本牧にある遮断機が無い踏切って、どんなふうに機関車が通るの?
ココがキニナル!
休日は通ってないのか私は見たことがないのですが、本牧インター近くにある遮断機なしの踏切信号って、電車が通るときはどんな感じなんですかね?(みるとさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
機関車は踏切手前で一旦停止し、作業員の方が手動で踏切信号を切り替えて通過していた!今年から、歩道部分に遮断器が取り付けられている。
ライター:橘 アリー
踏切に遮断機が無い!
道路上を線路が横切っているのに、遮断機がない。
そうなると、電車はこの遮断機無しの踏切をどうやって通過していくのか、遮断機が無くても安全なのかどうか、気になってくる。
場所は、キニナル投稿にもあるように首都高速道路湾岸線の本牧ふ頭出入り口付近。一般の方はあまり出入りすることがないであろうふ頭へつながる道路にある。
赤丸の辺りに遮断機のない踏切がある(Googleマップより)
踏切の様子
踏切信号とは?
遮断機のないこの踏切には、「踏切信号」が設置されているようだ。
インターネットで信号機の種類について調べてみると、「車両用信号機」「歩行者用信号機」「自転車用信号機」などの交通信号と、電車の踏切用の「踏切信号」とがある事がわかった。
道路交通法では、踏切前で車両が一旦停止して安全確認をすることが義務付けられているが、踏切信号機が付いている場合、信号が青であれば車両は一旦停止することなく踏切を通過できるようだ。
信号機に「踏切信号」と記されている
多くの場合、踏切信号機のある踏切にも、遮断機が設けられているが、なぜここの踏切には遮断機が無いのだろうか?
さっそく、この路線の運営会社に聞いてみることに。
神奈川臨海鉄道とは?
この路線は、神奈川臨海鉄道株式会社が運営している。
川崎市にある本社で取材に対応してくださったのは、総務部係長の佐々木孝昭さん。
手にはJRの貨物用の時刻表。このような時刻表があるとは驚きである
―神奈川臨海鉄道について教えてください
神奈川臨海鉄道は、JR貨物のグループ会社で、昭和38年に設立している貨物用の路線です。路線は、横浜地区と川崎地区にあります。
路線図の様子(神奈川臨海鉄道ホームページより)
―何を運んでいるのですか?
川崎地区は主に石油を、横浜地区は輸出用の紙(ロール紙など)を運んでいます。JRの路線を通り、新潟市や石巻市から運ばれたものが、本牧ふ頭から海外へ輸出されています。
JR貨物グループの臨海鉄道は、神奈川臨海鉄道の他にも9社あり、路線は、沖縄以外の全土を網羅しています。
全国を網羅しているJR貨物の路線(会社案内パンフレットより)
―なぜ本牧の踏切には遮断機がないのでしょうか?
交通信号機と連動している踏切信号の設置が決まっていたため、開設当時から遮断機はありません。
―運行頻度はどのくらいでしょうか?また、今までに事故などはないのでしょうか?
本牧の踏切を通過するのは月曜日~土曜日のみで、1日2往復となっています。
機関車も安全性を充分に確認した上で通行しているので、今までに事故は起きていません。
ただ、歩行者の安全性をより高めるために、今年に入って、歩行者用の遮断機を取り付けました。
今年になってから取り付けたという歩行者用遮断機
―今後、車用の遮断機が設置される予定はありますか?
今のところ、設置予定はありません。
―「踏切信号」とは、どのような仕組みになっているのですか?
ここの踏切信号は手動式になっています。
機関車には機関士の他に2人の作業員が乗っていて、踏切手前で機関車を一旦停車させて、安全確認を行いながら作業員の1人が踏切信号の切り替えを行います。すると、踏切信号が赤になり、歩行者用の遮断機がおります。
手作業で信号の切り替えを行っているとは、驚きである。
実際、どのように切り替えるのか、佐々木さんにお願いして現場を見せてもらうことに。