横浜市最南端の駅でどんな出会いが!?はま旅Vol.33「六浦編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第33回は、横浜市最南端の駅「六浦」。地域密着型の店が並ぶ素朴な町並みを抜け、目指すは国指定文化財の朝夷奈切通し。
ライター:吉川 ゆこ
20分も歩けば横須賀市に入るような場所にある京急逗子線六浦駅は、横浜市の中で最南端に位置する駅である。そう聞くだけで何だかワクワク、秋晴れのなか出かけてみた。
まずは恒例の駅前写真をと通りすがりのジェントルマンにお願いしてパチリ!
六浦駅は高架のため、非常に写真が撮りにくいのだ
「はま旅」史上初?ジェントルマンと2人旅
今回の最大の目的は朝夷奈切通し(あさひなきりどおし)を歩いてみることだ。
朝夷奈切通しは、北条泰時がつくらせた鎌倉七口のひとつ。鎌倉時代に塩の産地であり、港町であった六浦から鎌倉へ物資を運ぶために切り開かれた。
とりあえず明るいうちに朝夷奈切通しを歩かなければと駅前の商店街にある店を横目でチェックしながら、環状4号線に出る。
特筆することもない環状4号線だが、ここから2人旅が始まった…
地図を見ながらきょろきょろしていると、
「さっき駅前で写真撮った人じゃない?」
と声を掛けられた。顔を上げると、そこには駅前写真をお願いしたジェントルマン!
「六浦って何もないと思うけどなぁ」と、六浦在住30年以上のジェントルマンことKさんは言う。「やっぱり朝夷奈切通しで決まりですね」と返すと、「入口まで案内しますよ」と紳士的なお言葉が!そこから2人旅は始まった。
旅人を見守った鼻欠地蔵
旅は道連れ、世は情けって言うものね。初対面とは思えぬ意気投合ぶりなKさんとしゃべりながら歩いていくと、鼻欠地蔵が見えてきた。
仏像のフォルムというよりは岩肌の突起といった感じで風化が見てとれる。
高さが4mほどある磨崖仏(まがいぶつ・岩壁などに彫られた仏像)
江戸時代の旅人と同じように、ここから先の旅の安全を祈願した。
世界遺産になる!?朝夷奈切通し
Kさんのガイドで問題なくたどり着けたが、意外にも朝夷奈切通しの入口はひっそりとしていた。
環状4号線から横道へ反れると入口が見えてくる
入口付近の頭上を横浜横須賀道路が横断しているため、車の音が響いているのが味気ない。しかし、それも5分も歩くとまったく聞こえなくなってきた。
ふ~、日頃の運動不足な体にこの急勾配はキツい。私の横でKさんは見事な健脚を披露しつつ、息切れする私への気遣いも忘れない。さすがジェントルマン!
朝夷奈切通しは権現山を切り開いてつくられた。頂上まで登りが延々続く
権現山頂上付近が鎌倉市との境になるので、「はま旅」としてはここまで。頂上付近では山肌を削った荒々しい跡が見られる。この頂上を境に横浜側を小切通。鎌倉側を大切通と呼んでいるそうだ。
人力で彫ったのだ。昔の人はすごいのだ
頂上付近で、なぜかスーツ姿の女性たちに出くわした。どうやら、朝夷奈切通しを含む鎌倉市の文化財を世界遺産へという動きがあるようで、アンケートに答えてくれというのだ。世界遺産ブームですなぁ。
Kさんと思い出の1枚
2人旅もここで終わり。大きく手を振ってKさんと別れた。
しかし私の旅は終わらない。行きにチェックしておいた店に直行だ!
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