新羽に看板でトンチをきかせてアピールする産婦人科があるってホント?
ココがキニナル!
「まずい」を逆さにして美味をアピールするトンチの利いた看板はあるが、新羽駅東側の交差点にあるこの看板はどんな頓知を利かせているの?(オオバさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
カトレアレディースクリニックのさかさま看板は「トンチ」ではなく親医院であるよしかた産婦人科の院長が「インパクト」を意識して考えたものだった
ライター:桐生 由美子
さかさま看板の発案者、院長にインタビュー
よしかた産婦人科医院外観
同院は1966(昭和41)年に開院、善方(よしかた)菊夫院長は2代目。10年ほど前にビルを改装してリニューアルし、分娩、入院施設も完備されている。
入口脇にはレトロな公衆電話が! もちろん実際に使用できる
受付はオープンカウンターと、仕切りのある窓口に分かれている
手描きの間取り図。これ、わかりやすい!
待合室は入口から見えないところにある。左奥はキッズルーム
院内をご案内いただいたところで、やはり「トンチのきいた」ものは置いていないよう。さっそく、ここで院長に投稿にあった「医院名がさかさまになっている看板」について話を伺うことに。
―「トンチのきいた看板」の発案者は院長と聞きましたが、なぜ文字をさかさまに?
「トンチ」というよりインパクトがあり、多くの方に「なんだろう?」って思ってもらえるものにしようと思って作りました。お堅いイメージにしたくない」という気持ちもありました。産婦人科に行く理由は、人によってさまざま。
行きにくいと思ったり、足を運ぶまでに腰が重いと思ったりする人もいます。その壁をなくして、親しみやすいと思ってほしい、という理由もありました。あとは特にありません。
よしかた産婦人科 院長の善方菊夫先生
―なぜ看板に院名を載せることにしたのですか? またいつごろ載せたのですか?
看板に載せたのは、今から3ヶ月くらい前です。
産婦人科で対応できるお産の数は限られているので、大幅に院を宣伝することを控えていたんです。大勢の患者さんにいらしていただいても、きちんと対応ができなくなってしまいますから・・・。
同院が手狭になってきたので開業したカトレアレディースクリニックが今年で7年経ち、そろそろ何か宣伝になるものをつくってもいいかなと思うようになりまして。院名は宝石、星座・・・などいろいろ考え、「優美な女性」とか「魅了」というカトレアの花ことばが気に入り、決めました。
―よしかた産婦人科を同じ看板に入れたのには理由があるんですか?
同院を港北区で知っている人が多いので、系列の医院ということがなんとなくわかるかなと。
実は当初、看板に表記する案内は「小机駅そば」ではなく「徒歩40分」にしようと思ったんです(笑)。
「ここから歩くのかい!」ってツッコミを入れられるような(笑)。地図で距離をしっかり計って正確な時間を出したんですが、ちょっとそれは遊び過ぎかなと思って今の内容に落ち着きました。矢印は医院の方を向いていますよ。
―カトレアレディースクリニックのスタッフさんの反応は?
「間違えてる!」と思ったようです(笑)
交差点側から見た看板。矢印は左
コンビニ側(裏側)から見た看板。矢印は右
「何かおもしろいことをやりたがる私の性格は、父の遺伝かもしれないです(笑)」と話を続ける善方院長。なぜか伺うと、お父さまでもある前院長が残したものにも、いろいろとキニナルところがあるのだという。
「たとえば同院の電話番号。産婦人科の電話番号を語呂合わせするとき、『1103』(良いお産)など『03』(お産)を絡めて考えることが多いんですが、父が考えた番号は『8688』。『ハローパパ』なんです。なぜかパパ(笑)
よしかたの看板のイラストも父が考えたんですが、なんだか不思議なイラストでしょう。子どものころ父に聞いたこともあったと思うのですが・・・、理由は忘れちゃいました(笑)」と善方院長。
8688=ハローパパ!
同院の看板。お母さんと子どもがくるくるとつながっている?
よしかた産婦人科、院長とスタッフのみなさん
最後に、現在の産婦人科医療についても話を伺った。
「特に産婦人科医が足りないといわれていたのは、今から2~3年ほど前。今は少しですが、回復しつつあります。お産はいつ何時、何があるかわからない。数人同時にお産が始まることもある。そのため産婦人科医は24時間いつも緊張感を持っていなければいけない。少人数では大変な仕事ですね。
現在同院には常勤の医師が3人、カトレアレディースクリニックには1人。そしてそれぞれに、非常勤の医師が数人ずついます。交代できる人がいれば大変さは軽減するし、自分の健康も維持できるようになる。産婦人科も小児科も、地域でタッグを組んで取り組めることが理想ですね!」と、善方院長はいう。
取材を終えて
お忙しいなか、時間を見つけて対応してくださった善方院長とスタッフのみなさんは、とても気さくで話しやすい方々だった。
カトレアレディースクリニックで検診を受け、よしかた産婦人科でお産を行う。妊婦さんや赤ちゃんに何かあった場合、横浜市大病院が協力してくれるという体制も整っているとのこと。また出産後には、もうひとつの系列医院「ベルーガこどもクリニック」もあるという。
実は、筆者は18年前によしかた産婦人科で検査を受け、「妊娠されていますね。おめでとうございます!」と診断していただいた。それから約半年間、里帰り出産をするまで検診に通った思い出深い医院だ。
取材のときは、懐かしさのあまり母子手帳を持参した。記入されている文字を見るなり、「あ、これ私の字だ!」と驚く院長。当時は大学病院に在籍していたが、前院長の手伝いに時々来ていたころだといっていた。
筆者の母子手帳。18年前に使っていたこの印、今も使っているらしい
「さかさま看板調査」のおかげで、懐かしい場所への再訪となった。
―終わり―
●カトレアレディースクリニック
横浜市港北区新羽町1685 4F
TEL:045-540-8088
http://www.cattleya-lc.jp/
●よしかた産婦人科
横浜市港北区小机町2430
TEL:045-472-8688
http://www.yoshikata.or.jp/index.html
●ベル―ガこどもクリニック
横浜市都筑区葛が谷15-30フォーレストプラザ2F-D
TEL:045-944-0588
http://www.beluga-cl.org/
hamachariさん
2014年01月07日 22時10分
この産婦人科さんの名前はなんか聞いた事あるなぁって思ってたんですが、ブルーラインでアナウンスされているんですよねぇ。
オオバさん
2014年01月05日 21時44分
調査ありがとうございます。あの逆さ看板には、どんなトンチorメッセージが込められているんだろう・・・と悶々とした日々を送っておりましたが、インパクト狙いだったのですねぇ(^^;すっきり致しました。あと、この院長さん、とても楽しそうな方ですねえ。一度お酒でも飲みながらゆっくり話してみたいです、はい。
ぎるこさん
2014年01月05日 18時36分
素敵なお医者さんの記事ですね!