横浜市内の数ある坂のなかで、もっとも急な坂は果たしてどこなのか？

この疑問に答えるべく始まった調査もいよいよ第8弾。
今回は都筑区・港北区編である。

そう、両区は前回の記事でも書いたが、戸塚区土木事務所で聞いた「港北区、都筑区、緑区は土地区画整理に入っちゃってるから、山をカットしても事業費としてトントンになるところは山を切ってしまう」という話にバッチリ入ってしまっているのである。

果たしてどうなることだろう。
快晴続きだった調査もついに陽射しゼロの曇り空のなか、われわれを乗せた車は出発した。

今回もまず、急坂の認定基準を確認しておく。

「車が通行できる」
「公道」
「行き止まりにならない（通り抜けられる）」
「短すぎない」

以上の4つである。
ちなみに、坂の何ヶ所かを計測し、最も大きな角度をその坂の角度とする。また、％表示も併記する。

都筑区を測る

港北ニュータウンを擁する都筑区は、Wikipediaを見てみると「南部の鶴見川沿いを除いて全域が丘陵地帯であり、起伏はなだらかだが高低差は大きい」とある。期待させる内容のなかに１つだけ混ざるわれわれには残念な言葉「なだらか」。そして投稿はゼロ。とにかく測ってみるしかない。地図を見て坂の気配を感じられるようになったわれわれは、見当をつけた場所を目指した。
　

見当をつけたものの、なんて「なだらか」な風景だろう
　

ざわわな風景を進んでいくと
　

トトロな森のなかに迷い込んだ

青葉区でも遭遇した、区画整理と区画整理の間に広がる農業専用地域。都筑区はそのスケールが半端ではなかった。しかし深い森のなかを彷徨うように走り回ったがどこも「なだらか」。

われわれは諦めて畑の入口で話に花を咲かせている奥様たちに話を聞いてみることにした。ところが話の途中で向こうから「ちいさん来たよ！」と手招きをされた奥様たちはいそいそと歩きだしてしまった。

なんとあの伝説的番組『ちい散歩』と遭遇したのである。
　

撮影を見学する奥様たちを撮影するわれわれ

都筑区あゆみが丘10-19付近の坂…14°（24.9％）
　

途中で二股に分岐する左側がググッと急坂に。情報ありがとうございました
　

坂の上からの眺め。「なだらか」からの解放感

都筑区牛久保町1897付近の坂…10°（17.6%）
　

もうひとつ教えて頂いた坂。「道幅が狭いと急に感じるわよね」と鋭い奥様だった

都筑区牛久保町1430付近の坂…13°（23.1%）
　

森の中に現れた急坂
　

中川駅のほど近く、ぽっかりと住宅がない部分がある。こういう場所が狙い目

都筑区荏田南4丁目31付近の坂…11°（19.4%）
　

まっすぐに延びた坂には力強さがある

都筑区荏田南4丁目34付近「大久保造園横の坂」…9°（15.8%）
　

カーブを描く坂にはリズムがある

このあたりでわれわれの嗅覚だけを頼りに坂を探すのは限界がきたので、いつものように土木事務所に向かうことにした。