スカイウォーク閉鎖後のいまは?
ココがキニナル!
ベイブリッジ下のスカイウォークは閉鎖後、どのような使い方をされているんですか?あの施設が再利用されないとなると悲しいです。調査お願いします。(WELLさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
現在は「再開に向けてこれからどうしていくのか」ということは検討しておらず、「閉鎖状態でいかに経費を削減するか」という対応だそう。
ライター:吉澤 由美子
スカイウォークは1989年に開業。
ベイブリッジの首都高速下に作られた、片道320メートルの歩行者専用の市道。
海面からの高さは50~60メートル。横浜港や市街中心部を一望できる名所として親しまれてきた。
大黒ふ頭にあるスカイウォーク入口であるスカイタワー
昨年9月に惜しまれつつ閉鎖されたスカイウォーク。はまれぽでも今年の1月に、閉鎖に至ったいきさつなどを『あの横浜スカイウォークは廃墟と化すのか!?』という記事にしている。
毎年、1億円近い赤字を出した末、監査委員会の指摘を受けて閉鎖されてしまったスカイウォーク。
しかし、高い位置から見晴らす横浜港や市街の眺めは抜群で、閉鎖を惜しむ声も多い。
横浜市は、赤レンガ倉庫やマリンタワーなど、閉鎖されたり営業を一時休止した施設の再生を見事に行っている。スカイウォークの景観もなんとかその手腕で取り戻せないものだろうか。
そこで、再び、横浜市道路局横浜環状道路調整部事業調整課の葛西隆さんにお話をうかがってみた。
今年の5月にこの部署に異動で来られた葛西さん
現在の状況
スカイウォークはオープン当初こそ79万人もの利用客を集めていたが、以降どんどん利用者が減っていってしまった。
閉鎖した当時の利用客は、年間4~5万人程度。
けっこうな数の入場者がいたのに、なぜ閉鎖されてしまったのだろう。
閉鎖されたスカイウォーク入口
スカイウォークを営業した場合の年間経費は、7000万~7500万円くらいかかる。
そして、スカイウォークの入場料は大人が600円、中学生以下と65歳以上が300円。
単純計算で大人の入場料600円で入場者数5万人として計算すると、3000万円。
経費にはまるで足りないのがわかる。経費7500万円として、それをまかなうのは年間12万5千人の入場者が最低でも必要なのだ。
タワー上階に接続されたスカイプロムナードという通路がスカイラウンジにつながっている
管理していた横浜市も、徐々に入場者数が減っていったあたりで、ただ手をこまねいて見ていただけではない。ライブや運動会といったイベントを行ったり、運営委託や営業時間の見直しなどを行い、なんとか存続させようと一定の努力はしてきた。7000万~7500万円の経費もオープン当初から比べるとかなり圧縮した額だ。
その上で、どうしても採算が取れないため、今回の閉鎖となってしまった。
スカイウォークの上に、高速道路と国道がある
現在は、年間管理費が500万円ほど。高圧の電源があるのでその点検と、不法侵入を防ぐセキュリティにかかる費用のみであり、水もエレベーターも、全てて止めている
スカイウォークは通常の施設と違い、ベイブリッジという橋の上にある。高速道路も上に通っているため、不法侵入による火災など万が一のことがあれば大事故につながってしまう。
高圧電源点検やセキュリティはどうしても外せない維持管理なのだ。