横浜市は体格差がある小学校給食の量をどう調整している?アレルギー対策は?
ココがキニナル!
横浜の中学校で給食を行わない理由は、体格や食べる量など個人差が大きいなどあるようですが、小学生の方が体格差はあるのでは。どう調整しているの/小学校給食の食物アレルギー対策は?(ヤングさん、にゃんさん)
はまれぽ調査結果!
量は学校給食法の学校給食摂取基準が目安で、足りない分はおかわりなどで調整。アレルギー対策は国に先駆けて作成した対応マニュアルに準拠
ライター:はまれぽ編集部
給食のアレルギー対策は?
横浜市では全小学校で給食が実施されているが、食べられない食材がある児童も当然存在する。
2012(平成24)年には東京・調布市で食物アレルギーのある女児が、給食に出た「チーズ入りチヂミ」を食べてアレルギー症状を引き起こし、死亡するという痛ましい事故も起きた。
アレルギーの原因はチーズだった(写真はイメージ、フリー画像より)
このような悲劇はあってはならないことであり、横浜市では給食の食物アレルギーに関して何らかの対策を取っているのだろうか。引き続き、横浜市教育委員会事務局指導部の永峯(ながみね)浩子・健康教育課長にお話を聞いた。
アレルギーを含む給食全般を担当する健康教育課
横浜市では2007(平成19)年時点で食物アレルギーについて定めた「学校給食における食物アレルギー対応の手引き」があり、既に独自の取り組みを行ってきた。
しかし、文部科学省が2008(平成20)年、給食などの食物アレルギーを含むアレルギー全般について指針を定めた「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」を作成したため、2011(平成23)年6月、食物アレルギーの部分はそのまま踏襲(とうしゅう)した形で「アレルギー疾患の児童生徒対応マニュアル」として改めた。
実際のマニュアル
市教委では、このマニュアルを市内512校(小・中・高・特別支援学校)に3部づつ配布して、現場に対して周知を行った。
マニュアルでは、アレルギー疾患のある児童生徒が安全安心な学校生活を送るために学校が何をするべきか、アレルギー症状を発症した際、教諭の適切な対応や食物アレルギー対応食の調理作業手順などが60ページ以上に渡って細かく規定されている。
横浜市では学校長に対して年に一回、学級担任や給食調理員らを対象にしたアレルギーについての校内研修を「必ず行うこと」としており、現場でも児童が食べてはいけないものを口にしないように目を配ったり、万が一、誤食した場合にはすぐに申し出ることを徹底している。
また、「アレルギーのみならず、具合が悪そうな友達には声をかける、教え合えることができるようなクラスづくりを心がけている」とも教えてくれた。
永峯課長によると、2009(平成21)年度に食品が原因で診断を受けた横浜市内の小学生は4809人で、1人で5種類以上のアレルギーが見つかった児童も全体の8.5%(408人)いたという。
アレルギーの原因となった食品と診断者の割合(横浜市調べ、数字は平成21年度のもの)
このため、マニュアルでは未然に発症を防ぐ意味も込め、アレルギーのある児童の保護者に対しては、食物やそのほかのアレルギーの有無について医師の診断を受けて「学校生活管理指導表」の提出を求めている。
指導表の写し(横浜市ホームページより)
横浜市では給食の献立に原材料などを表記しているため、保護者は児童にアレルギーがある食材が使用されているときは学校に相談する。
実際に家庭に配られる給食の献立表(横浜市学校給食会ホームページより)
相談を受けた学校では、マニュアルに基づき、基本的にはアレルギーの原因となる食材を取り除くアレルギー対応食」を調理することで対応しているという。
本当に必要な児童に
「給食は成長が必要な時期に必要な栄養を摂取してもらうものだが、(アレルギーが原因で)それができない児童もいる」と永峯課長は話す。永峯課長によると、過去には「児童の好き嫌いで食べられない」と申告してくるケースもあったそうだ。
医師の診断が必要となると、かなりハードルは高いように聞こえるが、永峯課長は「アレルギー対応食を作るのは本当に神経を使う作業。本当にアレルギー対策が必要な児童に注力するためということを理解していただければ」と言葉をつないだ。
しかし、どんなに留意していても症状が発症してしまうケースもある。マニュアルでは、そうした万が一の事態も想定している。
アレルギー症状が発生した場合、「エピペン(=アドレナリン自己注射薬)」の注射が応急処置として適切であり、市が2012(平成24)年に行った調査によると、市内でも72人の児童が「エピペン」を処方され、携帯していることが分かった。
応急処置の手段として有効な「エピペン」(フリー画像より)
このため、市では小児科医などを招いて現場の教諭に「エピペン」の使用方法を指導。本来、他人に注射することは医師法違反だが、「エピペン」については応急処置の手段として認められている。
永峯課長は「まずは、アレルギーを発症させない環境づくりが第一だが、万が一起きてしまった場合に適切な対応ができるよう、教職員の研修を強化したい。児童が安心して学校生活を送るため、できることを全力で取り組みたい」と話していた。
取材を終えて
子どもたちの安全安心、つまりは生命を守るため、行政や教育現場が行わなければならないことは少なくない。しかし、アレルギーは学校のみで起こるわけではない。
アレルギーがあると分かっている子どもに対しては、親が正確に事実を伝え、子ども自身が「自分はどうして、これを食べてはいけないか」ということを自身が判断できる状況を作り出すことも重要だと思う。さらには学校と親の密な連絡も重要だろう。
「どの児童が何を食べるとアレルギーが起き、どういう症状になるか」ということを親だけでなく、学校も共通認識として持つことが、アレルギー対策には有効なのではないだろうか。
―終わり―
ケムケムさん
2015年08月31日 17時17分
生死に関わるほどのアレルギーだったら、弁当を持参させた方がいいと思う。アレルギー給食の対応は、教師の仕事の範疇なのでしょうか?親の責任を学校に押し付けているように思います。
natsuさん
2014年04月19日 14時16分
本題とは関係ありませんが。。。給食の写真が衝撃的です。こんな質素だったかなと(^_~;;;
TAMさん
2014年04月18日 19時24分
食は目で味わうといいます。感性を刺激するような給食生活を与えてあげたいなあ。食育をもっと真摯に考えてほしいです。正直衝撃的な給食の内容でした。