米軍施設のある相模原市、騒音問題の現状は?
ココがキニナル!
相模原市は市内だけでなく、近隣の座間市や厚木市にも米軍施設があるけど、航空機などによる騒音対策はどうなっているの?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
市内5ヶ所で騒音を測定し、国や米軍に対する要望を資料にしており、要望の結果、2017年までに厚木基地の空母艦載機が移駐予定。市民は不満多数
ライター:はまれぽ編集部
多様な苦情
戦闘機が離着陸する際の騒音が市民生活に多大な影響を及ぼしていることは想像に難くない。
相模原市では厚木基地関連の騒音を測定するため市内に4ヶ所、キャンプ座間用に1ヶ所の計5ヶ所に自動記録騒音計を設置している。この騒音計は70デシベル(セミの鳴き声や掃除機の音)が5秒間続くと1回として記録。測定データは国や米軍に対する要請活動を行う際のデータとして使用する。
相模原市が設置している騒音計(提供:相模原市)
相模原市によると、70デシベル以上を5秒間以上計測したのは2002(平成14)年度から2013(平成25)年度までで、約1万4000回(2010年度に計測)から約2万9000回(同、2002年度)で推移。100デシベル(自動車のクラクション、電車が通る時のガード下)も212回(同、2010年度)から746回(同、2003年度)で推移し、苦情は累計1万282件に上った。
厚木基地関係の航空機騒音発生状況(相模原市HPより※クリックして拡大)
2014(平成26)年度の件数を見てみると、相模原市内の総数は1万9802件。騒音は神奈川県でも測定しており、大和市上草柳(かみそうやぎ)より少ないものの、南消防署東林分署の地点が2番目の多さ。最高音も全体で4番目だった。
相模原市と県の測定結果
また2015(平成27)年4月1日から12月31日までで70デシベル以上を1万3151回(うち100デシベル以上は280回)記録。苦情は665件となっている。
苦情は相模総合補給廠に近い中央区相模原・宮下本町、厚木基地の滑走路の延長線上にある南区上鶴間周辺、キャンプ座間のヘリポートが近い南区磯部・下溝地区に集中している。
苦情が多い地域は軍施設の周辺(相模原市HPより※クリックして拡大)
柏木主任によると、具体的には「夜勤明けだが騒音で眠れない」「具合が悪くて家で休養しているのに、これでは逆に悪化してしまう」といったものとのこと。
では、実際に近隣住民はどう感じているのか。相模総合補給廠が近い相模原駅周辺と、南区磯部地区、本来はまれぽの調査エリア対象外ではあるが、キャンプ座間および最寄りの小田急線相模台駅周辺で計30人に話を聞いた。
まずは相模原駅周辺。
近くに30年近く住む60代、70代女性2人組
60代女性は「ここ(補給廠)に、そんなに多くヘリコプターが飛んでくることはない気がする。軍のヘリより、爆発騒ぎの時のマスコミのヘリのほうがうるさかった」と話してくれた。
2015(平成27)年8月に補給廠で発生した爆発事故(近隣住民撮影)
一緒にいた70代女性のほか、矢部駅近くに50年以上住んでいるという70代男性も「軍のヘリというより、猛スピードで走る自動車や夜中の横浜線の音のほうが気になるかもれない」とのことだった。
実際、スマートフォンの騒音計アプリで測定したところ、トラックや踏切の警告音で80デシベル近くになることはあるものの、それ以外は50デシベル(家庭用エアコンの室外機、静かな事務所)から60デシベル(デパート店内、走行中の自動車内)前後で推移していた。
スマホアプリで相模原駅周辺を測定した結果
続いては座間市の相模台駅からキャンプ座間にかけて。ここは県道51号線が走り、近隣で大規模工事をしている影響で大型トラックが頻繁に通行する。平均的には60デシベル後半だった。
県道51号線沿いの測定結果
近くで昼食を買いに行く途中という40代男性は「同じキャンプ座間といっても広い。この辺よりはヘリポートに近い方や厚木(基地)の滑走路の延長線上の方がひどいのでは」という回答。
駅周辺やキャンプ座間で聞いても、おおよそ同じような答えが返ってきた。
同じキャンプ座間でも異なる