東神奈川駅で始まった「鉄道業界初のカラー照明による発車案内」とは?
ココがキニナル!
東神奈川駅はホームの照明により次に来る電車の案内をするそうです。どのような案内になるのかキニナル!鉄道業界初の試みだそうですが、ほかの複数路線がにも普及するのでしょうか?(ハマ太郎さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
東神奈川駅に京浜東北線が来る時は「青」、横浜線は「緑」に点灯するカラーLEDをホーム照明に導入。同駅の効果を検証後、他駅への導入を検討予定
ライター:藤井 涼子
LED化で環境なども配慮
JR東日本横浜支社管轄の横浜線15駅(菊名駅を除く)がすべて蛍光灯からLED照明に替わると、1年間で約80万キロワットの電力が削減されるそうだ。これは、蛍光灯使用時の約50パーセントにあたるそうで、経費は半分になるのだ! 省エネに関しては、15駅で年間約302トンのCO2排出量の削減となるそう。
横浜線の各駅(工事中の菊名駅を除く)のホーム照明は順次蛍光灯からLEDへ取り替えられていく予定で、現在は新横浜、十日市場、町田、古淵駅のLED化が完了している。
これほど省エネやコスト削減になるのであれば、「JR全線取り替えればいいのに」と思うが、取り替え工事にはかなりの資金がかかる。新横浜駅の総工費は約1300万円、十日市場駅では1600万円と、かなり高額だ。そう簡単に「全部取り替える」ともいえないらしい。
まずは横浜線で導入し、効果を検証したのち、ほかの線への導入を考えるとのことだった。横浜線のLED化は2014(平成26)年までに完了予定だ。
ところで、なぜ横浜線が「ホーム照明LED化」のモデル線区として選ばれたのか? との質問に秋本氏は「横浜線では2014年にE233系電車の導入が決まっており、それに伴ってホームの照明も新しくすることで、より便利で快適に利用しやすい駅にし、横浜線の魅力を向上させるため」と答えてくれた。
横浜線に導入されるE233系イメージ※画像:JR東日本
横浜線のE233系電車への移行については、以前にはまれぽでも「2014年に生まれ変わる横浜線、その詳細は?」の記事で取り上げたのでご覧いただきたい。
いよいよ鉄道業界初「カラーLEDによる発車案内」点灯!
9月15日にカラーLEDによる発車案内が実施された。使用開始セレモニーが午前10時から東神奈川駅で開催されるとのことで、取材に向かった。
当日は台風18号の影響で朝から暴風雨。電車のダイヤは乱れ、予定より遅れてきた電車に乗って東神奈川駅に着くと「横浜線は大雨の影響で速度を落として運行しています」とのアナウンスが流れていた。
はたしてセレモニーは行われるのか!? セレモニーどころではないのではないか? と、少々不安になりながら会場へと急いだ。
良かった! 会場が準備されている
セレモニーは東神奈川駅1、2番線ホームの先端(横浜駅寄り)で予定通り行われたが、川名薫・神奈川区長が一日駅長として発車の合図をして横浜線の臨時列車を走らせるという「出発式」と子ども向けイベント「鉄道のおしごとを知ろう!in横浜線」は台風の影響で中止となった。
JR東日本横浜支社のマスコットキャラクター「ハマの電チャン」も残念そう?
点灯開始セレモニーでは、JR東日本横浜支社長の松崎哲士郎氏が「日本初、すなわち世界でもオンリーワンであろうカラーLEDによる発車案内により、お客様が少しでも分かりやすく乗り換えしてもらえればありがたい」とあいさつ。
その後、川名区長が「最新の技術や知識、アイデアが結集した取り組みを東神奈川駅という神奈川区から発信できることを光栄に思う」とあいさつし、いよいよカラーLED点灯となった。
上松東神奈川駅長の合図で点灯!
ホームの両端にならんだ照明2列のうち、外側は白色系のLED、内側はカラーとなる。
京浜東北線がホームに来る場合に点灯する青のLED
横浜線が来る場合に点灯する緑のLED
そしてホーム中央の照明もLEDに取り替えられていた。黄みがかった暖色系の光だ
ホームに降りた瞬間に、今までよりもやや暗いかな? という印象を受けた
実際に「東神奈川駅をよく利用している」という乗客の方に感想を聞いてみたところ、10人中7人はカラーLED導入について「知らなかった」との回答だった。
「カラーLEDでの発車案内が開始したらしいです」と説明しても「特に今まで不便と思っていなかった。電車の色も違うし、間違えない」という意見がほとんどだった。インタビューした10人の中で「それは便利になりますね」と喜んでいたのは「買い物でよく東神奈川駅を使う」という60代の女性一人だった。
ホーム内の貼り紙
今後カラーLEDがJR各駅に広がっていくのだろうか?実際に東神奈川駅を利用する人の評価次第ということになりそうだ。
取材を終えて
セレモニーのあとは、18号の影響でダイヤが乱れていたため、取材中はずっと「カラーLEDによる発車案内」は行われず少々残念だった。個人的には「カラーで発車案内とは便利だ!」と思ったが、東神奈川駅利用客の冷静な反応が印象的だった。
だが日本語が分からない外国人観光客などには、色で案内するというのは分かりやすいのではないかと思う。東京オリンピック開催が決まった日本の鉄道案内モデルケースとなる可能性もあるかもしれない。
―終わり―
海の狸さん
2013年09月26日 07時57分
面白い試みですが、東神奈川の場合、電車の色だけでも区別がつくので、意味あるのかな、という気はしますね。むしろ、横浜、戸塚、大船の湘南新宿ラインが、電車の色が同じなのに、東戸塚、保土ヶ谷、新川崎に止まるのと止まらないのとあるので、そんなところで試用して見ては!
rrrさん
2013年09月23日 00時07分
沿線利用者からすれば、これによって便利で魅力的になったとは到底思えない。
みとさん
2013年09月23日 00時07分
そもそもJRは、わかりやすいダイヤを作ることが先決ではないのか?横浜線が2番線から出たり3番線から出たり、階段を登り降りして右往左往してしまうのが実状だ。京急などのように、同じ方面は同じホームから発車させたり、覚えやすい時刻表にするとかできないもんかなぁ。