横浜の河川は自然を意識して再生されるのか?
ココがキニナル!
横浜市の川はコンクリ張りで趣きがないのですが、自然を意識した川の再生は行われないのでしょうか?(めるさん、くーとさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
現在、環境を意識した河川改修が主流になっている。魅力的な川を作るべく、横浜市も努力している!
ライター:松崎 辰彦
横浜の川の多くがコンクリートで覆われている (続き)
横浜には大小あわせて58の川があるが、それらは大きく分けて四つの水系に分類される。
帷子川水系、大岡川水系、鶴見川水系、そして境川水系である。
それぞれ本流と支流があり、毛細血管のように結合して最終的にすべての水が海に流れ出る。
帷子川 | 大岡川 |
鶴見川 | 境川 |
横浜の川(図版提供・横浜市道路局河川部河川計画課)
これらの水系の本流部分は防災上の観点から、すでにほとんどコンクリートによって護岸されている。いうまでもなく決壊を防ぐことが目的だが、それに加えて土よりもコンクリートのほうが水が早く流れる利点もある。
一方で支流部分には、昔ながらの石を積んだりなどといった箇所もあり、自然の景観をそこねないような工夫もされている。
河川工事に環境保護が義務づけられるようになった
護岸整備 舞岡川(写真提供・横浜市道路局河川部河川計画課)
平成になると河川法が改正され、自然環境に配慮した河川工事が義務づけられることになる。それまで市民の生活や人命の保護を主眼としていたものに、環境保護の観点がつけ加えられることになったのだ。
川の両岸がコンクリートで覆われるようになったのは昭和40年代や50年代。
そのころから生命豊かな川の風情が無機的なものに変わっていった。
そうしたなか昭和50年代後半になると、人々の環境意識が高まり、河川改修にも自然環境への配慮が不可欠とされるようになった。
日本人の環境意識の高まりは、1997年に改正された河川法にも反映され、現在では環境に配慮しない河川改修はあり得ないほどであるという。
河川の工事とともに下水の普及率も増加し、現在横浜市では90%以上の排水が処理される。
昔はどぶ川のようだったという一部の河川は清潔さを取り戻し、魚も徐々に川へ戻ってきた。
境川の水。川底が見える