奈川区「神大寺生協横の坂」で12°。控えめな記録は嵐の前の静けさか
ライター:永田 ミナミ
鶴見区の急坂
実は港北迷宮をくぐり抜けていく途中で鶴見区の坂にも訪れていた。鶴見区も港北区に負けないハイレベルでスリリングな極細迷宮を擁しており、車幅すれすれの路地をいくつか通り抜けてたどり着いた最初の坂は、何とまたもや既測坂であった。
鶴見区東寺尾中台の坂・・・12°(21.2%)
道幅は細いがなかなかのロングディスタンス坂はあいかわらずの12°
2011年のロングディスタンス坂
東寺尾中台の17から15にかけておよそ130メートルの坂だ
鶴見区「滝坂」・・・11.5°(20.3%)
横浜環状北線の工事が着々と進む、新「滝坂」中腹からの眺め
遠くにはかつて歴史を学んだキリンビール生麦工場も見えた
新「滝坂」周辺は現在進行形で造成中、住宅地ができつつあるところ
坂沿いには「売物件」の幟がいくつもはためく
着々と進むトンネルの工事現場の迫力も見逃せない。トンネル上は子安台公園
なるほど、最近造成された急坂は抑制が効いていて、坂下は6°、中腹は10°と10°前後に調整されているが、坂上部で11.5°を叩き出しているあたり、コメントに「旧滝坂はもっとすごかった」とあることから想像すると、14°超のAランクも期待できたかもしれない。
ああ、旧「滝坂」を歩いてみたかった。どれくらい急だったんだろう、せめて写真だけでも見られたら、と思いは募ったが、残念ながら時は流れてしまった。消えた急坂に思いを馳せながら、滝坂をあとにした。
そこで、現在の地図に1963(昭和38)年の「横浜市三千分一地形図」を重ねると
かつての滝坂のコースが明らかになった
環状線工事のためにぐぐっとヘアピン化したことがよくわかる
かつて、旧滝坂下から少し上った右手に「滝坂不動」があり、その名の通り龍口から流れ落ちる滝があったこと、子安台公園はかつて、陸上自衛隊子安分屯地 だったことなどが『横浜市三千分一地形図』、『鶴見の坂道』や1931(昭和6)年発行の『模範大横浜市全図』から分かった。とはいえ残念なのは、地図は 平面であり、高低差が分からないことだ。
現在の子安台公園。左手奥には環状線の工事のフェンスが見える
鶴見区岸谷8「生麦中に上る坂」・・・10°(17.6%)
滝坂を抜けた先で見かけた生麦中へと上る坂にも立ち寄り計測
神奈川区の急坂たち
さて、続いて神奈川区に向かったが、神奈川区でもカーナビは左折不可能な極細直角路地へ曲がれと言いだすなど何度か不案内ぶりを発揮し、目的地に近づくころにはすっかり日が暮れてしまっていた。
ちなみに神奈川区栗田谷の坂の投稿については、2011年に2ヶ所測っている。「ちがうちがう、ここじゃ、ここじゃない」という場合は投稿求むということで、今回はその坂を再度紹介しておく。
栗田谷44の坂・・・12°
栗田谷5の坂・・・9°
ということで、再び2014(平成26)年12月の夜の神奈川区に戻り、松見町の通称「急坂」へと向かった。
松見町3丁目はこんな感じで意外と広く、全体が窪地のようだ
神奈川区松見町3「急坂(通称)」・・・10°(17.6%)
というわけで検討をつけて歩いてみるとさっそく下りの急坂ドットに遭遇
どうやらビンゴの気配
ぐんぐん角度を増す坂を降りながら、自信は確信に変わっていった
振り返るとなかなか素晴らしい眺めで興奮。坂最下部のみ12°をマーク
しかし眺めの迫力ほど角度が伸びなかったので、坂下で聞き込みをしてみた
坂を通りかかった、長年この近くにお住まいという犬の散歩中の男性に、急坂の条件を伝え「この周辺で、ここよりも急な坂はありますか」と聞いてみると、「あそこは階段だし、あそこは車が通れないしな」と周辺の地理がすべて頭に入っている頼もしさ。
