山手駅前の大和町商店街に焼鳥屋が多いのはなぜ?
ココがキニナル!
山手駅の大和町商店街はなぜあんなに焼鳥屋が多いのでしょうか?(京ちゃんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
山手駅前の商店通りは「通称」大和町商店街。地元民に愛される数軒の焼鳥屋が繁盛したのをきっかけに2000年代前半に増えはじめた
ライター:クドー・シュンサク
大和町商店街はない?
商店街終点近くにある「鳥京」さん
仕込み中だったが、今回の取材の旨を伝えると、快く応じてくれた。そして話をしていくと店員の男性から思いもよらない一言が。
「大和町商店街に焼鳥屋がなぜ多いかって言われても、この商店街は『大和町商店街』って名前じゃないんだよね・・・。というか、大和町商店街って名前の商店街は存在しないんだよ」
じゃあ、ここはどこ?
「商店街のことも、焼鳥屋が多い理由も、『マルトクリーニング』さんで聞くといいよ」とのこと。
仕込み中の焼鳥が早くも食欲を誘ったので、また来る約束をして「鳥京」さんにお礼を言い、「マルトクリーニング」さんへ向かった。
この商店街の「守り神」と紹介されたマルトクリーニング
明るく対応してくれた「マルトクリーニング」の長森紀子さん
長森さんいわく、もとは、「大和町商栄会」のみがこの通りを盛り上げていたが、のちに「山手駅前商和会」がこの通りに参入したのだという。
さらに、先ほどお話を伺った「鳥京」さんは「大和町商栄会」「山手駅前商和会」のどちらでもなく、麦田町の町内会所属とのこと。「大和町商店街」とは、3つの会が集まった通りの「通称」として使われていたことが判明、さきほどキニナっていた謎がするっと解決した。
ここで配達から帰ったばかりの「マルトクリーニング」店主の鈴木真一さんに遭遇
「この通り、実は大和町商店街ではないですよね?」とお伺いすると、「現在、3つの会で形成されているこの通りをひとつにして、より活気のある商店街にしようとみんなで計画しているんです」と鈴木さんが話してくれた。
そのプロジェクトの名前とは「やってみよう会」。地元民を中心に支えられている商店街活性化のために「とにかく力を合わせてやってみよう」という店主たちの試みだ。
「大和町商店街」facebook公式ページも店主たちの手で作られたそうだ
焼鳥屋が多い理由については、「2000(平成12)年に大規模小売店舗立地法の改正をうけ、本牧周辺に大手スーパーが進出し、昼間の青果店や雑貨店の経営が苦しくなりました。そこで徐々に店主たちが営業形態を変え、夜の時間の集客を狙って飲食店をはじめたのがきっかけではないか」とのこと。
では、なぜあえて「焼鳥屋」なのか。
その質問に長森さんは「どこかの焼鳥屋が流行ったから、便乗してみんなやってるんじゃないかな」とのお言葉。「どこか」とはどの店なのだろう。
街も暮れかけ、赤ちょうちんが灯りはじめた頃。長森さんおすすめの2店舗を聞き、さっそくお邪魔させていただくことにした。
焼鳥屋激戦区を代表する「鳥京」さんと「だいわ」さんの味
まずは先ほど取材にご協力いただいた「鳥京」さんを再訪。「マルトクリーニング」の長森さんは「焼鳥の味といえば鳥京さんだよ」と勧めてくれた。
まだ明るさを残した時分だったが、入店するとお客さんの姿が。このあたりは、夜が少し早めにやって来るのかもしれない。
瓶ビールと串を3種類程、おまかせで頼む。すぐに香ばしい香りがただよってきて、焼きあがるのを待つ。
串を待つ間にお通し(水菜としめじのおひたし柚子和え)で一杯
ほどなくして白レバー(1本170円)が焼きあがった
「フォアグラよりおいしい」というキャッチコピーにたがわぬ美味
美味い焼鳥は酒を呼ぶ。強く呼ぶわけで、神奈川の地酒「隆(りゅう/600円)」純米吟醸を注文。
焼き場に立っていた2代目店主である青木さんによると、「鳥京」は創業21年。この界わいに、まだ2、3店舗しか焼鳥屋がなかった頃から店を構えている。「やってみよう会」にも積極的に参加しているらしく、「もっと多くの人に楽しんでもらえるように、商店街の店主同士が一つになって盛り上げていきたい」と考えているそう。