大さん橋の「F」「O」「X」が点滅するサインって何?
ココがキニナル!
大さん橋のふもとにある、「F」や「○」「×」が点滅するサイン、あれはなんですか?(masakoさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
あのサインは、横浜航路の航行管制信号です。大さん橋の他に、大黒埠頭、横浜港シンボルタワーに設置されています!
ライター:吉澤 由美子
海上保安庁 横浜海上保安部 港内交通管制室
(続き)
入出航は、前日正午までに各船から届け出があって、その申請を元に信号切り替えのタイムスケジュールを組む。潮の状況や天候などによる細かな変更は多く、また接岸予定の場所がまだふさがっていたり、荷の積み下ろし関係の時間変更もある。
レーダー画面は、船の進行方向がわかりやすいよう、航跡も表示されている
管制室の頭脳は、制御盤のモニターに映し出されたAIS(船舶自動識別装置)。港内マップに横浜航路にいるすべての船が表示されており、クリックすると右側のモニターにその船の詳しいデータが出てくる。
その隣には、入出航の順番待ちをしている船のリスト。それぞれの船と文字で情報をやり取りしたり、通話することもできる。きめ細かな調整と確認を行う必要があるため、信号はすべて手動で切り替える。
すべての船舶の情報がリアルタイムに反映されるAIS
航行管制信号航行管制信号「I」「O」「F」「X」の意味
表示される文字は、「I」「O」「F」「X」の4種類。それぞれの点滅と点灯、そして2文字が交互に点滅することで信号を知らせている。
信号は、基本的に毎正時から30分間が出航、後半30分が入航となっているが、夜間や船の少ない時間帯には「F」が多く、朝夕のラッシュ時である午前6~8時と、午後5時~8時には信号の切り替わりが多くなる。
去年、信号切り替えは、22631回。ほぼ、1日62回というペースで行われたそうだ。
一日のうちで、一番表示される回数が多い「F」
台風や大津波警報などの場合には、信号は「O(点滅)」出航信号となる。これは港に船があると事故を起こす可能性があり、加えて大きな波が来る場合、できるだけ水深のある場所でやりすごす方が船にとって安全であることから、湾内から外洋に誘導するために「O(点滅)」で出航を促す。
「X(点灯)」(禁止信号)は、港湾内で事故が発生したなどの緊急時非常時のみに使われるため、ほとんど表示されることはない。管制官の須藤隆弘さんも、この場所の勤務になってから3年経つが、一度も「X(点灯)」(禁止信号)を出したことはないとのこと。
取材を終えて
信号の管制は24時間体制で、安全に関わり、公平公正を求められるプレッシャーのかかる仕事。
大さん橋のサインもきめ細かなスケジュール調整によって動いていると思うと、なんだか頼もしい。
この管制室、10人くらいのグループ単位でなら見学を申請することもできるそうなので、もし「はまれぽ」読者さんで希望される方が多いようならツアーしてもいいかも。
―終わり―
◆横浜港シンボルタワー
◆横浜港客船入航予定(2011年スケジュール)
横浜港シンボルタワー行のバス
横浜市営バス26系統
横浜駅前発 大さん橋経由『横浜港シンボルタワー』行き (横浜駅前から40分)
桜木町駅前発 大さん橋経由『横浜港シンボルタワー』行き (桜木町駅前から25分)
横浜海上保安部 港内交通管制室見学申し込み方法
海上保安部 管理課(TEL&FAX)045-671-0118
学校などで10人くらいの見学者がある場合に、対応していただけるとか。
みうけんさん
2014年01月19日 11時01分
釣りをしている時に、海なし県出身の父から、free、 in、 out の頭文字と、出入り禁止はxというのを昔教わりました。大黒埠頭がまだ造成中だった25年前の事です。
むうにぃさん
2013年06月09日 15時20分
そういう意味だったのですね...亡き祖父が日本郵船に勤めていた頃、この記号を見て入航していたと聞いていました。また記号の意味についても私が幼い頃、よく山下公園辺りまで散歩に行っては、いろいろ教えてくれたのですが、昔の記憶も今はうろ覚えでした。大人になってからもう一度知ることができてよかったです。
ushinさん
2012年10月13日 00時38分
イイカゲンな紹介記事だと「F」「O」「X」という誤記になっている場合があって、「なにが狐?」と思ったことも。横浜の公式情報で「F」「○」「×」の意味を知り、納得したということがありました。