そして返ってきた答えは「うん、ここがいちばん急だね」。ということで、松見町3丁目の通称「急坂」はここということにした。
場所はここである
神大生協横の坂・・・12°(21.2%)
坂下から見た迫力はなるほど「車で降りるのも怖」そうで12°をマーク
上っていくにつれ坂はやさしさを見せはじめ
中腹あたりは10°、坂上は6°をそれぞれ記録した
坂頂上から夜の街を眺め、今日出会ったり再会したりした坂を思い出した
この日の調査を終えて
今回、港北区、鶴見区、神奈川区で測った坂たちは、最大で12°ということで、14°以上のAランク坂に出会うことはできなかったが、いろいろな表情を見せる坂たちとの出会いと再会があった。
さて、次回は中区山手の坂と西区、そして「永田東から永田みなみ台、前回4位の周辺」、「上大岡東」という広めの投稿が寄せられた南区、港南区を歩く。いずれも急坂特区なので楽しみだが、心配なのは、収まりきらないほど多くの坂が現れたらどうしようかなということだ。
ただし、そんな嬉しい悲鳴をあげてみたいのもまた確かであり、そろそろ坂を前に茫然と立ちすくむほどの急坂に出会いたいのも、また確かである。
今回調査した坂
<過去の記事はこちらから>
2011(平成23)年
横浜で一番急な坂はどこ?【西区・中区編】
横浜で一番急な坂はどこ?【南区・保土ヶ谷区編】
横浜で一番急な坂はどこ?【磯子区・金沢区編】
横浜で一番急な坂はどこ?【港南区・栄区編】
横浜で一番急な坂はどこ?【戸塚区・泉区編】
横浜で一番急な坂はどこ?【旭区・瀬谷区編】
横浜で一番急な坂はどこ?【緑区・青葉区編】
横浜で一番急な坂はどこ?【都筑区・港北区編】
横浜で一番急な坂はどこ?【神奈川区・鶴見区編】
2013(平成25)年
帰ってきた、横浜でいちばん急な坂はどこ? 2013・前編
帰ってきた、横浜でいちばん急な坂はどこ? 2013・中編
帰ってきた、横浜でいちばん急な坂はどこ? 2013・後編
2015(平成26)年
記録更新なるか!? 横浜で一番急な坂はどこ? 2014冬・前編
―終わり―
参考文献・資料
『鶴見の坂道』鶴見歴史の会・横浜市鶴見図書館編/横浜市鶴見図書館/1991
『横浜市三千分一地形図』横浜市作成/1963修正
『模範大横浜市全図』黒岩芳馬著/鉄道旅行社/1931
あかいくつしたさん
2015年01月29日 19時52分
夜遅くまで、調査お疲れ様です。生協の坂。友人が坂の上に住んでいたので、何度か登ったことがあります。坂の途中の壁に『五合目休憩所』という紙が貼ってあり、その前にはベンチのようなものも置かれてありました。近隣住人の方のナイスな気遣いが感じられる急坂でした。
myuuchan2さん
2015年01月26日 03時37分
保土ヶ谷区ですが、以前の記事では、南区と一緒で主に東海道沿いが多かったようですが、相鉄側の山谷感は半端ないと思います。上星川から、旧船員病院~三ツ沢に抜けるバス路線(11系統)の、16号から釜台に上る(保土ヶ谷中学校の裏をまわって)あたりの坂は、よくバスが走れると思うくらいに急です。(バス道路なので、記録的にはそんなにはないかもしれませんが、雪の日などは、真っ先に運休してしまいます。)ぜひ角度を知りたいです。
ポスポスさん
2015年01月25日 15時46分
子供の頃を過ごした港北区は日吉本町にも坂はたくさんあります。特に下田へ上がる坂はどこも計り甲斐があると思います。是非!!サンバリエ前のバス終点から日吉本町へ降りる坂は子供の頃からの遊び場でした~。