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謎に包まれた学校? 防衛大学校を徹底取材!~学校の歴史と防大ツアー編~

ココがキニナル!

横須賀の防衛大学校。訓練として、遠泳、実弾射撃などもやってるそうで、普通の「大学」とは別世界な印象。実態が分からないので、ぜひ取材を(タロー先生さん)

はまれぽ調査結果!

1953年、防衛省が所管する幹部自衛官候補生を教育・訓練するための学校として開校。一般教養や自衛官として必要な技術の習得や体力を養う

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ライター:やまだ ひさえ

防大ツアーに密着



これまでは防大の歴史を振り返った。キニナル普段の防大生や授業風景は中・後編でお届けするとして、ここでは平日に行われている防大ツアーを紹介する。

一般人が無許可で立ち入ることはできない防大も、毎週月・水・金曜日の午後(水曜のみ午前もあり)に行われている「防大ツアー」に参加すれば、施設の一部を見学できる。
 


最寄駅の京急「馬堀(まぼり)海岸」からバスで10分ほどだ
 


正門横の受付で身分証明をする
 

受け付けをすると防大のパンフレットやツアーの案内が配られる。
 


ツアー参加者に渡される防大パンフレット
 

ツアーには案内の自衛官と、説明を担当してくれるガイドが同行。ツアーの行程だけでなく、防大の施設や学校の歴史などを説明してくれる。
 


総合案内板の前でツアー内容を説明
 

最初に向かったのは、本部庁舎。事務室や応接室などがある建物だ。
 


正門から最初に見える建物が本部庁舎
 

校章は、平和の象徴である「鳩」、日本の国花である「桜の花」、大輪の花を咲かせる前の学生を示す「桜の若葉」がデザインされている。
 


正面玄関に掲げられた校章
 

エントランスに入りまず目につくのが、防大に在学している留学生たちの出身国の国旗。

1958(昭和33)年、初めてタイからの留学生を受け入れて以来、現在までにタイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、モンゴル、ベトナム、韓国、ルーマニア、カンボジア、東ティモール、ラオス、ミャンマーの13ヶ国からの士官候補生を受け入れてきた。彼らは母国の士官候補生として、防大での経験を、それぞれの祖国へ持ち帰る。
 


2017年度は11ヶ国、約110名の留学生が在籍している
 

国旗の前には防大生としての指針を定めた学生綱領である、「廉恥(れんち=心が清らかで恥を知る心が強いこと)」、「真勇(しんゆう=本当の勇気)」、「礼節(れいせつ=礼儀と節度)」が刻まれている。

その意味するところは「常に自主自律の精神をもって自己の充実を図り、厳しい徳性のかん養に努め、もって与えられた使命の完遂に必要な伸展性のある資質を育成することにある(原文ママ)」としている。
 


防大生のあり方を示す学生綱領
 

本部庁舎の奥にあるのが記念講堂。卒業式などの式典が行われる場所だ。
 


記念講堂
 

記念講堂の入口横には、創立50周年に同窓会から寄贈されたステンドグラス「若人の城」が飾られている。

日本画家・平松礼二(ひらまつ・れいじ)作の『若人の城』には、守るべき対象である日本のシンボルとしての富士山と、それぞれ陸・海・空を示す「咲き誇る桜」「金色の輝く海」「紺碧の空」を描くことで、防大生の学ぶ小原台キャンパスを表している。
 


『若人の城』
 

記念講堂は2300席を有する規模を誇っており、卒業式もここで行われる。
 


式典の内容に合わせて座席を移動できる
 

防大の卒業式といえば、帽子投げが有名だが、それが行われるのも、この記念講堂だ。
 


防大名物「帽子投げ」(提供:防衛大学校)
 

記念講堂前の広場は地下に45万冊を所蔵する総合情報図書館があるほか、防大ならでは施設があった。
 


何気なく歩いているこの広場の下が図書館になっている
 

1つ目は高さ50メートルを誇る給水塔。施設全体に水を送る役割だけでなく、衝撃実験などにも使われる。高所から物体を落下させることで発生する影響などを測定する施設で、50メートル級の施設がある大学は数えるほどだという。
 


実験棟としても給水塔としても最大級
 

2つ目は『国の護り』と名付けられた彫刻家・高橋洋(たかはし・よう)作のモニュメント。こちらは防大創立50周年を記念して贈られたものだ。
 


『国の護り』
 

ペンと兜を組み合わせることで「文武両道」を、像を支える3本の柱は陸・海・空の3自衛隊と「廉恥・真勇・礼節」の学生綱領を表現している。



行進も訓練の一環?



