本牧にある遮断機が無い踏切って、どんなふうに機関車が通るの?
ココがキニナル!
休日は通ってないのか私は見たことがないのですが、本牧インター近くにある遮断機なしの踏切信号って、電車が通るときはどんな感じなんですかね?(みるとさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
機関車は踏切手前で一旦停止し、作業員の方が手動で踏切信号を切り替えて通過していた!今年から、歩道部分に遮断器が取り付けられている。
ライター:橘 アリー
横浜本牧駅から出発
運行は、月曜日~土曜日の午前11時30分頃と午後3時頃。まず「横浜本牧駅」から機関車が出発して、踏切信号の横にある「本牧埠頭駅」へ行く。そこで貨車を連結したり切り離したりした後、再び「横浜本牧駅」へ戻る。この間、踏切を通るのは2回、1日2往復なので、計4回通ることになる。
踏切信号横の線路脇は、関係者以外は立入禁止になっているので、今回は特別に許可を頂いて撮影させてもらった。
踏切信号を背にして見た、横浜本牧駅方面の線路
機関車が横浜本牧駅からやって来る
機関車は、踏切信号の手前にある「一旦停止」の標識の所で止まり、作業員の方が機関車から下りて来て、踏切信号の切り替えのボタンを押す。
すると、周囲の車両用信号機などのタイミングに合わせて踏切信号が赤に変わり、歩行者用の遮断機が下りてくる。
一旦停止の標識。5番の数字の下にある灰色のボックスに切り替えボタンがある
機関車が止まると同時に作業員の方が姿を現した
切り替えボタンを押している様子
踏切信号が赤になり安全が確認できると、機関車は踏切を渡って本牧埠頭駅へ向う。
機関車が踏切を渡る様子
機関車が本牧埠頭駅に着くと、踏切信号は青に変わり、同時に歩行者用の遮断機も上がって、車や人が通行できる状態になる。
本牧埠頭駅に停車している機関車の様子
踏切信号を切り替え、踏切を通過している動画(横浜本牧駅→本牧埠頭駅)
(YouTubeにリンクしています)
コンテナを積んだ貨車の連結が終わると、機関車は貨車をけん引しながら再び横浜本牧駅へ向かう。この時も、本牧埠頭駅にある、踏切信号の切り替えボタンを作業員の方が押して、踏切信号を赤に替え、安全確認ができたところで踏切を渡って行く。
再び踏切を渡り始める機関車の様子
貨車をけん引しているのでちょっと長いが、その間、信号は赤である
横浜本牧駅へ向かって行く機関車の様子
貨車の最後尾からも目視で安全確認を行っている
遮断機のない踏切を通過している機関車の動画(本牧埠頭駅→横浜本牧駅)
(YouTubeにリンクしています)
手作業で地味な工程だが、毎回、安全確認を怠らないことが、これまでの無事故につながっているのであろう。普段は見慣れない光景に、ちょっと感動した。
機関車は無事に踏切を渡り横浜本牧駅へ向かったので、同じように、横浜本牧駅へ向かった。
踏切信号にも種類がある!?
横浜本牧駅で、村井駅長に、踏切信号についてさらに詳しいお話を伺った。
横浜本牧駅駅長の村井英樹さん
村井駅長によると、踏切にも種類があるそうだ。
普段よく目にする、警報機と遮断機が付いている踏切は、「第1種踏切」と言うそうで、その切り替え方法が自動のものと、手動で行うものがあるそう。
「第2種踏切」は、踏切保安係が遮断機を操作するタイプのものを言い、「第3種踏切」は警報機と踏切警標は設置されているが、遮断機がないものだそうだ。
そして、踏切警標だけ設置されているものを「第4種踏切」と言い、本牧の踏切のように手動で踏切信号の切り替えを行うものと、自動のものがあるという。
なお、踏切信号で困ることについて聞いてみると、それは、信号無視をされることだそうだ。機関車に乗る機関士や作業員の方が安全確認を行っているとはいえ、信号無視をするとお互いの安全や通行の大きな妨げとなるので、しっかりと交通のルールは守りたいものだ。
最後に
日常生活では貨物列車との接点が無いので、近くに線路があっても、これまでは遠い存在のように感じていたが、取材を通して、そこで働く人々の様子などが分かり、身近に感じられるようになった。
そして今回の取材で、人々にとって昔は身近な存在であった懐かしいSLに、横浜本牧駅で遭遇したのだ。
国鉄時代に横浜機関区で活躍していたことがあるというC56形のSL機関車で、現役を引退した後、中央鉄道学園での教習車を経て、1986(昭和61)年に神奈川臨海鉄道に払い下げられたそうだ。現在は、横浜本牧駅で穏やかな余生を送っている。
保管されているC56形機関車の様子
とても状態が良いので、大切にされているのがよく分かり、見ているだけでも心地良い気分になってくる。
8月26日(日)に「SL機関車&ディーゼル機関車見学会」があるようで、それに参加すると試乗体験もできるそうだ。(詳しくは、リンカイツーリストの詳細ページへ)
夏も残りわずか、懐かしいSLに乗ってみるのもよさそうだ。
― 終わり ―
Nicksさん
2017年10月04日 00時25分
10年近く前、横浜本牧駅で積み替えていた海上コンテナを、本牧埠頭駅でも積み替えることが可能にする実証実験を2年間行う事がニュースになっていました。その結果はどうなったのだろう。東日本大震災のときに根岸のJXTG石油コンビナートからガソリンを東北地方に送る貨物列車が盛んにニュースになったように、この神奈川臨海鉄道は日本の経済活動の屋台骨として重要な役割をになっていると思います。横浜市には本牧埠頭駅、横浜本牧駅、横浜羽沢駅など、貨物ターミナル駅があるので、せっかくある横浜港の海上コンテナ取扱を旨く鉄道利用に転換し、トラックドライバー減少の穴を埋めていくことが大事でしょう。横浜羽沢駅は相鉄東横JR直通線の分岐駅としてターミナル化を目指すと同時に全国の貨物の集積と海上コンテナへのショートトレージ駅として機能化させるべきと思います。
ひろすさん
2017年10月03日 19時29分
手動で遮断器操作なら、京急線の神奈川新町にもある。
本線とは別の車庫に向かう線で、踏切で一旦停止後、手動操作で警報機と遮断器が降りてくる。
もぎゃさん
2015年05月09日 22時20分
いったん停車して手作業で切り替え! のどかな電車ですねぇ。