横浜市内の噴水は撤去が進んでる!? 噴水を取り巻く事情を調査!
ココがキニナル!
横浜市内では噴水が埋められているのをよく見ます。やはり、維持費がかかるからでしょうか?(もちさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
撤去はほとんどされていないが、休止に追い込まれている噴水は多い。主な理由は維持費、手間、安全性確保の難しさの3つ!
ライター:田中 大輔
春には色とりどりの花との共演で目を楽しませ、夏場には涼しげな風景を作り出す。季節によって違う表情を見せ、公園を訪れた人の心を和ませてくれる。
そんなちょっと素敵な施設、それが噴水だ。
しかし、市内にある噴水の撤去が進んでいるのではないか、というのが今回のキニナル。
確かに維持管理費はかかりそうだし、台所事情の厳しい横浜にあってはそういうことがあっても不思議ではない。
果たして実際のところはどうなのか。市内の噴水事情に迫ってみた。
撤去はされていなかったが・・・
今回は市で管理している噴水にスポットを当て、環境創造局に取材をお願いした。
対応してくれたのは、環境創造局公園緑地維持課の金澤雅範さん。
関内中央ビルのオフィスでお話を聞いた
金澤さんによれば、市が管理している噴水の数はおよそ20個。
港の見える丘公園のように、ひとつの公園で複数の噴水を設置している場所もあるから、噴水がある公園は20弱といったところだそうだ。
こちらは港の見える丘公園の噴水。周囲の景観とマッチしている
また、厳密には噴水とは違うが、“壁泉”と呼ばれる滝状の設備や、子どもが水遊びできるような“流れ”と呼ばれる小さな川が公園の水施設として存在する。
さっそく、噴水が撤去されて減少する傾向にあるのか聞いてみた。
金澤さんから返ってきたのは「取り壊しというのは、ほとんどありません」という答え。
「今の時点で把握しているのだと、噴水ではないですが、『鶴ヶ峰まちかど広場』にある“流れ(池・滝)”くらいです」とのことで、じゃんじゃん噴水をなくしていこう、ということではないようだ。
撤去の決まっている鶴ヶ峰の池と滝。すでにネットがかけられている
ただ、撤去とまではいかないものの、休止になるケースは少なくないとのこと。
つまり、噴水自体は公園に残されているが、水を出さない状態が続いている場合がままあるようだ。
その理由は、やはり維持管理費の高さなのだろうか。
やっぱりかかる維持運営費
「噴水は魅力的な施設ではあるんですが、(維持に)けっこうお金や手間がかかるんです」と金澤さん。
水量を一定に保つためには水道代がかかるし、水を循環させるためのポンプを動かすための電気代も必要。さらに、水質を保つための費用だってあるし、機械のメンテナンスや水面の清掃にも予算を割かなければならない。
正確な数字ではないそうだが、年間100万単位のお金がかかるものもあるのでは、とのこと。
もちろん、それらの作業をするわけだから、お金だけでなく手間だってかかる。
横浜公園の噴水。この美しさを保つには、それ相応のお金と手間が
横浜市ではまだ公園が不足している地域も多く、地域要望などを受けて公園整備を進めたり、大きな宅地開発では法律で公園の設置が義務付けられているため、公園の数が年間10~20箇所ほどのペースで増え続けているそうだ。
一方で、できあがってから30年以上たつ公園も多く、施設の老朽化に対する修繕や改修にも多大な費用がかかっている。
となると、公園の増加に対して予算の増え方が少ないという切実な事情に直面することになる。
そんな中ですでにある施設を維持保全していく必要があるわけだが、噴水はお金がかかるうえ、公園を快適に利用してもらうための定期的な草刈りや、遊具・トイレのような直接的に利用するものに比べると優先度は低め。
そういった事情もあって、修繕が追いつかず休止を余儀なくされている噴水もあるのだそうだ。
横浜公園など、規模が大きくて観光客も来る公園のものは優先的に守られる
ちなみに、山下公園や港の見える丘公園のような大規模公園は別として、節電や監理費節減のために冬季に噴水を止める公園もあるんだとか。
なので、夏になっても噴水が止まったままであれば、止む無く止めていると判断できるわけだ。