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山手西洋館はどうして無料で入れるの?

ココがキニナル!

神戸の異人館は、入場料を取られるところが多いのですが、横浜山手の異人館は無料のところが多いのは何故でしょうか?運営費や修繕費はどこが負担しているのでしょうか?(keinakatさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

市の税金や募金・関連商品の売上げ、そしてボランティアの人達の支えで運営されており、多くの人に何度でも来て貰えるように無料にしている。

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ライター:橘 アリー

元町公園近辺は 

(つづき)

「ベーリック・ホール」は最初、イギリス人貿易商B.R.ベリック氏の邸宅として、1930(昭和5)年にJ.H.モーガンによって設計され、第二次世界大戦前まで住宅として使用された。その後、1956(昭和31)年に遺族より宗教法人カトリック・マリア会に寄付され、2000(平成12)年まで、セント・ジョセフ・インターナショナル・スクールの寄宿舎として使用されていた。

現存する戦前の山手外国人住宅の中では最大規模の建物である。
 


「ベーリック・ホール」の外観(横浜市認定歴史的建造物)


そして2001(平成13)年、横浜市は、建物が所在する用地を元町公園の拡張区域として買収。建物については宗教法人カトリック・マリア会から寄付を受け、復元・改修等の工事を経て、2002(平成14)年から庭園とともに公開している。
 


広々としたリビングルームが再現されている


7館を観て廻ると、どの館にも、雛人形などの季節ごとの装飾品や花などが豪華に飾られていたので、入館料が無料だということがますます気になった。
そこで、ベーリック・ホール館長の岸さんに、話を伺ってみた。



多くの人の思いやりに支えられている

岸さんによると、花や雛人形などの調度品は、近隣の方々などから寄贈されたものだとのこと。
 


「ベーリック・ホール」館長の岸さん。左側は、寄贈された雛人形


また、入館料については、「例えば、入館料が300円位だとしても、いくつも観て廻るとけっこうな金額になります。それでは、何度も来て貰うことが難しくなってしまうので、たくさんの人に気軽に何度でも来て欲しい場所として、入館料が無料になっています」ということだった。
ちなみに、キニナル投稿にもある神戸の異人館は、廻れる館によって料金設定が異なるが、2館券600円や9館券3,500円などがある。

確かに、無料であれば、ふらっと気軽に何度でも行ける。
しかし、来て下さった方々に心地良く過ごして貰うためには、それなりの運営費が掛るのではないだろうか。
 
そこで、横浜市から山手西洋館の管理運営を任されている財団法人横浜市緑の協会に運営費に関して伺った。
 


緑の協会HP。ズーラシアなどの動物園の管理運営も行なっている


緑の協会事業課に問い合わせると、基本的に「山手西洋館」は横浜市の持ち物なので、費用の多くは横浜市の税金で賄われているということだった。
緑の協会の平成22年度会計報告をみると、約1億3800万円が西洋館管理事業収入として計上されており、建物の小修繕費や人件費・光熱費などの管理運営費に充てられている。

ちなみに、今回「山手234番館」で行われているような大規模修繕は、横浜市が直接行っているそうだ。

このように多くを税金で賄っているのだが、節約出来る所は節約して、例えば掃除などはボランティアの方々に手伝って貰っているそうだ。
そのボランティアには、「公園ボランティア」と言う緑の協会が募っているものと、近隣などの住民が自主的に集まって来てくれているものとがあるようだ。
 


「外交官の家」に飾られていた花


季節の花なども、近隣の方々などが無償で提供してくれているので、とても助かっているしありがたいと、前出の岸さんは話してくれた。

また、協会としても、グッズ販売や喫茶、コンサート・結婚式などの自主事業も行って売上を上げる努力もしているとのことだった。
ちなみに、自主事業の売上は、年間約800万円位で、この収益は運営費に充てられているそうだ。
 


販売されているグッズ
売れ筋商品は「西洋館7館パンフレット(200円)」や「山手西洋館ローズドロップス(300円)」など


各館に設置してある募金箱にも、あわせて年間50万円位の募金が集まり、各館のカーテンやスリッパなどの購入資金にもなっているという。



まとめ

「山手の西洋館」は、訪れる人に穏やかな癒しを与えてくれているのに、今まで無料なのを当然の事のように思って、感謝する事はなかった。

「ベーリック・ホール」館長の岸さんに、運営は大変なのでは?という質問をしてみると「もちろん、大変です。でも、多くの人々に支えられながら、出来るところまで頑張りたい!近隣の方もボランティアの方も、みんなこの場所が好きなんですよ。」と話してくれた。

目に見える快適な空間の影には、目に見えない多くの人の支えや努力があることを、これからは忘れないでいたい。


― 終わり ―
 

◆山手西洋館ホームページ

http://www2.yamate-seiyoukan.org/
 

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  • 山下公園や港の見える丘公園と同列に、税金が使われるのは良いと思ってます。これぞ『横浜』を体現しているものであり、横浜市民として誇りに思います。普段はともかく、クリスマスの装飾や毎年やっている『花と器』ハロウィーンは各館拝観料とってもいいと思います。個人的には700円でも安いぐらいの価値はあると感じますね。

  • 財団法人横浜市緑の協会http://twakabayashi.kanagawanet.jp/blog/2007/11/03/5455/

  • 我々横浜市民の税金で運営されていることは知っていました。貴重な文化財を守っていることに、誇りも感じます。写真が趣味なので、山手西洋館にはよく足を運びますが、いつも訪れる度に、運営されている方の努力には頭が下がります。無料にして、多くの方に来ていただくのはいい事だとは思いますが、一方で「タダが当たり前」のように思われている面もあるのでは…? 個人的には、一館100円程度の拝観料を取ってもいいと思います。それによって、山手西洋館の重要性・貴重性を意識していただけるかと。

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