横浜市内の数ある坂のなかで、もっとも急な坂はどこなのか？

このふとした疑問に答えるべく開始された調査の第3弾。今回は当初、磯子区・金沢区・栄区の3区の坂を計測する予定だったが、なんとtwitterに寄せられた栄区の急坂は0件。ひょっとしたら前回の、急坂多発エリア南区・保土ヶ谷区の調査結果を見て、投稿を躊躇した人もいるかもしれない。

しかしこの調査は、もちろん横浜市内でいちばん急な坂を探しているのではあるが、市内各区の急坂を知ることも大きな目的である。引き続き栄区の急坂情報は募集中なので、どんどん投稿していただきたい。

繰り返しになるが、今回も選定基準を確認しておく。

「車が通行できる」
「公道」
「行き止まりにならない（通り抜けられる）」
「短すぎない」

以上の4つである。
ちなみに、坂の何ヶ所かを計測し、最も大きな角度をその坂の角度とする。また、％表示も併記する。

さて、今回は急坂のもはや聖域といっても過言ではない南区・保土ヶ谷区の後であるだけでなく、前回の記事に寄せられていたコメントからも情報の集まり具合からも、なかなか見通しが厳しいことが予想された。そして果たして実際そうだったのだが、しかしながら角度を測っているうちに「角度」の向こう側に見えてきたロマンチシズム。

今回の調査は「坂とはいったい何か」についても深く考えさせられるものとなった。



磯子区を測る

今回は栄区が0件であったことは上記の通りだが、磯子区、金沢区も情報の数は多くはなかったため、これまでに磨きあげた嗅覚を使って、移動しながらわれわれ自身でも急坂を探すことに。

磯子区森4丁目10付近の坂…6°（10.5％）
　

肩ならしに最初に見つけた坂を計測。すべての始まり紅葉坂がもはや懐かしい

　
磯子区森4丁目13付近の坂…13°（23.1％）
　

左下からカーブしてグッと上がるあたりが13°

この後しばらく車で周辺を探してみたが、急坂の気配がない。森〜森が丘地域をいろいろとまわる間、何度、屏風ヶ浦の交差点に戻り、また曲がったことだろう。そこで住宅地内の公園で子供と遊んでいるお母さん２人に話をきいてみると、線路沿いに急坂ありとの情報が。われわれは車に乗り込み現場に急行した。


磯子区森が丘1丁目「京急上大岡変電所横の坂」…14°（24.9％）
　

たしかに西区・中区を超える急坂だがやや短い。長さはギリギリか
　

上の写真の左側はなかなか趣深い京急のトンネル。右側には変電所

磯子区磯子3丁目「プリンス坂」…6°（10.5％）
　

今は取り壊されて跡形もなくなってしまった、横浜プリンスホテルへと上っていく坂

磯子区中原3丁目15付近の坂…16°（28.7％）
　

住宅街に突如現れた坂。短めながら2位タイの16°

磯子区滝頭1丁目3付近の坂…14°（24.9％）
　

磯子区北部滝頭にも14°を発見。実力派南区に近いエリアだ
　

坂の先は階段になりさらに奥は山道のようになるが、階段手前で右折可能

　
情報が少ないながらも14°、16°を叩き出した磯子区。しかし全体として坂が短めで、さらには「お、急坂！」と喜ぶのも束の間、すぐ先が階段になってしまう坂、あるいは「この先行き止まり」の看板が立ちはだかる坂がこれまでになく多い。

その度にわれわれは歎息しカメラを降ろしものだったが、このときはまだ、気がついていなかったのである。何度も通った「屏風ヶ浦」交差点がわれわれに送ってくれていたメッセージに。