意外な穴場を発見! 開港時から横浜でも発展した文化「寄席」が楽しめるのはどこ?
ココがキニナル!
横浜鎌倉に落語が聞ける寄席はありませんか。(jckさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜で寄席を聞ける場所は以前取材した場所以外に、手軽に行けそうなのは「横浜にぎわい座」、伊勢佐木町の無料で楽しめる木曜寄席があった。
ライター:すがた もえ子
	ほかに横浜市内で寄席を楽しめる場所は!?
	
	常設ではないが、伊勢佐木町にあるイセザキ・モールのJRAエクセル伊勢佐木1階で、毎週木曜日に寄席が開催されている。
	伊勢佐木町1・2丁目地区商店街振興組合が主催の「伊勢佐木木曜寄席」がその寄席だ。
	 
	
	
	イメージキャラクターの三遊亭圓丸師匠(画像提供:伊勢佐木町1・2丁目地区商店街振興組合)
	
	イセザキ・モールの木曜寄席は、昔伊勢佐木町にあった劇場街の歴史を受け継いで2010(平成22)年3月4日(木)からスタートした。伊勢佐木町に最初にできた寄席・芝居小屋は「下田座さの松(後の羽衣座)」で、1870(明治3)年に開設された。その初開設から140年を記念して立ち上げられたのが「木曜寄席」となる。
	
	伊勢佐木木曜寄席は、午後1時から無料で寄席を開催している。時間は約1時間ほど。
	 
	
	
	こちらの建物に有料の場外馬券場売場「JRAエクセル伊勢佐木」が入っている
	 
	
	入り口はこちら
	
	今回ご対応してくれたのは、伊勢佐木町1・2丁目地区商店街振興組合副理事長の津田武司(つだ・たけし)さん。
	木曜日寄席は平日空いているJRAエクセル伊勢佐木を利用して開催している。噺家さんに活躍の場を提供するという意味合いもあるのだという。
	 
	
	
	あまり寄席では見ないシャンデリアがあったりする
	 
	
	毎回立ち見が出るほどの人気だ
	 
	
	パイプイスが並べられていた
	
	「今日は暑いからいつもより人が少ないですね」ということだったが、それでも用意された椅子は満席。立ち見の方も見受けられた。
	 
	
	
	小学生の男の子2人連れの姿もあり「寄席は初めてきた」とのこと
	
	無料だからこそ小学生が友達同士でふらっと見物に来ることができるのだろう。
	寄席がどんな場所なのか覗いて見たいという方も、気軽に立ち寄れる場所となっている。
	 
	
	
	木曜寄席の様子。満員だ
	 
	
	二ツ目・笑福亭竹三(しょうふくてい・ちくざ)
	
	木曜寄席を開催することが決定した当初、まずは実行委員の方々で横浜市出身の桂歌丸師匠の元に「寄席を始めたい」とご挨拶をしに行くところからスタートしたのだという。現在は木曜寄席のイメージキャラクターを勤める三遊亭圓丸師匠に噺家さんを紹介してもらっており、出演者は毎回変わる。
	 
	
	
	二ツ目・春風亭吉好(しゅんぷうてい・よしこう)
	
	落語界には「前座」「二ツ目」「真打ち」と階級があり、木曜寄席には「前座」、または「二ツ目」の新進落語家2名が毎回出演し、毎月第1木曜日には真打も登場する。
	二ツ目とは前座の雑務業務から解放され、紋付の着用を認められて独り立ちした咄家さんのことだが、前座時代のように給金は支払われなくなり、自分の責任で高座(仕事)を探さなくてはならなくなるという。
	木曜寄席にはそういった前座・二ツ目の咄家さんたちに高座に立つ機会を提供するという意味もある。
	 
	
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	無料な上に入退場も自由。初心者やちょっとキニナル方も気軽に立ち寄れる
	
	伊勢佐木町から羽ばたいた「ゆず」のように、この木曜寄席に出演した前座・二ツ目が将来大物落語家へと成長してほしいとの願いも込められている。
	なにげなく立ち寄った木曜寄席に出演していた咄家さんが、気がつけば大物になっていた・・・なんていうこともあるかもしれない。
	
	今回は定期的に寄席の開催されている「にぎわい座」と「伊勢佐木木曜寄席」を取材させていただいたが、横浜市内には関内ホールを始めとして、不定期にイベント講演を行っている場所もあるようだ。
	その全てを把握することはできなかったが、新たな寄席を発見したらまたご報告していきたい。
	
	
	
	取材を終えて
	
	横浜市で寄席を見られる場所というとやはりにぎわい座が頭に浮かんだが、伊勢佐木町に都内に引けを取らないほどの劇場街があったということを初めて知った。
	その流れを汲む形で行われている木曜寄席は無料で楽しむことができ、伊勢佐木町に寄席の文化を引き継いでいた。
	
	興味がある方はぜひ一度お近くの寄席を覗いていただき、かつて伊勢佐木町にあった劇場街のにぎわいに思いを馳せて欲しい。
	
	
	―終わり―
	 
	
	参考文献
	『横浜市史稿 風俗編』横浜市/横浜市(昭和6年)
	『横浜繁昌記:附・神奈川県紳士録』横浜新報社著作部/横浜新報社(明治36年)
	『OLD but NEWイセザキの未来につなぐ散歩道』イセザキ歴史書をつくる会/神奈川新聞社(2009年)
	
	取材協力
	横浜にぎわい座
	住所/横浜市中区野毛町3-110-1
	電話/045-231-2525
	チケット専用ダイヤル/045-231-2515
	営業時間/10:00~22:00
	HP/http://nigiwaiza.yafjp.org/
	
	伊勢佐木木曜寄席
	住所/横浜市中区伊勢佐木町1-7-1 JRAエクセル伊勢佐木1階
	電話/TEL. 045-261-7535(伊勢佐木町1・2丁目地区商店街振興組合)
	営業時間/毎週木曜日 13:00開演
	HP/http://www.isezaki.jp/
	 





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かんわちさんさん
2015年08月26日 17時45分
昔、菊名神社の前に軍鶏屋さんがあって、寄席の看板でてたっけなぁ。子育て中だったから通り過ぎてるだけで立ち止まった事がなかったけれど。にぎわい座向かいの“横浜こどものひろば“の企画で 子どもたちと にぎわい座で数回落語を観られたっけ。今、新横プリンスの向かいで(アリーナ沿い)で落語やってますよね。
ぱっこさん
2015年08月26日 10時57分
写真も豊富で読み応えありました。今度はぜひ、にぎわい座にお客様が入っているときにも取材してみてください。