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日本初! 横浜市繁殖センターでふ化に成功した絶滅危惧種の野鳥「ミゾゴイ」とは?

ココがキニナル!

横浜市繁殖センターが日本で初めて絶滅危惧種に指定されている野鳥「ミゾゴイ」のふ化に成功。今後の展望は?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜市は「ミゾゴイの保全に大きく貢献する一歩」と評価。最終的には野生での保護活動を目指すが、当面は同じ環境下で再度ふ化させることが目標

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ライター:はまれぽ編集部

全世界で1000羽以下!?



横浜市繁殖センターが日本で初めて絶滅危惧種の野鳥「ミゾゴイ」のふ化に成功した。
 


ふ化したミゾゴイのひな(提供:横浜市)
 

横浜市では2004(平成16)年から、よこはま動物園ズーラシアで、けがなどで保護されたミゾゴイの飼育を開始。2012(平成24)年からは同センターの「種の保存事業」として、ミゾゴイを導入。全国でミゾゴイが保護された際にセンターで保全することとした。

今回ふ化したのは同年9月6日に東京都墨田区で保護されたオスと2014(平成26)年1月10日に大阪府堺市で保護されたメスの間にできた2羽のひなで、2015(平成27)年6月20日(土)に1羽、翌21日(日)にもう1羽がふ化した。。

ひなのふ化は、どのような意味を持つのか。ミゾゴイという鳥の生態も含め、繁殖センターの市川典良(いちかわ・のりよし)所長と横浜市環境創造局公園緑地部動物園課の長谷川正英(はせがわ・まさひで)課長に聞いた。
 


「わたしはちょっと・・・(長谷川課長)」ということで、写真は市川所長
 

横浜市によると、ミゾゴイはペリカン目サギ科ゴイサギ属の夏鳥。体長約50cm、体重約600グラム。4月ごろに本州、佐渡、九州、四国に渡来して10月ごろに台湾や中国南部、フィリピンで越冬する。

オス・メスともほぼ同じ大きさで、外見に差はない。体の上面は橙褐色、下面が淡褐色で、前の首から腹にかけて黒褐色の縦模様があるのが特徴。
 


繁殖期には目の周りが水色になるらしい(提供:横浜市)
 

鳥類を指標に、その生息環境の保護などを目的とする国際環境NGO「バードライフ・インターナショナル」の調べによると、生息数は世界で1000羽以下。

絶滅のおそれがある野生生物の分布などを記載した、国際自然保護連合(IUCN)の『レッドリスト2014』では「絶滅危惧1B類(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)」、環境省の『レッドデータブック2014』によると「絶滅危惧2類(絶滅の危険が増大している種)」に指定されており、これは日本の特別天然記念物であるタンチョウヅルと同じカテゴリーとなる。
 


タンチョウヅルと同じカテゴリー(フリー画像より)
 

このように希少な鳥のふ化だけに、市川所長は「今回の成果はミゾゴイの保全に大きく貢献する重要な第一歩」と評価する。