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伊勢佐木町には古書店が多いの?

ココがキニナル!

伊勢佐木町に古書店が多いのはなぜでしょう?横浜市内で、他に古書店が集中している場所はありますか?(ぽぽ1さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

伊勢佐木町が市内最大の繁華街だった昭和初期には、16軒の古書店が存在していたが、現在は6軒に。他に古書店が集中するエリアは特になし!

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ライター:篠原 章公

取材を始めるにあたり、事前にインターネットや電話帳で調べたところ、現在伊勢佐木町内(1丁目~7丁目)には6店の古書店があることが判明。神保町のような「古書店街」と言えるほど多くはないが、町の大きさを考えればその数は確かに多いように感じる。そこには何か理由があるのだろうか。

疑問を解決すべく、筆者は伊勢佐木町へと向かった。なお今回の調査ではブックオフなど、近年に出版された本いわゆる「新古本」を主に取り扱う新古書店は対象外とさせて頂く。




早速現地・伊勢佐木町へ



最初に向かったのはJR関内駅から一番近くに位置する『活刻堂』。
 


古書やポスターが所狭しと並んでいた


『活刻堂』は今年で開業12年目。古書の他、ポスターやフィギュア、オモチャ類も扱っているお店だ。一般には開放していないが、2階にもオモチャが多数あるという。
 


ショーウィンドウの中にはたくさんのフィギュアも


店主の中川さんにお話を伺うと、「古書店の歴史だったら『天保堂苅部書店』のおじいさんが詳しいですよ。この辺の生き字引とも言える方だから」との情報を得ることが出来た。

他店にも聞き込み調査を続けたが、やはり聞こえてくるのは『天保堂苅部書店』の名前。
という訳で、ひとまず伊勢佐木町から離れ、横浜市立中央図書館へ向かう坂の途中に位置する野毛の『天保堂苅部書店』へ話しを聞きに伺った。




神奈川一の老舗古書店『天保堂苅部書店』へ


 


歴史を感じる外観


『天保堂苅部書店』は大正5年よりこの地に店を構える、県内で最も古い古書店。
店主の苅部正さんと息子の真樹さんにお話を伺うと、伊勢佐木町は横浜でも人の出入りの多く賑わいを見せる商業地域であること、また、新刊書店として横浜最大級の大きさである『有隣堂本店』があることも関係しているのではないかという事だった。
 


店主の苅部正さん


歴史的な話になると、やはり戦争や接収などの影響もあり、現在伊勢佐木町内で昔から長く営業している古書店は『博文堂書店』(大正時代創業)のみになったとのこと。
 


息子の真樹さん


時代ごとに創業・廃業の移り変わりが激しく、伊勢佐木町という繁華街の中で古書店がどういった位置を占めてきたのかは一概に言えないが、今から30年ほど前、ニューオデヲンビルの中に『先生堂書店』が開店した後(現在は閉店)、周辺に古書店が増えて行った流れがあったという。
 


現在のニューオデヲンビル


『先生堂書店』は1フロアの半分以上はあったという広いスペースを持ち、サブカルチャー寄りのものなども扱う幅広いジャンルの書籍・雑誌を網羅した店だったそうだ。

お話を伺っていく中、帰りがけに「お兄ちゃん、少し勉強してみるかい?」と正さんが貴重な本を貸してくださった。
 


「神奈川古書組合三十五年史」(1992年・組合史編纂委員会)


この本には神奈川県下における古書店の歴史や組合関係の資料などが細かに記されているのだが、その中に『ハマの古本屋街伊勢佐木町』という項目を見つけることが出来た。

本書によれば、昭和初期にかけて古書店が伊勢佐木町に急増し、昭和5年の時点で最大で16軒の古書店があったという。

「当時の『(古)本屋の三分ノ二は伊勢崎(※原文ママ)町に集中している』ような状態は昭和初期のこの時期が唯一の例であって、これほどに横浜の古本屋が一地域に集中することはかつても、またこれ以降もない。ハマの古本屋街伊勢佐木町ともいうべき状況が一時期ではあるとはいえ確かに存在したのである」(本書より引用)

昭和初期、当時市内最大級の繁華街であった伊勢佐木町には「古書店街」といえるほど古書店がひしめいていたことが分かった。しかし、第二次大戦の流れの中で伊勢佐木町自体が活力をなくし、横浜大空襲、米軍の接収によってこれらの古書店は廃業を余儀なくされたようだ。