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川崎市宮前区がヘヴィメタルで町おこし!?一体何をやるの?

ココがキニナル!

川崎市宮前区がヘビメタで町おこしをしようとしているそうです。ヘビメタとは全く縁のない住宅街だと思うのですが…なぜヘビメタ? 何をやるんでしょう?(河童丸さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

宮前区は金属加工に携わる方が多く、『ヘヴィメタル=重金属』で地域力を高めようと思ったからとのこと!来年には、ロビー展やフェスティバルを開催予定!

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ライター:吉澤 由美子

東急田園都市線の「宮崎台」「宮前平」「鷺沼」という3つの駅を抱えた川崎市宮前区は、並木に沿って広い歩道が続く高級住宅街のイメージがある地区。

その宮前区が『宮前重金属発掘計画』という名称で、ヘヴィメタルを軸にまちづくりをはじめたらしい。区役所、しかも宮前区とヘヴィメタルというコラボは超絶にシュール!
 


宮前区のゆるキャラ「宮前兄妹」がヘヴィメタルコスプレ!!
※画像提供:宮前重金属発掘計画


し かもこのプロジェクト、スーパーバイザーにベヴィメタル評論家の和田誠を迎え、アドバイザーアーティストにANCHANG(SEX MACHINEGUNS)、重盛美晴(ex STILL ALIVE)、斉藤光浩(BOWWOW)、難波弘之、五十嵐“Angie.”久勝といったそうそうたるメンバーを集めた本気度100%のすごい内容なの だ。

これはぜひ詳しく知りたい!

ということで、宮前平駅から徒歩10分程度の川崎市宮前区役所に行って、『宮前重金属発掘計画』についてお話を伺ってきた。
 


宮前区役所はごく普通の建物。スタッズやスカルなどのハードコア感はない




宮前重金属発掘計画がスタートしたわけ



最初は区役所の各課から若手が集まって、宮前区誕生30周年記念プロジェクトを立ち上げようということからスタート。川崎市は「音楽の街」としてまちおこしをしている関係もあって、当初は軽音楽を中心にした区民のバンドコンテストを企画していた。
 


まちづくり推進部地域振興課課長で宮前重金属発掘計画事務局長の大竹薫さん


そのバンドコンテストの審査員として協力を打診されたのは、宮前区在住の映画監督であり映像作家の井上秀憲さん。井上さんはアーティストのPVなどを手がけていて、ヘヴィメタルバンド『SEX MACHINEGUNS』が今年1月に出した「雨の川崎」のプロモーション映像制作に携わっていた。

プロジェクトについて話し合っていくうちに、ヘヴィメタルというキーワードが浮上。しかも、ヘヴィメタルの特長を生かせばプロジェクトが面白い内容に発展しそうなアイデアが次々に出てきた。

「ロッ クの中でもヘヴィメタルは端っこのジャンル。メインストリームではないけれど、一度もすたれたことがなくて、10代の若者から年配の方までファンの年齢層 が幅広く熱いんです。それに、ジャンル自体の知名度もあるので、独特のファッションやカルチャーを含め一般の人がイメージしやすい」と井上さん。
 


宮前重金属発掘計画プロジェクトリーダーの井上秀憲さん。映像作家
 

ヘヴィメタルの特長は、テクニックに対するストイックな探究心。ヘヴィメタルバンドの超絶テクニックは職人芸の世界だ。世間からとかくアウトローやインモラ ルというイメージを持たれやすいヘヴィメタルだけれど、あの技術は一心不乱に打ち込んだ長年の努力から生み出されるもの。

この「1つの道に打ち込む」ヘヴィメタル精神を音楽以外にも広げて、宮前区の人材を発掘する計画も入れていったら面白いのでは? という問いに「川崎市宮前区は金属加工に携わる方が多く、その意味でも『ヘヴィメタル=重金属』はふさわしいという意見もありました」と大竹さん。

話がどんどん広がっていった。区役所の若手にヘヴィメタルファンがいたということもあって、区役所内でもヘヴィメタルに対する理解が伝わりやすかった。区長には、音楽評論家であり、DJとしてのキャリアも長い和田誠さんがじきじきにヘヴィメタルをレクチャー。区長の理解を得て、2012年9月5日に今回のプロジェクトが正式にスタートした。
 


スーパーバイザーの和田“キャプテン”誠さん


ヘヴィメタルを直訳した「重金属」に、音楽のヘヴィメタルだけでなく、宮前区在住のすごい職人芸の持ち主を発掘する意味も加え、プロジェクトは『宮前重金属発掘計画』とした。
 


鋼鉄のクールで重厚なデザイン
※画像提供:宮前重金属発掘計画