オープンを控えた新羽車両基地の有効活用事業。現地の様子は?
ココがキニナル!
北新横浜にある新羽車両基地の再開発計画が発表されました。飲食店や商業施設も出店するようです/どんなスポーツの施設が入るのか、利用時間帯や料金なども(パッチョさん/烏龍茶さん)
はまれぽ調査結果!
2018年内のオープンを目標に工事が進行中。スポーツ施設を中心に、家族連れでも楽しめる屋上広場やマルシェ広場など用意し、地域のにぎわい創出を目指す!
ライター:田中 大輔
横浜市内には港北区の新羽車両基地、港南区の上永谷車両基地、都筑区の川和車両基地と、市営地下鉄の基地が3ヶ所ある。今回の主役は、そのうちの一つである新羽車両基地だ。
といっても、地下鉄の話題ではなく、この基地の屋上スペースと高架下を民間企業に貸し出して活用しようという事業について。
計画が進み、開業を間近に控えた今、現地の様子を取材した。
20年を超える紆余曲折
横浜市営地下鉄ブルーライン北新横浜駅から歩いて5分ほどの場所に新羽車両基地が完成したのは、1996(平成8)年のこと。その当時から横浜市は、屋上や1階の空いたスペースを活用しようという考えを持っていた。当初は、周辺の会社との連動を想定した研究開発機能の最先端ビルを作ろうという計画もあったという。
しかし、バブル崩壊による景気の低迷や、阪神・淡路大震災を受けた耐震基準の改正などの影響を受け、なかなか思うように計画が進んでいなかったという事情があった。
新羽車両基地の外観。屋上で工事が進んでいるのが見える
そんな中で、地元からも「何か、にぎわいの生まれる活用をしてくれないか」という声が上がるようになり、交通局も2015(平成27)年度くらいから本腰を入れて具体的な計画を練り始めたのだそうだ。
事業者募集を開始した当時の交通局からのリリース
交通局は、2016(平成28)年3月に活用事業を行う企業の公募を開始。
2件の応募の中から、スーパーマーケット「食品館あおば」を経営する株式会社ビック・ライズが事業者に決定し、いよいよ計画は本格的に動き出した。
ビック・ライズの打ち出したプランは、1階には自社の物流センターを作り、屋上にはフットサルコートなどのスポーツ施設やレストランを設置し、地元の人に利用してもらおうというもの。現在は、2018年内の完成を目標に工事が進められているところだ。
車両基地の上にフットサルコート!
今回は、交通局の担当者である事業開発課の田中創(たなか・はじめ)係長と、ビッグ・ライズの松島純二(まつしま・じゅんじ)社長室室長にお話を聞いた。
取材に応じてくれた田中さん(右)と松島さん
この計画の事業者となった松島さんは、「公募に参加したのには2つの理由がありました」と話す。
一つは現在市外にある物流倉庫を市内に移転したいという、言ってみれば社内的な事情。もう一つが、横浜市に根付いた企業として地域貢献活動をしたいという思いだったそうだ。
「屋上にスポーツパークを設置し、地域のみなさんにご利用いただいて還元していきたい」と松島さんは話す。
田中さんも「局としても、広く地域に愛される、にぎわい創出に寄与してほしいという主旨に合ったプラン」と太鼓判を押す。
完成予定のイメージ図。屋上は2万平方メートルを越える広さ
一般の利用者たちがキニナルのは屋上を中心に作られるスポーツ施設。
「あおばスポーツパーク」と銘打たれたこの場所には、6面のフットサルコートが確保できるグラウンド、2面のテニスコート、バッティングセンター、クラブハウス、軽食を取れるレストランなどが設置される。レストラン以外には別の企業がテナントとして入るそうだ。
最も目を引くのは一番大きなフットサルコート。「フットサル以外にも活用を考えています。少年サッカーのグラウンドは2面取れますし、地域のお年寄りから要望のあったグラウンドゴルフにも使えます。ラグビーの練習などもできるので、いろいろな種目で使ってもらいたい」と松島さんは話す。広場として一般開放する企画もあるそうだから、さまざまな用途で使うことができそう。
取材日現在のフットサルコートの様子。なんとなく姿が見えてきている
屋上ではないが、1階には野球の練習場が作られ、遠藤一彦さんら元プロ野球選手をコーチに迎えた「野球塾」も開講予定。市内に拠点を置くジャパン・アスレチック・アカデミーが運営する野球教室で、本気で野球に取り組む小中学生が対象となる。週末には練習場の一般貸し出しもあるそうだ。
また、子ども向けの遊具や高齢者も使える健康遊具を配した、家族連れで楽しめる屋上広場や、地元産の野菜を販売するマルシェ広場なども用意され、スポーツをしない人でも気軽に楽しめる施設となりそう。
レストランと屋上広場のイメージ。ふらっと散歩に来ても楽しめるかも
なお、各施設の利用料金は現在のところ未定とのことだった。