横須賀の横須賀海軍施設付近に堂々と人種差別をしている英語の看板があるって本当?
ココがキニナル!
横須賀の米国海軍基地のそばにある諏訪大神社は、鳥居手前に「米軍関係者は立ち入り禁止」と英語で看板を掲げています。人種差別的な処置に思えます。過去に何かあったのですか?(にゃーさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
看板は神社側ではなく米軍側が設置。1972年に近隣で酔った米兵などが住宅地や施設などに侵入して来ないようにする注意喚起のため設置した
ライター:小方 サダオ
投稿にあった諏訪大神社にかかった米軍に対しての「OFF LIMIT=立ち入り禁止」の写真
このような看板を神社側が設置しているのだとしたら、人種もしくは職種による差別を意識させる行為と言え、宗教の持つべき理念としては問題といえよう。
しかし沖縄同様、横須賀も米軍基地を抱える町として米兵が起こす問題は多い、とニュースでも報じられている。ここまでしないと対処しきれないほど切迫した状態なのだろうか?
神社側の真意を確かめるために、横須賀に向かった。
京浜急行・汐入駅から徒歩数分でドブ板通り商店街に着く
横須賀には横須賀海軍施設があり、国道16号線をはさんで向かいに、有名なドブ板通り商店街が広がっている。その通りを横切り奥へと進むと、山に突き当たる。その山のふもとに諏訪大神社が建っている。
横須賀海軍施設
横須賀海軍施設の向かいにドブ板通り商店街がある
ドブ板通り商店街
ドブ板通り商店街を横切った先に諏訪大神社がある
その社殿へと向かう階段の塀に「諏訪神社と駐車場は米軍関係者の立ち入り禁止」と英語で書かれた看板が掲げられている。
境内への階段
米軍関係者立ち入り禁止の看板
神社の別の塀に古くなった立ち入り禁止の看板もあった
米軍基地周辺の住民と米兵との間にトラブルはあるのだろうか?
早速事情を畑(はた)宮司に伺うと、「1972(昭和47)年に、米兵が酔っ払って灯篭(とうろう)を道に放り出して壊したんです。そこで私と町内会長などが第七艦隊の司令官に弁償を申し出た際に、『“ OFF LIMIT(立ち入り禁止)”の看板を取り付けます』と言ってきたのです」と答えてくれた。
境内の灯篭
諏訪大神社の社殿
米軍側がこの看板を掲げた、とのことで、神社側の意図で取り付けたものではないようだ。
しかし周辺を散策すると、いくつもの似たような内容の看板を発見した。看板の掲げられた奥へと進むと、学校や住宅地などがある。
ドブ板通り商店街と住宅街の境目にある立ち入り禁止の看板
看板の突き当たりの山の斜面に緑ヶ丘女子高校がある
近くを通りかかった人に伺うと、「このような看板は、幼稚園や学校など土地の境界線のところにいくつもつけられていますよ」と教えてくれた。
この看板の先には横須賀幼稚園がある
横須賀幼稚園
確かにドブ板通り商店街の裏の山のふもとには住宅地や学校がある。バーで飲んで酔っぱらった米兵が私有地に入ってくることはありうるのかもしれない。沖縄での「酔っ払った米兵が恋人のアパートに侵入した」といった事件を思い出したが、ここ横須賀でも地元住民と米兵との共存は難しい状況なのだろうか?