馬車道を照らすガス灯の秘密とは?
ココがキニナル!
馬車道商店街にはガス灯が灯っています。電気を利用する場合に比べて、光熱費は高いのでしょうか。また、電球(蛍光灯)交換と同じように、定期的にメンテナンスも必要なのでしょうか(恋はタマネギさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
電気の街灯に比べると、維持費は高い。メンテナンスも必要で、委託している専門業者が年に2回の作業をしている
ライター:田中 大輔
馬車道商店街は、一か所にお店が固まってワイワイと賑やかという商店街のイメージとは一線を画している。
レンガの歩道や広々とした車道に、アーケードのない空。いろいろな記念碑も建てられていて、レトロでモダンな独特の空気を醸している。
そんな雰囲気作りに、間違いなく一役買っているのがガス灯だ。
馬車道で始まったガス灯事業
馬車道は、国内でのアイスクリームや日刊新聞の発祥地としてもお馴染み。そして、横浜市民ならご存知の通り、事業としてのガス灯が1872(明治5)年に初めて建てられた場所でもある。
関内ホール前にある、初めてのガス灯を記念したレリーフ
そのことにちなんで、今でも馬車道商店街にはガス灯が並木のように設置されている。
もちろん、日没ごろから深夜0時まで毎日点灯されて商店街を彩る現役のガス灯だ。
ノスタルジックな光がガス灯の魅力だ
確かに雰囲気はあるし、馬車道っぽい演出だけど、経済的にはどうなんだろうか。
ガスを使い続けるのは電気より高くつきそうな気もするし、普通の街灯より数が少ないからメンテナンスも気を使いそう。
さてさて実際のところはどうなんだろうか。
馬車道のガス灯、何本あると思います?
実はあのガス灯、管理をしているのは横浜市ではなく、馬車道商店街。
今回は、馬車道商店街協同組合で副理事長を務める山口さんにお話を伺った。
商店街で電気工事店を営んでいたという山口さん
まずは、ガス灯の基本的な情報を聞いてみることに。
山口さんによると、元々は昭和30年代後半に建てられたガス灯の形をした水銀灯を、2003(平成15)年にガス灯に改造したものが、今使われているモノなんだそうだ。
つまり、ガス灯自体はここ10年くらいの話だが、街灯そのものは50年以上も馬車道に建っているということで、レトロなたたずまいにも納得。
そんなガス灯は、現在全部で81基建てられている。
この緑色のガス灯が基本形。馬車道のシンボルマークも付いている
上の画像のような水銀灯からガス灯に変身したものが60本、商店街にある3ヶ所のアーチの上に取り付けられた各5つ、さらには関内ホール前の記念碑ガス灯が2本。
それに、平成15年のガス灯完成時に東京ガスから寄贈されたイギリスからやって来た4基のガス灯を加えた81基のガス灯が、馬車道商店街を照らしているというわけ。
商店街に3か所あるアーチの上にもガス灯が
イギリスから来たガス灯のひとつ。コレはシェフィールドパーク出身
かつては手作業だった点火作業も、今はタイマー式。
タイマーと自動点灯・消灯だけは電気を使っているそうで、時間が来ると台所のガスコンロのように青白い炎をチリチリっと上げて着火するんだそうだ。