ツアーの目玉の一つが、朝と昼の1日2回、班ごとに学生舎前に集合・整列して、授業のある教場などに移動する「課業(かぎょう)行進」だ。

防大は全寮制の学校で、学生たちは「学生舎」と呼ばれる4つの寮に分かれ共同生活をしている。全学生が所属する学生隊は4個大隊からなり、さらに中隊、小隊に細分化されている。
 


学生隊単位での行動が基本
 

防大では閲覧式などパレードをする機会が多い。普段からきちんと行進できるように練習することで練度をあげているとのことだ。
 


これも訓練の一環
 

学生が校内を行進する様子は圧巻
 

日々の生活が訓練につながっている
 

それだけではない、防大生は未来の幹部候補生たちだ。将来、実務に就いた際の協調性や統率力などを養う機会になっている。

キビキビした動きが見ていて気持ちが良い

1学年の定員が480人。それが4学年、2000人ほどの学生が一同に行進する様子は一見の価値あり。水曜午前中のツアーでは課業行進はコースに含まれていないので、見学したいのならば、午後が絶対におすすめだ。

続いては資料館の見学に移る。
 


防衛大学校資料館
 

資料館は内部の撮影は許可されていないためご紹介できないが、防大を紹介するVTRを観たあとに展示物の見学ができる。

展示物は、防大の歴史を紹介するパネル、制服など多彩。見ているだけで防大通になれる内容になっている。

いよいよツアーも最後のスポットへ。向かうのは学生会館だ。
 


途中、東京湾越しに横浜ランドマークタワーまで見えた
 

学生会館は防大生が生活するうえで必要な福利厚生施設がそろっている建物。1階にはなんとコンビニエンスストアまであった。
 


防大内にあるファミリーマート
 

訓練で使う迷彩柄のバッグや装備品など、防大ならではグッズを扱っている
 

ゼリー飲料は箱単位で販売されていた
 

人気商品はチョコレート。甘いものは疲労回復に効果があるとされていて、体力が重視される防大では、大量に「箱買い」する学生が多いそうだ。
 


チョコレートのラインアップも豊富
 

一口ようかんも、まとめ買いが基本だとか
 

さらに驚いたのが大量の段ボール箱が販売されていたことだ。
 


山積みの段ボール箱が常備されている
 

通常、寮生活をしている防大生たちも長期休暇には帰省するし、全ての学生ができるだけ多くの学生と交流するようにと、年に数回寮の部屋が変わる。その荷造りのために大量の段ボールが必要だそうで、これも防大ならでは商品だ。

帰省の際のお土産にでもするのだろうか、防大限定のクッキーやサブレといったお菓子も販売されている。
 


ツアー参加者も購入できる
 

売店はもう1つある。コンビニが日常生活の買い物をまかなう場所なら、「第2売店」は授業など学生生活に必要なものをそろえる場所だ。
 


コンビニから徒歩10秒。第2売店
 

迷彩色のグッズは屋外での訓練に使用する
 

どちらの売店もツアー参加者なら購入可能だ。ここでしか手に入らないものもあるし、普段、身近でない防大生の私生活を感じられる貴重な場所だ。
 


第2売店には防大の校章がデザインされたチョコレートも売っていた
 

ツアーはこのあと戦闘機や戦車などの屋外展示を見学しながら正門に向かう。
 


F-1支援戦闘機
 

戦後初の国産戦車「61式戦車」
 

展示されているものは、もちろん型が古いなど、実戦で使用することはできない。史料として保存されているだけだ。



取材を終えて



ツアーで見学できるのは防大の一部だが、それでも防大の実態を知るには十分だった。近年、ツアー見学者が増えているとのことだが、実際に自分の目で見て、それもうなずけた。

日本は平和だ。しかし外国からの脅威がゼロとは言えないのもまた実情だ。

防大の規律ある生活の様子を垣間見て、平和の尊さ、ありがたさを実感したツアーだった。
 


平和の大切さを再認識した1日だった
 

8月7日(月)掲載の中編では決して目にすることができない、学生舎の様子と防大の授業風景をお届けします。


―中編に続く―
 
参考資料
『新横須賀市史別版軍事』


防衛大学校
住所/神奈川県横須賀市走水1-10-20
電話/046-841-3810
HP/http://www.mod.go.jp/nda/
 

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  • 漢なら、浦賀から急角度の階段を、自分の足で強引に駆け上がるのだ。新装成った大浴場も紹介してね。コンビニの2階に有った喫茶スペースのカレーが絶品だったんだが、それ以前の和食屋といい、この場所はなぜか流行らずに閉店してしまう。学生食堂棟と違って浦賀水道を見渡せ海堡も見えるオーシャンビュースペースなんだけど、今は閉鎖されていて利用できないのが残念。

  • 見学ツアーもやってるんだね。富士山がキレイに見えるのはいいね!後半の記事が楽しみ。

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