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米軍から返還された泉区の深谷通信所。今後どうなる?

ココがキニナル!

泉区と戸塚区にまたがり、6月30日に米軍から返還された国有地の深谷通信所の跡地はどうなる?(象の鼻さん、tamagoさん、takechanさん、あっくんしょうちゃんさん)

はまれぽ調査結果!

2015年3月末までに「跡地利用基本計画」の策定を目指し検討中。跡地利用の有力候補として「自然・スポーツ・文化の円形緑陰空間」があがっている

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ライター:コハル

横浜市「政策局基地対策課」へ



泉区にある深谷通信所が2014(平成26)年6月30日に正式に米軍から返還された。泉区の約3%を占めるという広大なスペースなだけに、横浜市民からはその後の展開に大きな関心が寄せられている。

返還後、この土地はいったいどんな姿へと変貌を遂げるのか? 今後の見通しはどうなっているのか? キニナル真相を解明すべく、ライター・中原が横浜市政策局基地対策課を突撃取材。

以前はまれぽでも取り上げた泉区深谷通信所だが、「そんなの全く知りません」という人のために、まずは軽くおさらいをしておこう。
 


当施設を含めた土地全体が全部返還された

 
深谷通信所は神奈川県横浜市泉区に位置する、77万3747平方メートル(横浜スタジアム約30個分※球場面積〈2万6200平方メートル〉で計算) の在日米海軍の基地。1945(昭和20)年に旧日本海軍の通信施設が米海軍により接収されて以来、在日米海軍・厚木航空施設司令部の管理下で送信施設として使用されていた。

横浜市はこれまで返還を求める活動を続けてきたが、2004(平成16)年10月、遂に日米合同委員会にて返還の方針が合意された。以降横浜市では跡地利用を協議するプロジェクトを立ち上げ、利用方法について検討を進めている。

現在は野球場や菜園耕作などの使用が認められ、県道が通過しているので一般人の通行も認められている。

今回取材に応じてくださったのは、政策局基地対策課課長・片川さん。
 


よろしくお願いします

 
―現在、跡地利用についてどのくらい話は進んでいるのですか?

片川さん「2004(平成16)年に返還の方針が合意されて以降、我々は跡地を市民のために有効活用することを大前提として利用方法を検討してきました。これまでに、跡地利用に関する社会的関心を高めていくなどのため、横浜開港150年を契機に、2009(平成21)年に跡地利用計画に関するアイディアコンペも開催しました」
 


コンペ入賞作の一部(横浜市ホームページより)

 
市は2006(平成18)年10月、「米軍施設返還跡地利用指針」を策定し、その中で『自然・スポーツ・文化の円形緑陰(りょくいん)空間』という方向性で検討していくことを決定。デザイン性の高い公園の設立をメインに、外周道路の整備、周辺道路への接続、防災拠点機能の形成などを視野に入れているという。

深谷通信所が位置する泉区では、区内で設立された「泉区深谷通信所返還対策協議会」から計画案が提出された。

計画案は「人をつなぎ、そだて、まもる、ふれあいパークの創出」

つなぐ・・・人と人をつなぐ、過去と未来をつなぐ
そだてる・・・人をそだてる、自然をそだてる
まもる・・・災害からまもる、環境をまもる

子どもが遊び学べる多目的広場、多くの人が集まれる野外ステージ、サイクリングロードやジョギングロード、農園や野球場などを備えた大型公園・・・といった提案だ。
 


計画案のイメージ(横浜市HPより)

 
一方、敷地に隣接する戸塚区でも区民の意見が出された。

公園や広場(周囲をジョギング・サイクリングコースに整備)、スポーツ施設(体育館施設、屋内温水プールなど)のほか、菜園、防災、墓地などの意見が出された。

前回の取材では跡地利用のテーマが『自然・スポーツ・文化の円形緑陰空間』と定められたことまで明らかになっていたが、今回の取材では、より具体的な内容を知ることができた。

片川さんによると「公園や広場としての利用という点ではどちらの区も共通していますが、戸塚区からは周辺道路の渋滞を回避できるよう道路整備を優先してほしいという意見があがっています」という。

そのうえで、「跡地を公園などに活用すると、どうしても交通量が増えますから。直径約1kmの土地の外周道路を整備し、周辺道路の渋滞緩和やアクセスの確保にも留意したいと思っております」と話す。
 


周辺環境とのバランスにも配慮するという

 
防災拠点機能に関しては、近隣に大型病院などはないものの、「これだけの広大なスペースがあれば、いざというときの避難場所、廃材置き場など、いくらでも利用手段はあると思います」とのこと。