世界最大のジオラマがある原鉄道模型博物館とは?
ココがキニナル!
原鉄道模型博物館というのが横浜駅から徒歩5分の場所に7月10日オープンするそうです。世界最大のジオラマがあるそうです。ぜひレポートおねがいします。(keinakatさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
原鉄道模型博物館に展示された鉄道模型は、美術品のような精緻な美しさ。完成度の高い風景の中を本物さながらに走る姿や音に圧倒された。
ライター:吉澤 由美子
新橋~横浜間の鉄道開業140周年を迎えた2012年、日本の鉄道発祥の地である横浜に「原鉄道模型博物館」が7月10日(火)オープンする。
ミュージアム入口には自動改札機のようなゲート
博物館は、今春竣工した「横浜三井ビルディング」の2Fにある。
印象的な像がある横浜三井ビルディング
世界中の鉄道模型、1番ゲージ(縮尺約1/32の模型)用として世界最大級規模のジオラマ、膨大な資料など、入手困難で貴重なコレクションの数々を展示する「原鉄道模型博物館」。
旅情をかきたてる夜景
このコレクションは、世界的にも著名な鉄道模型製作・収集家の原信太郎(はら のぶたろう)さんが個人で集めたもの。
これだけ膨大な収集をされた原信太郎さんは、いったいどんな方なんだろう。
幼少時から筋金入りの鉄道模型マニア
原信太郎さんは現在、93歳。
原信太郎さん※画像提供:原鉄道模型博物館
鉄道好きとしてのキャリアは幼少期にはじまり、80年以上! 小学生の時にはすでに、一番切符(一番最初に発券された切符)を集め、カメラを持って鉄道の写真を撮るための長旅もした。
鉄道史と原さんの人生を重ねた年表
13歳で最初の鉄道模型を製作。その後、最新の技術を活用して本物を忠実に再現したいという思いから、鉄道技術書籍を読む上で必要になったドイツ語・フランス語等を習得した。
自分でブリキを曲げ、パンタグラフを針金で作った最初の模型
鉄道の技術革新があると世界のどこであれ現地に赴き、乗車し、当時まだ一般的ではなかった写真や16mmフィルムにその鉄道の姿を収めた。
これまで訪れた国は、延べ約380ヶ国。所蔵模型数約6,000両。撮影したスチール約10万枚。フィルム約440時間。鉄道書籍・関連コレクション多数。今もその膨大なコレクションは増え続ける。
一番切符を入手した時の逸話など、楽しいエピソードがいっぱい
原信太郎さんの製作した鉄道模型には本物の鉄道で使われている技術が搭載されている。ギア、板バネ、ベアリング、揺れ枕、ブレーキといった細かな部品が再現され、手製のパンタグラフが電線から集電して走るというこだわり!
本物の鉄道のように、架線から電力の供給を受けて走る「集電」の解説
筋金入りの鉄道マニアとして精力的に趣味の世界を極める一方、原信太郎さんは一流の企業人として、輝かしい活躍もされている。
オリエント急行の食堂車で実際に使われていた電気スタンド
コクヨ株式会社に在職中、世界初の立体自動倉庫やオフィス家具自動一貫生産ラインなど時代を先取りした技術を開発し、300を越える技術特許を個人で請願・維持した後、退職後に同社に寄贈するなど、先進的な技術と理念を持って仕事をされた。
仕事と趣味に共通して感じるのは、技術を愛する心。約80年をかけて築いたコレクションは、鉄道史や現代産業史にとっても貴重な内容なのだ。