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栄区桂台、上った先が崖で行き止まりになっている用途不明の階段の正体は?

ココがキニナル!

栄区桂台南2丁目1-1の立派な階段、頑張って上がってもけもの道、その先は崖で行き止まりです。一体この階段は何のために作られたの?昔は崖の下まで道が繋がっていたとか?(ときさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

1970年前後、横浜市認定路線図の市道が通る場所に作られた。市の宅地開発の条件につき開発業者が作った。階段の先は崖の下につながっている。

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ライター:小方 サダオ

利用目的のはっきりしない階段

(つづき)


 


緑豊かな荒井沢市民の森
 

ため池にはトンボホタルが生息しているという
 

公園内に作られた遊歩道


公園内の道を抜けると、上り坂になった。途中に皆城山の山頂などの見どころがあり、その先を進むとゴルフ場に出た。
 


皆城山の山頂の展望台
 

このコースはハイキング客に人気のようだ
 

ゴルフ場脇の山道


すると先ほどの男性が言ったように、山道沿いに住宅地へと下りられる階段を発見した。問題の階段と同じくらいの幅の、よく整備された階段だ。
ここの場合は、さきほどのように「階段の先が竹藪」というわけではないが住宅地側からこの立派な階段を上った場合、ゴルフ場で突き当り細い山道しかないというのは、少し解せない。
 


住宅地に下りる階段
 

幅の広いしっかりした階段だ
 

段数は150段だった
 

現在までのルート(黄色の線)


階段を下りた先で、近くに住むある女性に、階段について聞いてみると「私が引っ越してきたときからありましたよ。その階段を使って上に散歩に行く人はいるけれど、こんなに大きくなくてもいいかもしれないわね。もしかしたらゴルフ場が住宅地の住民にとっての広域避難所になっているから、緊急時にゴルフ場に入って避難しやすいようにするためのものじゃないかしら?」と答えてくれた。

なるほど住宅地に住む大勢の人達が緊急時に、ここ鎌倉カントリークラブに避難するには、このくらいの規模の階段は必要といえるだろう。
 


ゴルフ場が広域避難所になっている


そこであらためて上ってみることにした。
 


上りきるとゴルフ場に行き当たる
 

緊急時はこの柵を開けて避難するようだ


するとここで、リュックサックを背負った散歩中の男性が階段を上ってきた。
住宅地の住人とのことで、階段についてお話を伺った。
「これは避難用のものだと思うよ。この(住宅)団地は大林不動産の『関東進出第1号』の団地だからね。気合を入れて作ったようだよ。屋根の形がすべて違うことから分かるように、デザイン性にも気を配られているんだ」とのこと。
 


屋根の形がすべて異なるデザインだという


東日本大震災の時など、実際にゴルフ場に避難した人はいたのか、と伺うと「誰もいなかったよ。この団地は地盤がしっかりしているからか、地震が来てもほとんど揺れないんだ。『横浜で震度3』なんてテレビで言ってても、ここの住人はほとんど気づかないよ」と答えてくれた。
 


住宅地の中の長い階段


つぎに住宅地の中を通って、問題の階段の場所に戻ってみた。
 


道幅は広い
 

最初の階段を目指す
 

あらためて数えると156段あった


さきほどは階段の段数を数えるのを忘れていたため、再び段数を数えながら上り始めると、最上段で休んでいる男性Tさんを発見。どうやらこの男性の散歩コースのようだ。

そこでこの階段(階段Aと呼ぶ)に関してお話を伺うと「この山の頂上には、いくつもの家でテレビを受信するための共聴アンテナが立っていたよ。アナログ放送でなくなって衛星放送になったら取り外されたよ」

「この山の反対側の荒井沢や墓地方面に行ける道は横浜市のものだけれど、分譲地とこの階段は、大林不動産のものだよ。階段が傷んでいるから、市なら整備してくれるだろうけれど、大林不動産の土地なので階段の整備もやらないんだ」

「山道も2~3年前までは犬の散歩が出来るほどきれいだったんだけど『きれいにすると通る人が多くなってうるさくなるので整備しないでおいてくれ』という近所の希望もあるんだ。ここはそのうち高速道路もできてうるさくなるし、近所の人たちは神経質になっているのかもしれないね」
 


頂上にはテレビの共聴アンテナが立っていた


さらに次のような情報をつけ加えてくれた。
「この地区には似たような階段が合計3ヶ所あるよ。ここから数えて3番目のものは、以前は階段の上に木が生い茂り、路上生活者が住んでいて、気持ち悪くて誰も近寄らなかったけれど、誰かが整備してくれたよ」と答えてくれた。

どうやら2番目の階段(階段Bと呼ぶ)は、さきほどのゴルフ場があった階段のようだ。
そこでまだ見ぬ3番目の階段(階段Cと呼ぶ)に向かった。

それは住宅地のはずれの公園の近くにあった。
 


山の上へとつながる階段


ここでも「鎌倉カントリークラブ」が広域避難所であることを示す看板を発見。
 


階段の先のゴルフ場が広域避難所だ
 

階段を上る
 

上りきるとゴルフ場沿いの道が続く


118段の階段を上りしばらく歩くと、頂上には10数メートル四方の草地が広がっていた。そしてその手前にはゴルフ場の柵に設置された錆びついた門と「立ち入り禁止」の看板があった。
 


10数メートル四方の空き地


ここも2番目の階段同様、広域避難所の「鎌倉カントリークラブ」へと住民たちが逃げやすくするための階段なのかもしれない。
 


ゴルフ場の柵には門が設置されている
 

階段は傷んでいる
 

階段A・B・Cの位置関係を示した地図


地元の人から、古くからのこのあたりの事情に詳しい、地主のNさんという人を紹介してもらった。