全くふれあえない南区「ふれあいの樹林」とは?
ココがキニナル!
南区の大岡ふれあいの樹林は、なぜか金網で囲まれたうえで「キケン立ち入り禁止」となっていて、まったくふれあえません。もう何年もその状態。むかし事故でもあって閉鎖されたの!?(bausackさん)
はまれぽ調査結果!
園内の山の頂上付近は狭く急な崖になっていて、転落の危険や違法行為が行われるなどの安全面などの理由で閉鎖された。周囲のベンチなどは利用できる
ライター:小方 サダオ
鶴ヶ峰ふれあいの樹林
鶴ヶ峰駅で降りて10分程度歩くと、住宅地の中に「鶴ヶ峰ふれあいの樹林」はあった。
「鶴ヶ峰ふれあいの樹林」の場所(青矢印) (Googlemapより)
住宅地を進むと・・・
「鶴ヶ峰ふれあいの樹林」を発見
近くには新幹線の線路があり、時折電車が通過する音が響くが、比較的静かな住宅地である。
「ジャングル山」の愛称で親しまれている園内の地図
公園の周囲は住宅で囲まれている
前出の「大岡ふれあいの樹林」とは違い、平坦に近い雑木林であるなどの点で状況は異なるが、住宅地の中の樹林であることには変わらない。
その違いを知るために、近所に住む中年の女性に話を伺うと「隣りに緑豊かな森があると、四季を感じられるし落ち着きます。朝聞こえる鳥の声はとても気持ちが良いです。この周辺にはここまで広い緑地はありませんから貴重です」と答えてくれた。
山火事の危険性に関して伺うと「家の前に火のついたたばこが落ちていたこともありますし、火事は怖いですね」と答えてくれた。
「鶴ヶ峰ふれあいの樹林」を管理する前原さん
次に公園の管理者に取材を申し込むと、快く受けてくれた。
『鶴ヶ峰ふれあいの樹林愛護会“ジャングル山の会”』会長の前原修(まえはら・おさむ)さんと園内で待ち合わせをして、愛護会によって作られた『ジャングル山の10年史』という冊子を見ながら、話を伺った。
「鶴ヶ峰ふれあいの樹林」の管理に関して伺と「ここは1998(平成10)年9月に開園しました。
毎月第3土曜日に定例会を行い、園内の整備などを行います。また会では毎週班毎に分かれて樹林内のパトロールを行い異常個所の有無やゴミの回収等を行っています。維持管理はそれほど大変ではありませんが、絶滅危惧種の花の保護などには気をつけています」と答えてくれた。
国指定絶滅危惧種の山野草を保護している
「鶴ヶ峰ふれあいの樹林」の航空写真(『ジャングル山の10年史』より)
愛護会による整備の様子
人気のイベント・焼きイモ大会の様子
園内ではさまざまなイベントが行われるようだが、一番人気のイベントについて伺うと「焼きイモ大会ですね。今年は240人の参加者がいました」
さまざまな昆虫の住処になるという
「また夏場はカブトムシやクワガタが採れるため、プロ級の腕を持つ人たちが、完全装備で採集に来ます」
愛護会自作のベンチ
秋期に行われる「落ち葉のプール」
プールは広いため大人も入れる
「今は『落ち葉プール』で遊べます」と答えてくれた。
ここで閉鎖された公園があることに関して伺うと「この土地は地主さんが管理をしていなかった場所で、市に管理を委託したものです。現在は地元のジャングル山の会で管理をしています。しかし地主の方が亡くなった場合に、今後地主さんの意向で、市が買い取ってくれれば続けられますが、買い取ってくれない場合は閉鎖される可能性もあります」と答えてくれた。
閉鎖された場所では火事などの危険性があったことと、近所からの苦情があったことに関して伺うと「ここでも中学生の火遊びなどで2度ほど、小さいボヤはありました」
この公園では火遊びがあったという
「近所からの苦情ですと住宅の方に枝が飛び出したりすることぐらいで、あまりありません。今ですと大量の落ち葉が出ますので、それが道の方に落ちたりするので清掃を行っています。また焼きイモ大会の時には、煙が住宅の方に流れていきますので、近隣にチラシを配って理解を求めたりしました。しかしその近隣の人たちが参加しますし、問題に発展することはまずありません」
自然の材料でのおもちゃ作り
バーベキュー大会の様子
「この公園は、近隣の本宿小学校や鶴ヶ峰小学校の生徒たちの総合学習の授業で用いられたりして、学校との連携が取れていることも、近隣の住民の方たちの理解を得られている一つの要因だと思います」と答えてくれた。
一面落ち葉で覆われた夕暮れ迫る林の中、取材に応じてくれたことに感謝し、前原さんとお別れをした。
春夏の風景
秋冬の風景
ちなみに前原さんは、帷子川の環境を保全する活動を続ける「水辺愛護会 帷子川はふるさとの川の会」の会長もしている。
帷子川はアユの姿が見られるほどきれいになり、その成果が認められて2014(平成26)年に、第21回横浜環境活動賞の「実践賞」と「生物多様性特別賞」を受賞した。自然保護活動に熱心な人なのだ。
整備された園内の通路
取材を終えて
「大岡ふれあいの樹林」の場合は面積が狭いことなどもあり、「鶴ヶ峰ふれあいの樹林」とは条件が異なるといえ、2ヶ所を同一線上で比較するのは難しいかもしれない。
しかし閉鎖され問題視される場所になってしまった「大岡ふれあいの樹林」ではあるが、「鶴ヶ峰ふれあいの樹林」を訪れて、周辺住民と愛護会の熱意によっては、親しまれる場所に生まれ変わる可能性も出てくる気がした。
愛護会の熱意によってふたたび「ふれあい樹林」に復帰するかもしれない
―終わり―
sakuragichoさん
2016年02月14日 05時08分
地域住民の方々も市民・国民だと思いますよ。地域住民の方々と市民・国民とを対立させて考える必要はないんじゃないでしょうか。あとは、公園は外国籍の方々も利用する可能性があるということがスッポリ忘れられていますね…日本人であろうがなかろうが、市民や国民であろうがなかろうが、全ての公園の利用者にモラルを守ってもらうことこそ、本当に必要とされていることなのではないでしょうか。
よこはまいちばんさん
2016年02月14日 01時39分
結局は日本人のモラルが余りにも低下し過ぎている結果ですよね。自分勝手な人間が増え過ぎている実情、飲酒も一因で駅員への暴力増加やしつけと称して子供が死ぬ程の虐待、そして死亡するまでのイジメ等々。日常生活の身の周りでも数えきれない程のマナー違反・モラル低下が日常茶飯事です。大岡ふれあいの樹林が閉鎖された理由も、急な崖や柵が設けられていない危険性よりも、違法・不法行為での危険性が最大の原因でしょうね。死角が多くて24時間常時監視が出来ない実情では、市民・国民のモラルが改善しない限り、地域住民にとっては自然の貴重さ・重要性よりも日常安全性の方が優先は当然だと。
viva平塚さん
2016年02月13日 20時06分
ふれあえないなら漆の木でも植えたらよかろう