ハマスタのスピーカーから流れる“ファンファーレ”の秘密に迫る!
ココがキニナル!
ベイスターズの攻撃中、ことあるごとに流れてくるファンファーレみたいな音はどんな意図で流されているのでしょうか?(蔵本どあらさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ファンだけでなく、選手も盛り上げるためにDJ TAIJIさんが「トリカゴ」から流している!
ライター:田中 大輔
ベイスターズの応援と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、ライトスタンドの応援団。
他球団同様にトランペットで応援歌を演奏して、ファンも一体となっての応援が定番だ。
でも、ハマスタによく行く人ならご存知の通り、その合間に球場のスピーカーからも場内を盛り上げる音楽が流れている。
あの音楽をかけているのは一体誰で、どんな目的があるのだろうか。
その謎に迫るため、横浜DeNAベイスターズの球団事務所を訪れた。
横浜DeNAベイスターズ球団事務所があるビル外観
「トリカゴ」から愛を込めて
今回お話をうかがったのは、球団業務部の高瀬さんと、実際に音楽をかけているスタジアムDJのDJ TAIJIさん。
高瀬さんのいる業務部は、試合全体を管理して興行として完成させるのがお仕事。
その役割のひとつとして、場内外の演出を担当しているそうだ。
そして、その音響効果を一手に任されているのがDJ TAIJIさんだ。
球団事務所にて。DJ TAIJIさん(左)と高瀬さん
DJ TAIJIさんが試合中に扱う音楽は、選手登場曲(通称「出囃子」)、イニング間の音楽、そして合の手と呼ばれる応援の合間に流れてくる音楽。
合の手とは、We will rock youの「ドンドン パ ドンドン パ」やアダムスファミリーのテーマ、進軍ラッパのようなファンファーレなど、8種類ほどの短い音楽のこと。応援団の鳴り物がやんだときにスピーカーから流れてくるアレのことだ。
作業が行われているのは、バックネット裏のスコアボードの横にあるブースで、通称「トリカゴ」。
その球場の一番高い位置から、試合を見降ろしながら音楽をかけている。
同じくスタジアムDJの栗原治久さんがいるときもあるそうだが、基本は一人での作業。
2011年シーズンも、地方開催を含めすべての主催試合に参戦したそうだ。
これが「トリカゴ」の中。この小さな部屋から球場を盛り上げる
98年にはなかった!? ハマスタの音響演出
この場内の音楽演出、実は意外と新しいもの。
2000年に湘南シーレックス(00年~10年までのベイスターズの2軍チームの名称。
本拠地は横須賀スタジアム)を立ち上げたときに、「横須賀をボールパークにしよう」というコンセプトで導入され、02年から1軍でも採用されている。
ハマスタでの導入1年目は栗原さんが務め、2年目の03年からDJ TAIJIさんがこの仕事を任されているんだそうだ。今では、審判から「CD作ってください」なんて言われることもあるほどなんだとか。
試合に向け準備中(?)のDJ TAIJIさん
試合開始の2時間前に球場に入って試合に備え、試合中はもちろん、勝ち試合では終了後にももう一仕事ある。ゲームセット直後に『熱き星たちよ』のジャズ版『Baystars Jump』を流し、続いては応援団のラッパの出番。
それが終わり、ヒーローインタビューの選手を待つ間には、今度はオリジナル版の球団歌『熱き星たちよ』をかけて、場内を盛り上げるのだ。
高瀬さんが「あのシーンのお客様との一体感が一番気持ちいい」という勝利後の余韻も、この演出の賜物だ。