ハマスタのスピーカーから流れる“ファンファーレ”の秘密に迫る!
ココがキニナル!
ベイスターズの攻撃中、ことあるごとに流れてくるファンファーレみたいな音はどんな意図で流されているのでしょうか?(蔵本どあらさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ファンだけでなく、選手も盛り上げるためにDJ TAIJIさんが「トリカゴ」から流している!
ライター:田中 大輔
「ジャジャジャジャーン」で黒星回避!?
さて、これらの音楽の意図といっても、ファンを盛り上げるためにやってるんでしょ? と思うだろう。
もちろんそれもあるが、実はそれだけではない。
例えば、出囃子はファンよりも選手に向けたもので、“選手が気分よく、かつ高揚して打席に入れるように”という意味がある。
「選手のために少しでも長くかけたい」と語るDJ TAIJIさん。
「プレーが終わってから次の出囃子が始まるまでの素早さは12球団イチだと思います」と自信あり。
ファンだけでなく選手も盛り上げる効果がある
2年ほど前からやっている合の手のひとつ、ベートーベンの「運命」もそうで、この曲がかかるのはベイスターズが満塁のチャンスで3ボールになったとき。
つまり、相手ピッチャーが“もうボール球は投げられない……”という場面に“ジャジャジャジャーン”でプレッシャーをかける意図があるということ。
高瀬さんが「今年、0対1から相手投手の押し出しで引き分けに持ち込んだ試合があった。あのときは“運命”が見事にハマった。あの引き分けはDJ TAIJIが取ったと言っても過言ではないです」と言う程、音楽の演出には効果がある。
DJ TAIJIさんも「例えば、選手が試合前に登場曲を指定してきて、それで1打席目にホームランを打ったりしたらこれほど楽しい仕事はないですよ。極力、選手のオーダーに応えたいです」と言うように、単なる賑やかしではなくもう一歩踏み込んだ意味を持っているのだ。
横浜らしく
ハマスタで流れる効果音として有名なものに、汽笛がある。
これはベイスターズの選手がホームランを打ったときに流れるもの。
演出が始まった時期からあったそうで、前出の栗原さんが素材を作ったんだそうだ。
審判が手を回したのを確認してDJ TAIJIさんがスイッチオン。
「Good-bye Baseball!!」の声に続いて、横浜らしさを象徴する“ボーッ”が流れる。
この汽笛も含めて、“横浜らしさ”はひとつのキーワードで、イニング間や試合前の練習中の音楽などは、相手チームの担当記者が「横浜らしい。オシャレ」と言ってくれることもあるそうだ。
トリカゴから見るスタジアム。眺めは最高!
取材を終えて
音響演出を目当てにスタジアムに行く人はまずいないだろうから、意識して聞くことは少ないかもしれない。でも、知らず知らずのうちに耳に入って来て、楽しくなったり、高揚したり。そんな演出でもある。
おふたりともに「球場を楽しんでほしい」と言う。DJ TAIJIさんが「自分で積極的に野球場を楽しむっていう気持ちが大事」と言うように、自分から飛び込むことが大切だ。
高瀬さんによれば「ディズニーの隠れミッキーみたいに、隠れハマスタ、隠れベイスターズみたいな『これ知ってる?』という話題はたくさんある」そうだ。この音響演出だって、そのひとつ。
来シーズンは、一歩進んだハマスタの楽しみ方として、試合の合間にスピーカーに耳を傾けてみるのも面白いかもしれない。
―終わり―
今回の記事に登場したDJ TAIJIさんの経営するShocu & Barをご紹介!
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住 所:横浜市西区平沼1-3-10
営業時間:18:00もしくは19:00~25:00
定 休 日:日曜日