中華街駐車場の3つの紋章に隠された横浜の歴史とは?
ココがキニナル!
中華街の山下町公共駐車場の壁面の紋章が、関内の歴史的建造物やオフィスビルの紋章?模様?と似ている。駐車場と何も関係ない気がしますが、どのような意図でつけられたのでしょう?(1990dnさん)
はまれぽ調査結果!
紋章の謎を紐解くと、近代産業発展の歴史がよみがえってきた。人気観光スポット・中華街の駐車場にそのレプリカを掲げた設計者の胸中には、横浜のさらなる繁栄への願いが込められているようだ。
ライター:結城靖博
「中華街の紋章」と聞くと、なにやら怪しげな気配が・・・。果たしてどんなデザインなのだろう。ちょっとドキドキしながら、さっそく旧・山下町公共駐車場(現・D-Parking横浜中華街第1駐車場)へ足を運んだ。
まずは謎の紋章をこの目で見るべく現地視察
ビルは延平門(えんぺいもん)から西門通りに入ってすぐの角地
さて、紋章はどこだ?
近づくと1階の上部に3つの四角いモノが
さらに近づき正面から見ると確かに紋章っぽい
それぞれにグッと迫って激写する。
これが左側
これが真ん中
これが右側
この通りに面した外壁には、ほかに紋章らしきものは見当たらない。
また、西門通り沿いに面した側にも、下の写真のような中華街風の装飾があるだけで、紋章と言えるようなものはない。
西門通り沿いのビル外観
「1990dn」さんがキニナル紋章とは、どうやら上の3つの四角い装飾であるらしい。いずれも予想よりちょっと可愛らしかったり、シンプルなデザインだったりする。
この3つが「関内の歴史的建造物やオフィスビルの紋章?模様?」に似ていると「1996dn」さんは指摘する。いったい、それぞれどこの何に似ているのだろうか。
現地をあとにして、撮影した写真を手掛かりに別の角度から調査してみた。
3つの装飾の正体が判明!
その正体は、建築関係の書籍やネットの画像検索で比較的すぐに判明した。
左側の装飾は、横浜市開港記念会館(ジャックの塔)の外壁にはめ込まれた紋章だった。
横浜市開港記念会館外壁の紋章の場所
グッと寄ってみる
また、中央の装飾は、神奈川県立歴史博物館の正面玄関上にある紋章だった。
神奈川県立歴史博物館正面玄関の紋章
やはりグッと寄ってみる
そして右側の装飾は、本町通りをはさんで横浜市開港記念会館の向かいに建つ「綜通(そうつう)横浜ビル」のファサード(正面外壁)の装飾だった。こちらは紋章ではなく、テラコッタ(素焼き粘土)装飾の壁面紋様だ。
矢印で示した建物が綜通横浜ビル。左のレンガ造りは開港記念会館
ビルを正面から見る。矢印の壁面に近づいてみると・・・
駐車場と同じ紋様が無数にある
1階左右の外壁だけでなく、よく見ると4階までの茶色いテラコッタ色の壁面のいたるところに、この紋様がちりばめられている。
3つの建物の位置関係(© OpenStreetMap contributors)
旧・山下町公共駐車場の外壁の装飾は、これら本町通り周辺に点在する建物に飾られた紋章・紋様のレプリカだったのだ。
駐車場左側の装飾と横浜市開港記念会館の紋章
駐車場中央の装飾と神奈川県立歴史博物館の紋章
駐車場右側の装飾と綜通横浜ビルのファサード
装飾の正体はわかった。だが、なぜそれらのレプリカを中華街の駐車場に掲げたのだろうか? その謎を解かなければ、問題は解決したことにならない。