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チームの変革期を支えた2人、後藤選手と加賀投手の引退会見をレポート

チームの変革期を支えた2人、後藤選手と加賀投手の引退会見をレポート

ココがキニナル!

今シーズン限りで現役引退を発表したG後藤武敏選手と加賀繁投手の引退会見の様子がキニナル(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

低迷期からチームを支え続けた両選手。「少しホッとした気持ち」という加賀投手と「松坂世代で幸せ」と語った後藤選手

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ライター:田中 大輔

首位・広島カープから18ゲーム差の最下位ながら、クライマックス・シリーズ(CS)出場圏内である3位までは3.5ゲームの位置に付けている横浜DeNAベイスターズ(9月14日試合前現在)。
3年連続となるCS出場に向け、チームは最後の踏ん張りどきを迎えているが、そんな中で決断を下した選手たちもいる。

14日、横浜市内の球団事務所で、引退を発表したG後藤武敏(ゴメス・ごとう・たけとし)選手と加賀繁(かが・しげる)投手が記者会見を行った。



恩師の言葉で決断したバレンティンキラー



上武大学、住友金属鹿島を経て、2009(平成21)年のドラフト会議で2位指名を受けて入団した加賀繁投手は、ベイスターズ一筋に9シーズン目のプロ生活を過ごしている。
入団から数年は先発ローテーションに加わることもあったが、その後は主に中継ぎ投手として活躍を続け、通算72ホールドを挙げた。

 

右のサイドハンドからのスライダーを武器に活躍した加賀
 

今の気持ちを聞かれ、「多少の悔いは残っていますけど、少しホッとしたような気持ちでいる」と噛みしめるように答えた加賀は、引退に当たり、上武大学時代の恩師である谷口英規(たにぐち・ひでのり)監督に相談したと話した。

自分の中ではまだ現役でやりたい気持ちがある、と切り出したところ、谷口監督からは「9年間、プロ野球でできて幸せだったのか」と聞かれたそうだ。
「まさか自分がプロになれると思っていなかったので、『この9年間に悔いはありません』と言ったら、『だったら、それがお前の引き際だぞ』とハッキリ言ってもらえた」とのことで、「そこで踏ん切りがつきました」と決断の瞬間を振り返った。

 

引退は悩んだ末の決断だったと語った
 

思い出に残っているシーンを聞かれると、ルーキーイヤーに記録したプロ初勝利とともに、東京ヤクルトスワローズのバレンティン選手との対戦を挙げた。
「バレンティンと長い間、対戦できたのはいい思い出でもあった」と話す加賀。バレンティンキラーとして知られ、21打席目に初ヒットを許すまで、本塁打王3回の強打者を完璧に封じ込め続けた。

「球速もある方ではないので、体も大きく、パワーもあるバッターを、どうやったら抑えられるかを常に考えていた」そうだが、昨シーズンに初ヒットを許して以降は、4打数3安打と打たれてしまった。
「今まで抑えてきた分、打たれると悔しい気持ちになった」という加賀は、「逆にそれが、(引き際を)教えてくれたのかなと、後々考えてそう思っています」と結んだ。

 

球界屈指の強打者をきりきり舞いさせ続けた投球はファンの語り草だ
 

今後については、「野球でずっと生きてきたので、この経験を教える立場であったり、一緒にやる立場に携われたらと思います」とのこと。
CSを目指すチームメイトには「体も心もきつい時期だが、みんながみんな味わえることではない。CSに出て、日本シリーズで優勝してもらうことが一番幸せ。とにかく頑張ってほしい」とエールを送った。



母に捧げた日本一、子どもに贈ったホームラン



近年は「ゴメス」の愛称で親しまれた後藤武敏選手。松阪大輔(まつざか・だいすけ)投手(中日ドラゴンズ)、小池正晃(こいけ・まさあき)コーチらとともに、甲子園春夏連覇を成し遂げた横浜高校のメンバーで、“松阪世代”の一人だ。法政大学を経て西武ライオンズ(現・埼玉西部ライオンズ)に入団し、2012(平成24)年シーズンから横浜DeNAベイスターズの一員となった。

 

DeNAベイスターズでは、代打の切り札として大活躍を見せた右の大砲
 

「気持ち的にはスッキリしてますね」と今の心情を表現した後藤は、「今年1年、ダメだったら引退しようという覚悟で臨んだ1年だった。そういう気持ちでやっていたので、スパッと決めることができました」と続けた。

印象に残った出来事を聞かれると、「(西武時代の)2008年に母ちゃんが亡くなって・・・」と話し、涙をこらえる場面も。「その年に日本一になれた、日本一に貢献できたのが、ライオンズでの一番の思い出です」と目に涙を浮かべて話した。

 

目に涙をため、言葉に詰まる場面もあった後藤
 

DeNAベイスターズでの思い出としては、「息子の誕生日にホームランを打った」ことを挙げ、「下の子には『来年は私の誕生日にも打ってよ』と言われ、当日に試合がなかったので、翌日にホームランが打てた」と、ゴメスの人柄がにじむ家族との思い出を挙げた。

松阪世代と呼ばれてきたことについては、「この年まで切磋琢磨してきた同世代の選手たち。その世代の一人としていられたことは幸せなこと」と語り、会見前日に甲子園球場でバースデー勝利を挙げた松阪には「おめでとう、という連絡はしました。ニュースでコメントを聞いて涙が出ました。本当にうれしかったです」と続けた。

 

今季のハマスタ最終戦は中日戦になる予定。最後に松阪との対戦があるか
 

プロではここまで実現しなかった松阪との直接対決について話が及ぶと、「高校のときに一回、真剣勝負をしたが、一球もバットにかすらなかった。できることなら対戦したいですよね」と話し、残り少ないチャンスに期待を込めた。

今後は、加賀同様に「恩返しをする意味でも、野球に携われるような仕事ができれば」と話し、同僚たちへも「ここからが大変な勝負だと思います。そこにいられない選手も必ずいるので、チーム代表として去年のような底力を見せて、最後は笑顔で終わってほしいと思います」と言葉を紡いだ。



取材を終えて



加賀は、苦しい時期にファームの練習場で「加賀さんの一軍の姿が見たい」、「一軍のマウンドで待ってるね」などとファンに声を掛けられたことに触れ、「めげそうになっていたときでも、それが自分の背中を押してくれた。マウンドに立って、みなさんに見てもらいたい、応援してもらいたいという強い気持ちにもなれた」とファンへの思いも口にした。

 

満員の会見場で思いのたけを語った2人。お疲れ様でした
 

ファンサービスの良さで知られる後藤も「僕という人間を知っていただいて応援してもらいたかった」と明かし、「横浜スタジアムの、あの鳥肌が立つような大声援は僕の背中を押してくれました」と感謝した。

 

ファン感謝祭では、バットを2本持ち打席に立った
 

横浜ベイスターズ時代を知る加賀と、DeNAベイスターズ初年度に加入した後藤。
どちらも、「最下位が定位置」と揶揄(やゆ)されたころから、チームを支えてきてくれた選手だ。今のDeNAベイスターズの礎を築いてきた選手だ。
チームの躍進が2人への最高の餞(はなむけ)になる。最後までチームへ、そして2人への大声援を送り続けよう。


-終わり-
 
 

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  • 二人ともお疲れ様でした。今後コーチ等になってくれたら嬉しいです。

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