検索ボタン

検索

横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

25周年を迎えた「シネマ・ジャック&ベティ」で振り返る横浜と映画館の歴史とは? 後編

ココがキニナル!

伊勢佐木町のミニシアター、JACK&BETTYが25周年だそうです。横浜の映画館やミニシアター、また映画の歴史なんかレポートしてください。(Kane-gonさん、マサスーンさん)

はまれぽ調査結果!

2016年12月に開館25周年を迎えた「シネマ・ジャック&ベティ」記事の後編では、ジャック&ベティの今とこれからについて紹介

  • LINE
  • はてな

ライター:紀あさ

街から映画館へ 映画館から街へ



取材中、ジャック&ベティに可愛い観客がやってきた。映画館の近くに住み、マイカーを運転して来たという、 あゆむくん(5歳)。
 


「『Life works』に出たことあるよ」

 
『Life works』は、横浜在住の映画監督で俳優の利重剛(りじゅう・ごう)さんと、映画『ヨコハマメリー』の監督中村高寬(なかむら・たかゆき)さんが、企画製作する短編映画シリーズ。

横浜を舞台に「日常を生きる人々の、人生の一瞬を切り取る」というコンセプトで描かれる作品群は、どれも1話完結の短編。本編上映前に“おまけ”として、一日に一度、無料上映されている。

撮影地はすべて横浜、監督や出演者にも多くの横浜の人々が関わっており、ジャック&ベティと、中区長者町にある横浜シネマリンのみで視聴可能だ。
 


vol.15「教会の、その前の」は、ジャック&ベティ社員の澤千尋さんが脚本を担当

 
「ジャック&ベティは、なんでもやってきたということが思想になっている。『Life works』も受け止めてくれる」という中村さん(下写真左)と、「昔映画の前に上映された『神奈川ニュース』のようなことをやりたい。横浜の文化的な財産になりたい。本編と併せて2本立てのような面白さを作り出せれば」という利重さん。

じんわりと染み込む映画で、「2本立て」という気持ちで、『Life works』のある回に映画館を訪ねたくなる。
 


そして映画館を一歩出たら、映画の街の中へと歩き出す

 
ジャック&ベティが上映するスクリーンは、映画館内に限らない。
 


日本丸の芝生や、イセザキ・モールや、横浜赤レンガ倉庫でも上映


春には大岡川で夜桜を眺めながら上映

 
こうして横浜のさまざまな場所に映画を届けている。

横浜在住デザイナーのコバヤシイッセイさんは「夜桜上映会は桜まつりの喧騒とともに楽しむ独特の雰囲気が好き」と語った。
 


小林さんとコバヤシさん(右)

 
また、ふだんから映画館を訪れた人が、上映後に街歩きを楽しむことができるようにと、映画の半券提示により近隣のお店での割引がある。
 


映画半券サービスマップ

 


たくさんの小さな工夫



映画好きなら一度は頭をかすめる夢「映写室に入ってみたい!」。定期開催ではないが、ジャック&ベティでは、そんな夢をかなえる叶える映写室ツアーが開催されることもある。
 


映写室でこどもたちにフィルムでの上映を説明する小林さん

 
ジャックとベティの両スクリーンへは、1ヶ所の映写室から投影している。
 


今回はツアーではないが、特別に映写室取材! お邪魔します


向かって左がジャック、右がベティ


かつては1作品に何本ものフィルムが必要で


大きなリールに巻いて繋げていた

 
フィルムの時代には映写技師がいたが、今は映写室内が無人でも、時間になればタイマーでブザーが鳴り、カーテンが開いて、全自動で上映が可能だという。
 


全自動で上映中

 
梶原さんがジャック&ベティを受け継いで10年になるが、「2010(平成22)年に経済産業省の商店街活性化事業費補助金を受け、ベティ館に 「デジタルシネマプロジェクター(DCP)」を導入できました。今思えばデジタル化の10年でした。デジタル設備を入れなかったら持たなかったと思います。DCPを導入できずに閉館せざるを得なかった地方劇場もありました」と梶原さんは振り返る。
 


DCPのシネマサーバー操作パネル

 
DCPでの上映を可能にしたことで、フィルムなどの上映素材を物理的に待つことなく、データ配信で受け取ることができるようになり、上映のチャンスが広がった。デジタル化する一方で、フィルム映写機も手放さず残した。

そして2013(平成25)年には、ジャック館にも自費で1500万円もするDCPを導入。フィルム映写機とDCPの共存する映写室に立ちながら、流れてきた時間と、梶原さんたちの映画への思いをひしひしと感じた。

ジャック&ベティの個性的な特徴は枚挙に暇がない。
 


ほかにも手話弁士付きの上映や、お子様連れで楽しめる上映をすることも


支配人の梶原さんと話ができるジャック&ベティサロンは毎月1日に開催