ダイエー横浜西口店が2月11日に完全閉店。2023年完成見込みの商業施設にはイオンが入居予定
ココがキニナル!
2014年に建て替えが決定した南幸市外団地はどうなる?/ダイエー横浜西口店の閉店が決定。調査をお願いします(カープさん/xvさん/Solairo-Yunagiさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
建物の老朽化を理由に閉店。2019年4月から解体工事を行い2023年完成を目途に現在の本館部分に商業施設(イオンが入居予定)、新館部分に賃貸用住宅を建設する。商業施設の1階部分は食料品売場を設ける予定
ライター:はまれぽ編集部
横浜駅西口のシンボル「ダイエー横浜西口店」が、2019年2月11日をもって完全閉店する。
ダイエー横浜西口店本館
1968(昭和43)年に、前身のスーパーマーケット「サンコー横浜西口店(現在の本館)」として開業。その後、1971(昭和40)年に営業権がダイエーに譲渡され、現在の新館を増床し、1972(昭和47)年4月に「ダイエー横浜ショッパーズプラザ」として新装オープンした。
ダイエー横浜西口店新館
筆者も学生時代はダイエー横浜西口店のクレープ屋さん「ディッパーダン」や、今はなき「ドムドムバーガー」に大変お世話になった。音楽好きな友人に連れられて、初めて「レコファン」の階に降りた時の衝撃は今でも覚えている。気付けば、本館の食料品売り場にはピンク色のマックスバリュ(MaxValu)商品が並び、新館の5~6階にあった「あおい書店」はいつの間にか「ブックファースト」に変わった。
「9」のつくクレープの日(全品330円)には並んで買ったなぁ
横浜最大級のあおい書店は(写真は過去記事より)
ブックファーストに変わった
時代の流れによってテナントが変わったとしても、ダイエーが横浜駅西口からなくなるなんて想像もしていなかっただけに、閉店の知らせを聞いて悲しみに暮れたのは筆者だけではないはずだ。
はまれぽ編集部の男性社員も「ダイエー本館の2階にある紳士服売り場はスーツが安くてよく買ってたんだけどなぁ。これからどこで買おう・・・」とこぼしていた。
現在売りつくしセールを開催中
閉店の知らせを聞いてすぐにダイエー本部に取材を申し込んだが、今回、ダイエー横浜西口店はどのメディアにも店内の撮影や従業員へのインタビューなどはお断りしているという。
残念ながら店舗内の様子を写真に残すことはできないが、今記事では、ダイエー横浜西口店のこれまでとこれからをお届けする。
閉店の理由は?
ダイエー横浜西口店は、横浜で創業した権田金属工業株式会社の工場跡地に建てた「第一・第二権田ビル」に入居している。
ダイエー横浜西口店完成当初の写真(画像提供:権田金属工業株式会社)
新館完成当初の写真(画像提供:権田金属工業株式会社)
本館(地上2階)と新館(地上7階)からなり、本館が入居するビルの上部(3~10階)はUR都市機構が「南幸市街地住宅」を管理。すでに南幸市街地住宅の住民は全員退去している。
閉店の理由は建物の老朽化に伴う第一・第二権田ビルの建て替えだ。2011(平成23)年3月11日に起こった東日本大震災では、地面にヒビが入り通路が隆起するほどの被害を受けた。
2011年3月13日、ダイエー横浜西口店の正面入口
権田金属工業とUR都市機構は東日本大震災の前から建物の耐震性について危惧しており、耐震補強工事を検討していたが、ビルの建て替えがベストだと判断していた矢先の出来事だったという。
今でも随所に震災の爪あとが残されている
その後、UR都市機構は2014(平成26)年より建て替えの公募を開始し、2017(平成29)年には団地再生事業等に着手したと発表。公募を開始した当初は2020年ごろの完成を目指していたが、横浜市との協議が長引いたことでビルの建て替え工事もずれ込んだという。
ダイエー閉店後はどうなる?
