今はなき戸塚区柏尾川温泉の現在は?
ココがキニナル!
アーバンルーフホテル戸塚が突然の廃業から数年、人の出入りはありそうだけども看板はそのまま。柏尾川温泉も気になります。現在はどうなっている?(yakisabazushiさん/山下公園のカモメさん)
はまれぽ調査結果!
戸塚アーバンルーフホテルは、閉店後に経営者が変わり、現在はNPO法人が運営する生活困窮者のための自立支援施設になっている。
ライター:橘 アリー
“伝説になりそう”と言われた温泉!?
寒い季節には、温かい温泉に入ってのんびりしたくなるもの。
そんな時、“家の近くに温泉があったらいいのに・・・”と思うのではないでしょうか。
温泉のイメージ(フリー画像より)
戸塚区上倉田町にある「戸塚アーバンルーフホテル」。キニナル投稿によると、数年前に閉店しているはずなのに、なぜか今も、人の出入りがあるとのこと。
看板も健在のままである
これは、どういうことなのか!?
まずは調査をする前に、看板にある「柏尾川(かしおがわ)温泉」について触れておくことに。
柏尾川温泉という名前の柏尾川は、戸塚区を流れている川の名前。
地名辞典によると、柏尾川とは、阿久和川(あくわがわ・瀬谷区三ツ境付近が源流)と平戸永谷川(ひらどながやがわ・港南区野庭町付近が源流)が、戸塚区柏尾町の国道1号線と交差する付近で合流し、藤沢市川名2丁目の新川名橋付近で境川と合流するまでの川の名前だそうだ。
柏尾川
柏尾川のすぐそば
「鬼怒川温泉」のように近くを流れる川の名前が温泉名についていると、その地域が温泉地であるようなイメージがしないだろうか。
では、戸塚のこの辺りは、温泉が湧く地域だったのか?
地域の歴史の資料で調べてみると、この地域に温泉が湧いたという歴史は無いようであった。
では、柏尾川温泉は温泉では無いのか、というと、確かに温泉のようだ。
柏尾川流域の様子が書かれて「柏尾川マップ」。この表面には載っていないが
裏面に・・・
柏尾川温泉が紹介されている
それによると、柏尾川温泉は地下120メートルから汲み上げた弱アルカリ鉱泉で、黒湯と呼ばれ茶褐色の温泉だったそう。宿泊しなくても、温泉のみの利用もできたようだ。
周辺の方に柏尾川温泉について聞いてみたところ、経営者の方は、ホテルを始める以前はガソリンスタンドを経営していたとのこと。
ガソリンスタンドを止めてビジネスホテルを建てる時、偶然、温泉を掘り当てたそうである。
この温泉は、温度が20度台とぬるいものであったので、沸かして使っていたという。
掘削工事のイメージ(フリー画像より)
そして、この地域でほかに温泉を掘り当てたという話があるか聞いてみたところ、以前近くに「みくに製菓」という菓子店があり、そこで温泉を掘り当てたという話を聞いたことがある。現在はその「みくに製菓」は無く、その温泉がどうなったのかは不明のようだ。
また、戸塚アーバンルーフホテルが開業した時期については、「平成」になってからと教えていただいたので、図書館の明細地図で調べてみた。
すると、1992(平成4)年の地図には建設中となっていて、翌1993(平成5)年の地図には、戸塚アーバンルーフホテルの名前が記載されており、同年にホテルの営業が始まったようだ。
こうやって見ると、現在もホテルとして営業しているように見える
その後、ホテルは10数年営業していたが、経営が悪化したことにより廃業したそうだ。
廃業の年については、ご近所の方々に聞いてみたところ2009(平成21)年のようだ。
経営者はホテルの近くに住んでいたが、廃業後はホテルを売り、同じ戸塚区の別の場所へ移転。現在はほかの商売をされているようでだが、今回の取材ではその場所については分からなかった。
続いて、キニナル現在の様子について。