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鉄道発祥の地、横浜の京急・JRの駅ホームにある古レールを徹底調査!

ココがキニナル!

日ノ出町駅下りホームに1900年イギリス製の刻印がある古レールが柱として残ってます。横須賀駅にも1885年製古レールが。鉄道発祥の地ヨコハマの駅には鉄道遺産古レールがまだ眠っていそう(横濱マリーさん)

はまれぽ調査結果!

明治半ばから昭和40年代まで、使用済み古レールを駅ホームで再利用。さまざまな年代のアメリカ、ヨーロッパ、国産のレールを確認できた!

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ライター:大和田 敏子

京急子安駅。複数の時代や国の古レールがある!?



続いて・・・
 


京急子安駅を案内していただいた
 

古レールを使用していることがよく分かる上家

 
田中さんに古レールの刻印の見方を教えていただきながら、刻印を探してみる。
 


足元のところに「1928」と読める刻印があった

 
当然ながら、刻印の位置を意識して建築したわけではないので、さまざまな場所に刻印が見えるのも、おもしろい!
 


こちらは1929(昭和4)年

 
(マルS)のマークも確認できるので、日ノ出町駅で見たのと同じ八幡製鉄所製と分かる。
レールの刻印は1本につき数ヶ所あるようで、同じレールの下の部分と屋根に近い部分の両方に刻印が見えるものもあった。
 


こちらの柱にも刻印が見えた
 

近くで見ると「1948」の文字が!

 
同じ駅の中に製造年の違うレールがあることを意外に思ったが、こうしたことは珍しくないそうだ。

さらに、珍らしいレールがあると田中さんに教えていただいて見上げてみると・・・
 


初めて見る刻印が! 下りホームの上家を支えている1本だ

 
かなり見えにくいのだが、「OH TENNESSEE 7540 ASCE-2-1921 工」と読めるらしく、「アメリカ、スチール・テネシー社 1921(大正10)年2月製」と推測されるそうだ。
 


上下逆にし、拡大してみると「1921」は分かる!?

 
「工」のマークはアメリカ製だと分かる印だそう。京急子安駅の古レールの中で、確認できる限りでは、この1本だけがアメリカ製で、同駅では一番古いレールのようだ。

製造年代だけでなく、製造国まで違うものがあるとは驚き!
「それぞれのレールが、どんな道をたどってここに来たのか考えると楽しいですし、ロマンを感じますね」と田中さんは言う。
確かに、1本1本のレールに違った歴史があることを想像すると、不思議な気持ちになってくる。

ここでもう1つ、珍しいものを見つけた。
筆者が撮った写真では、刻印が全く確認できなかったので、田中さんが撮影したものをお借りした。
 


「2606」と読める刻印を見つけた!(画像提供:京急電鉄)
 

文字を見やすくするため、明るさやコントラストを調整

 
八幡製鉄所製のレールには、製造年を西暦ではなく、1940(昭和15)年を2600年とする皇紀で記載しているものがあるそう。戦時中、西暦を使うのはまずいという配慮だったようだが、終戦の1945(昭和20)年(皇紀では2605年)以降にあたる2606~7という刻印のものも見つかっているようだ。これはかなり珍しいものかもしれない。

京急では、撮影させていただいた日ノ出町駅、京急子安駅以外に、追浜駅と川崎大師駅の上家にも古レールが使用されているという。また、京急大津駅と堀ノ内駅では、ホームを延長した先の基礎部分や、京急川崎駅と港町駅との間の線路と道路を隔てる柵などにも古レールが使われているそうだ。
 


レール以外のものも再利用されるのだろうか?

 
一般に、鉄道から発生する廃品については、材料別に分別した上で、リサイクル材として活用されるとのこと。一部の車両については、再整備され他鉄道会社にて活躍するものもあるそうだ(香川県の高松琴平電気鉄道など)。

また、座席やつり革,手すりなどの車両部品については、鉄道ファンに販売し、インテリアやコレクションとして大切にされることもあるという。



JR横須賀駅 古レールの刻印がはっきり見える!?



JRの駅については、古レールを使用した上家が多く残っているようで、全てを把握するのは難しいとのこと。代表的なものとして横須賀駅、逗子駅、鎌倉駅を挙げていただいた。各駅の撮影では、駅長、助役をはじめ、駅員の方に古レール造の上家の場所やレールの刻印が確認できそうなところを教えていただいた。
 


まずは、投稿にあった横須賀駅へ
 

広いホームの上家を支えるのは古レール!

 
横須賀駅の上家が建築されたのは1913(大正2)年12月だという。

まずは、投稿にあった説明書きのプレートを確認してみる。
 


これだ!

 
「ドイツ ウニオン社製 1885(明治18)年に日本鉄道株式会社が購入した」と説明されている。
 


プレートの下方に「UNION D 1885 N.T.K」の刻印が分かる

 
ホームには、プレートがある柱以外にも、古レールの刻印が見えやすいよう、ペンキをはがしてあるものが数ヶ所あった。
 


「UNION D 1886 N.T.K」と読める

 
先ほどと同じドイツ ウニオン社製、1886(明治19)年のものらしい。
 


「CARNEGEIE 1898」とある

 
こちらは、アメリカ カーネギー社1898(明治31)年製のようだ。

ペンキをはがしていないレールでもよく見ると刻印が確認できるものが、いくつかあった。
 


UNION D 1885?
 

1908? (マルS)のマークらしきものが見えるので国産か!?

 
ペンキが塗ってある上、刻印が上の方にあったりして、はっきり確認はできないものが多かったが、横須賀駅でも、さまざまな国の異なった種類のレールが使用されているのは確かなようだ。