1ヶ月間しか食べられない!? 上海蟹の美味しさを中華街で検証!
ココがキニナル!
究極の美味と呼び声の高い「上海蟹」って本当に美味しいの?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
食べるのにひと手間かかるが、オスとメスで味が違い、オスの白子が絶品。
ライター:はまれぽ編集部
上海蟹の季節がやってきた!
2017(平成29)年11月1日(水)、横浜中華街では毎年恒例の「春節燈花(しゅんせつとうか)」の点灯式が行われた。
ロマンチックなイルミネーションとは一味違う、刺激的で鮮やかな装飾が特徴だ
春節燈花は中国の旧正月(今年は2018年2月16日)を祝うイルミネーションで、2018年3月2日(金)まで中華街が華やかな灯りで彩られる。
「百節龍(ひゃくせつりゅう)」が人々の幸せと街の繁栄を願って空を舞う
今年のテーマは「大吉大利(だいきちだいり)」~おめでたいことが沢山ありますように~。
なんだか良いことありそうな予感がする
本題に入ろう。
春節燈花の時期と合わせて、期間限定で行われる秋の味覚フェアについてだ。
皆さんは食べたことがあるだろうか、秋の「上海蟹」を。
上海蟹の姿蒸し
秋から冬にかけて旬を迎える上海蟹は、中国では代表的な贅沢な秋の味覚として愛され、この時季になると中華街で「上海蟹フェア」が開催される。
33店舗が参加する「上海蟹フェア」の開催期間は、2017(平成29)年11月1日~11月30日。まだ日本では浸透の薄い上海蟹の美味しさを、広く知ってほしいという願いが込められた1ヶ月限定のフェアだ。
あまり馴染みがないことに加え、高級そうなイメージもある上海蟹。本当に美味しいのか、という素朴な疑問を中華街で検証してみることにした。
そもそも上海蟹って何?
上海蟹の正式名称は「チュウゴクモクズガニ」で、中国語では「大閘蟹(ダージャーシエ)」と言えば通じる。
秋口に産卵する淡水蟹で、卵と白子のたっぷり詰まった今の時季が旬と言われている。
絨毛(じゅうもう)のあるハサミが特徴的だ
左がメス、右がオス
オスとメスで味が違うため好みも別れる、判別方法はお腹を見れば一発だ。オスはふんどしをつけた三角形、メスは俵型になっており、ハサミや脚もオスのほうが大きい。
美味しい食べ方
上海蟹のベストシーズンは10月初旬から11月にかけて。メスは卵(カニミソ)が、オスはゼラチン質の白子が絶品なのだとか。
その真相は食べて確かめることにする。まず簡単に、上海蟹の上手な食べ方を説明しよう。
一度覚えてしまえば簡単に解体することができる(クリックして拡大)
(1)(2)腹のふんどし部分をはがす(メスは俵をそのままはがす)
(3)甲羅(背中の殻)を開く
(4)胴体の両側にある白い房(エラ)を取り除く
(5)中心から真っ二つに割る
(6)足は関節を折ってハサミの先で押し出す
腸、エラ、口周辺、心臓など、食べないほうがいい部位もある。これらは食べても美味しくないので、口に入れると分かる。
見るからに美味しそうな中身が出てきた・・・
まずはオスからいただいた。
黄金のカニミソはもちろん、その下に隠れた白子が最高に美味しい! 濃厚なはずのカニミソがさっぱりと感じてしまうほど、ねっとりとした白子が口内を支配する。これはビールと一緒にいただきたい。
次にメスのカニミソをいただいた。「思いっきりすくって大胆に食べたほうが美味しい」とのことで、カニミソをかき集める。
口周辺に心臓(白い塊)がある
濃厚なカニミソは、口に入れると柔らかくほどけた。白子ほどの感動はなかったが、隅々まで舐め回したくなる気持ちを抑え、そっと甲羅を置く。
海の蟹と比べると身が少ないが、淡水に生息しているため磯臭さが少ない。最初は箸やカニスプーンを使っていたが、早々にやめ、指が黄色くなるほど夢中で食らいついた。
お値段の相場は・・・
今回、上海蟹の食べ方などをレクチャーしてくださった「横浜中華街発展会協同組合」の竹本理華(たけもと・りか)さんに、お値段の相場を聞いてみた。
大きさによって値段も変わるが、姿蒸しであれば、オスが6000円前後、メスは5000円~8000円。小さい上海蟹を皮ごと炒めたものや、蟹の身をシュウマイにして出すお店もあるとのこと。
竹本さんは6時間かけて7杯の上海蟹を食べたことがあるそうだ
「旬なものを旬なところで食べてほしいです。上海蟹の姿蒸しは生きた状態でないと調理できないので、本当に美味しいこの時季に是非味わってほしい!」と話してくれた。
取材を終えて
初めての上海蟹だったが、咀嚼(そしゃく)するたびに幸せのエキスが弾け、仕事だということを完全に忘れてしまう美味しさだった。
個人的にはオスが絶品だったので、お財布と相談してもう一度足を運んでみたい。
補足するべき点と言えば、指に上海蟹のエキスが染み込んで、翌日まで匂いが残るという点だ。
綺麗なお姉さんがサーブしてくれた
温かい紹興酒とともに、中国の秋の味覚を堪能してみてはいかがだろうか。
-終わり-
- 前へ
- 1
- 次へ