「ラグビーワールドカップ」神奈川のキャンプ地、横浜、海老名、小田原の盛り上がりは?後編
ココがキニナル!
「ラグビーワールドカップ2019日本大会」開催都市の一つ、また決勝戦の都市としての横浜。大会をサポート、盛り上げていくイベントなどがあるのかキニナリマス。(RICKY-ONEさん、ハムエッグさん)
はまれぽ調査結果!
海老名市は、市民からサポーターを集い、オール海老名で大会を盛り上げていた。一方、小田原市は、これまでのラグビーとの関係性から特定のチームを応援した様々な取り組みが行われた。
ライター:星野 憲由
ラグビーワールドカップが開幕し、神奈川県内のキャンプ地がある横浜市、海老名市、小田原市の大会に向けての取り組みを調査している今回の記事。前編では、横浜市の取り組みを紹介してきたが、後編では海老名市と小田原市の取り組みについて紹介しよう。
海老名市はサポーターを結成し、熱いファンの育成を進めていた
ロシア代表チームの公認キャンプ地、海老名市。海老名市は横浜市と違い、試合の開催があるわけではないので、訪日外国人向けの情報発信というよりも、地域住民に向けてラグビーの理解を深める取り組みを行っていた。とはいえ、前編でも紹介したが、公認キャンプ地を任されている自治体は、関連情報を公開できないという縛りがあるため、取り組みを進めるうえでさまざまな苦心があったのではないかと推察される。
詳しい話を伺うため、海老名市市民協働部文化スポーツ課に向かうことにした。
海老名駅に着くと、大会の大きなパネルとカウントダウンボードが設置され、駅周囲は横断幕やステッカーで彩られていた。人通りの多い場所で大々的に告知されており、シンプルだが、熱い戦いが繰り広げられることをわかりやすく伝えている。
駅の最も人通りの多い自由通路に大型パネルとカウトダウンパネル
駅の自由通路には横断幕や大会ステッカーもある
海老名市役所内にもあちらこちらに、ラグビーワールドカップのポスターやのぼりが飾られていた。
海老名市のラグビーの取り組みについて、スポーツ振興係の小谷田宏紀(こやた・ひろき)さんにお話を伺った。
大会プロモーションポスターをバックに小谷田さん
小谷田さんに、これまで大会に向けて海老名市が取り組んだことを伺うと、キャンプ地の環境や施設の整備はもちろん、地域を盛り上げるために様々なイベントを実施したと話してくれた。
海老名市が実施した主な取り組み
開催前に海老名市が行った100日前イベントでは、元サッカー日本代表の松木安太郎(まつき・やすたろう)さんや元ラグビー日本代表の田沼広之(たぬま・ひろゆき)さんらのトークショーに加え、EBINAダンスのパフォーマンスもあったとのこと。EBINAダンスとは、世界大会8連覇を成し遂げたダンサー、DA PUMPのKENZOさんが振り付けをおこない誕生した海老名市オリジナルのダンスのこと。
田沼さん(左)と松木さんの日本代表経験者のトークショー(画像提供:海老名市)
KENZOさんが振り付けしたEBINAダンス(画像提供:海老名市)
また小谷田さんは「熱いファンを育成するために、独自に『えびなラグビーサポーター(ERS)』を結成し、市民と一緒に大会の盛り上げを行っています。海老名市として、ロシア代表チームをおもてなしすることはもちろんですが、多くの市民にラグビーを体感できる機会を提供したく、市民、企業、関係団体と連携したオール海老名で、大会の成功に向けた取り組みを実施しています」と話す。
大会開催地では、大会運営ボランティアを結成して市民の参加を募っているところはあるが、著名人ではなく一般市民からサポーターを募集しているところは他の都市にはない。また、えびなラグビーサポーターは現在約400人いるのだが、募集に対して定員以上の応募があったそうだ。そのため、市としてはラグビーを応援したいという市民の熱意に応えるべく、定員拡大を決定したほどだという。そういった状況の中、結団式が開催され、サポーターにはオリジナルのポロシャツやタオルが無料配布された。
えびなラグビーサポーターの結団式(画像提供:海老名市)
こちらが配布されたオリジナルポロジャツ(画像提供:海老名市)
海老名市は、このえびなラグビーサポーターを中心に「ロシア×スコットランド戦」の大規模なバスツアー(バス6台、約300人)を募集した。するとサポーター以外の市民からも応募があり、あっという間に完売したそうだ。これは海老名市の取り組みの成果と、海老名市民のラグビーへの興味、関心度の高さが感じられるエピソードだ。
そして、9月20日の開幕の日は、海老名駅の駅間芝生広場で「日本代表×ロシア代表」のパブリックビューイングを開催。定員500名の会場で205インチの大型ビジョンカーを配備。キッチンカーや大会パートナーのハイネケンの生ビールも用意され、大会の開幕を大いに盛り上げた。
小田急線とJRを結ぶ東口の自由通路から見た駅間芝生広場
ラグビーファンの育成を中心に、オール海老名で盛り上げようという海老名市の取り組みは、ラグビーに触れる機会を地域一丸となって作っていることで、より楽しさが市民に伝わっているように感じた。