殺処分「ゼロ」?神奈川県における動物保護の光と影・後編
ココがキニナル!
神奈川県は2016年度の犬猫殺処分はゼロと発表したが、横浜市はどうなの? 時を同じくして市は待機児童が2人と発表するも、実態とかけ離れ過ぎていると批判されたばかり。キニナル!(よこはまいちばんさん)
はまれぽ調査結果!
横浜市では処分対象動物に対し安楽死を行っている。神奈川県は犬猫の処分はしない。殺処分「ゼロ」の光と影をボランティアさんに直撃
ライター:関口 美由紀
シャンプーボランティア
この日もセンターで収容された子たちにシャンプーのボランティアをするという小島さん。
ブラッシングをしてないせいで抜け毛がそのままのモサモサ犬
汚れた状態で保護された子たちをシャンプーして、きれいにしてあげるのだ。
そして、きれいになって早く新しい飼い主さんが見つかるように、新しい飼い主さんにお渡しできるようにと、気持ちを込めてお手入れをされていた。
最初は怖がっていたワンコも気持ちよさそう
現状、県の保護センターには、トリミング室は無くトイレの一角でシャンプーを行っている。
冬は寒く、夏は暑いというのが容易に想像できる環境だが、職員さんも扇風機を持ってきたり、「これ用意してみたんだけど」と、新しいシャンプーを持ってきたりとできる限りのことをしている。
シャンプーのコツをお伺いすると「とにかく話しかける。怖くないよ、カッコよくなるよ、かわいくなるよってね」と小島さん。
寄付されたタオルからは家庭の香りがする
こびりついた糞や毛玉をカット。お尻痒かったよね。もう大丈夫だよ
スッキリしてお菓子のご褒美。かわいい尻尾がご機嫌です
この子たちの呼び名は、ボランティアさんたちが付けている。
新しい家族が本当の名前を付けてくれるまで、保護センター内ではその名で呼ばれるのだ。
筆者も、小島さんにお願いされ、せんえつながら命名させていただきました。
「こりゃたまらん」これがプロのシャンプーだ
命名「ヤマト」くん。男前になったね! 幸せになるんだぞ!
新しい施設では「ボランティアが活動しやすい環境を」ということも考慮されているそうだ。
しかし、小島さんは言う。「ボランティアなんか必要ない方がいいんです。殺処分『ゼロ』という数字を守るために、誰かが身を削るようなことにはなってほしくはないですし、これからの若い世代にも負担をかけるようなことはあってはいけない。誰もが責任を持ってペットと暮らすことが出来れば、ボランティアなんていらないんですから」と。
男子トイレに咲いた笑顔の花。「洗ってあげられる場所があるだけいい!」
2019年度を目標に完成を目指す、新しい施設を目の前にして「やっぱり神奈川県はやってくれた!」と、我々県民は胸を張って言えるのだろうか?
殺処分「ゼロ」を喜び憂うその前に、我々にも出来る事はたくさんあるはずだ。
取材を終えて
重いテーマにも関わらず、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
ペットを飼っている方にも、飼っていない方にも「ゼロ」という数字の持つ意味を考えるきっかけになってくれたらいいなぁと思います。
ペットと暮らす方々へ。初めてその子を抱いた時と同じように、最期の時も家族の温かい腕の中で。ペットロス1年生の私からのお願いです。
―終わり―
取材協力
いぬねこサロンジュン
https://ameblo.jp/meimousan/
セカさん
2017年11月06日 16時26分
今でもなお器物扱いのペットに対する認識を改める時期なんだろうけど日本は対応が遅い。流行に合わせてブリーダーが繁殖させて店舗どころかネットでも売っていれば不幸な犬猫がいなくなるわけない。譲渡などは民間頼みだとしても販売を規制するのは行政のお仕事。「神奈川県、横浜市が日本のペット販売事情を変えてやる!」とかカッコイイじゃない。ちなみにみどり税みたいにペット税作って法人に上乗せするとかそういう意味ではないので念のため。
ナチュラルマンさん
2017年11月05日 11時28分
度々、失礼します。ボランティアって聞こえはいいですが、日本はボランティア=無償のイメージが蔓延しすぎ。海外では有償ボランティアは当たり前にあります。やはり、最低でも持出し金がボランティアに及ばないようにしないと、長続きはしないと思います。それと、ペットを飼うならそれなりの覚悟をするべきことをこういう施設を造る前に社会に国や自治体、関連団体や企業などが社会に啓発しないと、悪い表現ながら無駄な資金と労力が注がれるばかり。ペットは最期まで面倒を見る、これが第一です。
ナチュラルマンさん
2017年11月05日 02時12分
間違った鳥インフルエンザの情報で愛玩の鶏、特に矮鶏は受難です…実家で愛玩として矮鶏を40年以上飼育。昔は学校の飼育舎に矮鶏いて当たり前が、飼育舎空っぽ、飼育していた矮鶏を鳥インフルエンザ恐さに野山に捨てた、という学校教諭の発言と行動に怒りを覚えました。鳥インフルエンザ、知識を身に付けてから対応して下さい!鳥インフルエンザはあくまで養鶏場だけ。養鶏場の卵や鶏肉を大量生産しようとするところだけ。なのに教育の場の学校が誤った鳥インフルエンザの知識で飼育していた鶏を捨てたり、殺処分って、子供たちにどう説明する?インフルエンザにかかった子を学校は捨てたり殺したりしますか?横浜市や神奈川県だけでなく、ペットと人との関係のあり方、というか、愛玩動物という表現をもっと用いて考えなおすべきだ。アライグマなど、外来生物の問題もこれらに関連する問題でもある。動物たちより、人間がわがまま、残酷非道