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横浜市営地下鉄の全席優先席はこれからどうなる?

ココがキニナル!

横浜市営地下鉄が全席優先とか携帯禁止コーナーとかさらには「最優先席」をつくろうとかかなり迷走しているような感じです。担当者に詳しく聞いてきてください。(Ichiさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

『最優先席(仮称)』が導入されるのは、利用者の声を集めて検討した結果。全席優先席はそのままで、携帯電話電源OFFエリアが最優先席になる予定

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ライター:吉澤 由美子

横浜市交通局が運営する横浜市営地下鉄には、ブルーラインとグリーンラインという2つの路線があり、営業距離は53.4 km。1日に50万人以上が利用している。

そんな横浜市営地下鉄の特徴と言えば、なんといっても『全席優先席』。

鉄道における全席優先席は、1999年に阪急電鉄とそのグループの鉄道会社で導入されたのがはじまり。横浜市営地下鉄での導入は、2003年12月だった。

席を必要とする人が車両の片隅に追いやられる優先席ではなく、全席優先席としてどこでも譲ってもらえるようにという理念で設けられたもの。

ところが阪急電鉄が2007年にこの制度をやめたことで、全席優先席の制度があるのは横浜市営地下鉄のみとなった。

いつも利用している人や横浜市民の認知度は高い『全席優先席』だが、たまにしか利用しない人にとっては確かに戸惑うシステムかもしれない。しかし、全席優先席は横浜市民のマナーの良さを物語っているようで、誇りにも思える。

ところが、この夏、横浜市営地下鉄に『最優先席』というものができるらしい。

なぜ最優先席を導入するのか、そして全席優先席はどうなるのか。横浜市交通局高速鉄道本部の営業課長、横山浩さんにお話をうかがった。
 


横浜市交通局高速鉄道本部の横山さんは、電車では「ドアの脇に立つ」派だそう




全席優先席の認知度



今では横浜市営地下鉄でしか実施されていない全席優先席。他のほとんどの鉄道会社が車両の端を優先席にしていることから、『全席優先席』というのはなかなか伝わりにくい概念だ。
 

横浜市営地下鉄にある全席優先席の表示※画像提供:横浜市交通局

 
横浜市営地下鉄では、ボランティアによる「スマイルマナー向上員」という制度があって、グリーンラインでは平成20年3月30日の開業と同時に、ブルーラインでも平成21年6月1日から活動を行っていた。活動内容は、車内や駅構内での声掛けやPRチラシの配布を通し、マナーを推進するというもの。その中で、『全席優先席』の認知度を上げる活動も行われ、その効果もあり、徐々に『全席優先席』は横浜市民を中心に認知度を上げていった。



全席優先席についてのアンケート



平成19年にインターネットを利用した「全席優先席に関する意識調査」では、「全席優先席への賛否」の2択で、回答は賛成が46.1%、反対が53.9%だった。これを踏まえ、横浜市交通局では、これまで以上に活発な譲り合いが起こるよう、譲り合いがしやすい環境作りをしていく必要があるという結論を出した。
 


平成19年に行われたアンケート結果の一部

http://www.city.yokohama.lg.jp/koutuu/kigyo/newstopics/2007/pdf/20080328.pdf


それからも、「席を必要としているのに座れなかった」という意見が横浜市交通局に毎月1~2件はきており、さらに、優先席というわかりやすいエリアがあれば席を譲りやすいが、全席優先では声をかけにくいという声などもあった。

そこで、横浜市交通局では広く利用者の意見を募るためのアンケートを昨夏に再び行った。前回の調査では、回答者の7割が男性であり、世代も10~40代が66%を超えているなどの偏りがあったため、今回はアンケートに加え、年齢層の補正としてヒアリング調査も行われた。

横浜市営地下鉄にはWEBモニターの制度がある。まず、その登録者からアンケートをとった。WEBモニターは20~40代が中心。そこで、主要4駅(横浜、新横浜、上大岡、日吉)で90%が70代以上となる有人改札通過者への直接ヒアリングによる調査も同時期に行われた。

その結果は以下のようなものとなった。
2重の円グラフのうち、中心に近い方がWEBモニター、外側が直接ヒアリングの結果。
WEBモニターの回答数は255件。ヒアリングは342件。
全席優先席についての認知度はWEBモニターが96%、ヒアリングが94%だった。
 


全席優先席という制度についてどう思うか
 

全席優先席制度の存続


全席優先席という制度について、「良い・比較的良い」という評価はWEBモニターとヒアリングともに70%。制度存続については、無条件での存続が過半数に達しておらず、「手法を検討した上で継続」という意見がかなりあった。

この結果から検討が行われ、「全席優先の理念はそのままに、真に席を必要とされる方が座りやすいシステム」として、『全席優先席』の中に『最優先席』を導入するということだったのだ。