権田金属工業の担当者によれば、ビルの解体工事は2019年4月ごろから開始予定。2023年完成を目途に、現在の本館部分に約45メートル(地上9階相当)の商業施設、新館部分に約75メートル(地上21階相当)の賃貸用住宅を建設する計画が進んでいるという。商業施設と賃貸用住宅は連絡通路で結び、商業施設の前は一般に開放されたオープンスペース(公開空地)も設けられる。
商業施設にはイオンが入居し、パルナード通りに面した1階部分には食料品売り場を設ける予定。
ダイエーに代わり、生活の支えとなるスーパーマーケットになりそうだ
ダイエー横浜西口店の閉店に先立って、新館のレコファンやブックファースト、キャンドゥやクリーニング店が本日1月31日に閉店。正面入口に並ぶ宝くじ売り場やケバブスタンドも1月31日までの営業となる。
店内には膨大な数のレコードが並び、凄まじいセール中
CD10枚買っても108円でした
レコファンは1月14日で買い取りを終え、投げ売りに近い閉店セールを行っている。ブックファーストのカードバトルコーナーはいつにも増して熱気に包まれているように見えた。この場所がなくなったら彼らはどこで闘うのだろうか。
キャンドゥはほとんどの棚が空になっており、「あぁ、本当に終わるんだな」と思い知らされる。
ディッパーダンは2月11日まで営業
宝くじ売り場の陰にあるプリントした赤い鳥居もなくなるのか・・・
ダイエー横浜西口店の正面で30年以上営業をしている「八百徳西口店」の女将さんは、「ダイエーができた時は本当ににぎわっていたよ。リーマンショック以降、それまでの活気はなくなっていった気がするね。『ダイエーなくなったら買い物に困るねー』って世間話が絶えないよ。ここら辺で一番近いスーパーは岡野町のサミットかな。東急ハンズがなくなったときも人通りが減ったし、今より閑散としちゃうかもしれないね」と話す。
食料品売り場で買い物をしていた近所の女性は、「前はあった商品が補充されなかったり、思い出ボードにたくさんのメッセージが貼ってあるのを見ると、本当に終わっちゃうんだなって寂しくなりますね。息子が小さいときにおもちゃを買ってあげたこともあって、いろんな思い出がよみがえってきます。最近では何を買うでもなしに来ちゃってねぇ・・・」と、野菜が入った買い物袋を覗き込んだ。
2018年11月中旬から閉店へのカウントダウンが始まった
西区岡野町にある横浜平沼高校の卒業生(51歳)は、「当時5歳だった私は、祖母に『ダイエーができたから行くよ』と手を引かれてオープン前にダイエーに並びました。「だいえー」だから映画を観るんだと勝手に思いんでワクワクして入ったら、おばあちゃんに『これを持って』とカゴを持たされて買い物をしたんです。映画じゃなくて、がっかりした」というエピソードを聞かせてくれた。
はまれぽも思い出ボードにメッセージを残させていただきました
約46年、この地にしっかりと根付いてきたダイエー横浜西口店。この何とも言えない寂しさは言葉にできない。
取材を終えて
「バックルームにドアの開閉を手動で行う古いエレベーターが存在しているらしい」という投稿に関しては、ダイエーの広報から「歴史的に貴重かどうかは我々で判断できませんが、確かにそういったエレベーターは存在しています」との回答をもらった。
記録として残せないことは残念だが、横浜駅西口のシンボルとして根を張ってくれた姿は、我々の心の中にしまっておこう。閉店まであと11日、最終日までに足を運べる方は一目でもいいので「ダイエー横浜西口店」を目に焼き付けてほしい。
ー終わりー
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mmbljgrkさん
2019年09月06日 01時00分
本館部分にイオンは素晴らしい案ですが、新館部分に住宅は間違っています。首都圏有数のターミナル駅である横浜駅から徒歩で比較的直ぐの場所は住宅を建設するよりホテル、オフィス等を建設するのが正しいと思います。しかも、ダイエー上層部の住宅の住民は全員退去しているから尚更新築マンションは不要です。かつてダイエーの隣近所にあった東急ハンズも現在は駐車場になっていているので、その穴埋めでダイエー新館部分を商業施設にして昔の活気を取り戻そうと考えるのが自然な発想ですがね。駅周辺に住宅を増やすと都市が寂れますから、ダイエー跡地にマンションは不要です。
microringsさん
2019年08月18日 21時28分
今から25年以上前に、フードコートでバイトしてました。その頃から『此処はあと数年で取り壊す。古いから仕方がない』と聞いていたので、良くもったなという印象。震災でも大丈夫だったので、なんやかんや壊さないでもやっていけるのかと思ったけど…残念。
やま21さん
2019年02月06日 11時47分
なんかイオン嫌いが多いですねぇ。私もジャスコ時代の方がよかったと思うけれど、ここまで毛嫌いしなくても、と感じます。ダイエーも一時期はかなり嫌われていたけれど、いざ軒が傾くと応援されるわけで、日本人って本当に判官びいきなんだなと思います。ところで、ダイエーの広報さんにお願いしても、店内の写真撮影はダメだったのですかね。半世紀前のスーパーマーケットの雰囲気を今に伝えているので、そこだけは残念です……。