さようなら、ツガルさん。6月8日に行われた「お別れ会」の様子をお届け
ココがキニナル!
世界最高齢と言われているラクダのツガルさんがお亡くなりになられた場合には、動物園側ではなにか特別な追悼式典などを行うでしょうか?(横浜の棒人間さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ツガルさんが過ごした展示場で、500人の来場者から花が手向けられ、参列者が口ぐちに「ありがとう」と話すお別れ会になった
ライター:田中 大輔
「感謝しかない」「“頑張ったね”と」
ツガルさんの最後の担当飼育員となった山口進也さんは、ツガルさんにとって11人目の飼育員だった。
ズーラシアから異動後、ツガルさんの担当になった
2年前からツガルさんの担当をしていた山口さんは、「第一印象は温厚でおおらか。どこを触っても怒らないし、展示場にお客さんが入っても、近くで工事をしていても全然動じなかった」と、出会いを振り返る。
担当に就いたときからツガルさんはいつ最期を迎えてもおかしくない年齢だったが、「健康で元気な動物とは違うというのは分かった上で付き合っていた」そうで、「残された時間を穏やかに過ごしてもらおうと、朝夕2回のブラッシングすることにした。これで距離が縮まった気がする」と話してくれた。
献花台の前にたたずむ山口さん
「最後は眠るように、苦しまずに息を引き取った。最期を看取ることができてよかった」と話す山口さんは、「今は感謝の気持ちしかないです。ツガルさんに教わったことを胸に一生懸命生きていきたい」と続けた。
山口さんの前任で、6年に渡ってツガルさんを担当した櫻堂由希子さんは、飼育員として働き始めたころからの付き合いだったという。
ツガルさんとは長い付き合いだった櫻堂さん
「本来は立たせてエサをあげるときに、座ったツガルさんの前にエサを置いて楽をしようとしてしまったことがあった。そうしたら、ツガルさんの方が立ち上がって。なんだか怒られたような気がした」と、新人時代のエピソードを聞かせてくれた。
二人も遺影を前に、花束を捧げた
ツガルさんが亡くなったとき、櫻堂さんはツガルさんの出身地である青森県にいたそうだ。体調を崩したとの報せを受けて駆けつけたが、最期には間に合わなかった。
「よりによって私がいないときに死んじゃうなんて、最後までマイペースでしたね」と笑う櫻堂さんは、「悲しみよりも、敬意を持って“頑張ったね”と言ってあげたいです」と天国へメッセージを送った。
取材を終えて
もちろん、ツガルさんが死んでしまったことは、残念だ。
野毛山動物園に行ってもツガルさんに会えないのは、さみしい。
でも、なにしろ世界で一番長く生きたフタコブラクダだ。
病気やケガではなく、老衰で穏やかに天国に旅立っていったツガルさんだ。
昨年のお誕生日会では、元気な姿を見せてくれたいたツガルさん
悲しみよりも、たくさんの思い出を残してくれたことへの感謝。
こちらの方が、ツガルさんを見送るのにふさわしい気持ちだという気がする。
お別れ会に集まった多くのファンを見て、彼女の10代目と11代目の飼育員さんが、異口同音に「改めてツガルさんはスゴイなと思った」と話してくれた。
月並みだけれど、飼育員さんが驚くほどたくさんの人たちの記憶の中で、ツガルさんはいつまでもいつまでも生き続けていく。
―終わり―
今宵月男さん
2014年06月11日 01時13分
ツガルさん亡くなられたの今知りました。寂しいです。天国でのびのびとすごしてください。あらたに子供のフタコブラクダを入れてほしいなー。
ホトリコさん
2014年06月09日 12時23分
実は亡くなる数日前にやや元気がない感じでした。気のせいだろうと、急に暑くなったからだろうと、いつもどおりにまた来月くるからね。なんて家路についたのですが、まさかあれが、最期の姿になろうとは…。長い間ありがとうございました、安らかに…。