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2014年に一時姿を消した古き良き長者町の名画座「シネマリン」はどうなった?

ココがキニナル!

関内の映画館シネマリンが6月に閉館する理由は?/12月にリニューアルオープンする?/再開に至った経緯は?/ビルの内装も本当に素敵です/ジャックアンドベティーの様に定着できる?(ポリポリさんほか)

はまれぽ調査結果!

横浜シネマリンは2014年3月に一旦休館。質の高い作品やドキュメンタリー、古き良き映画などを上映する映画館として12月12日にリニューアルオープン

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ライター:大和田 敏子

シネマリン再生の経緯、シネマリンの現在は? 新オーナー八幡さんにお話を聞く



八幡温子(やわた・あつこ)さんが、「横浜シネマリン」を再生したきっかけは、映画サークル「横浜キネマ倶楽部」の活動からだった。
 


シネマリンに飾られた、横浜キネマ倶楽部からの応援ポスター


「関内アカデミー」や「横浜日劇」などが相次いで閉館し、それを惜しむ元従業員や映画ファンが集まった。横浜の映画事情を貧しく感じ、自分たちの観たい映画を上映するミニシアターがないことから「横浜に映画館を作ろう!」をスローガンに掲げ、年5回ほど西区岡野にある西公会堂で上映会を行いながら活動してきたという。
 


八幡さんは、2005(平成17)年に発足した横浜キネマ倶楽部で活動してきた


具体的に映画館の場所探しをしていたという八幡さん。閉館が決まったことを知った際、もともと八幡さんが行なっている活動を知っていたシネマリンの関係者から声をかけられたそうだ。

八幡さんはシネマリンの館内の状況を見たとき、機材など十分使用できると思った。そして、ここで再開を実現できる可能性があるのは自分なのかなと思い、即決。「やらせてもらう」と内嶋さんに連絡をした。

シネコンで上映される作品はハリウッド大作が中心。質が高くても上映される機会に恵まれない作品はほかにもたくさんある。そういうものを観ることができる映画館をつくりたいと映画サークルの中でも考えてきた。シネマリンをそんな映画館にしたいという気持ちは強い。
 


オープニングメイン作品は『おやすみなさいを言いたくて』


仕事と家族との間で葛藤する女性の愛と苦悩をリアルに描いた作品だ。

「映画は娯楽、手放しで楽しめるものは大好きです。けれども、原発問題や海外で戦争が起きたりしていることなど、身の回りの避けて通ることのできない社会的テーマをきちんと盛り込んだ作品も定期的に取り上げていきたい」と八幡さんは話す。
 


ドキュメンタリー作品『イラク チグリスに浮かぶ平和』も上映された


シネマリンでは、デジタル以外にも35ミリの映写機も入れた。横浜には旧作を上映する名画座がなく「ジャック&ベティ」で少し上映している状況。それをカバーし、古い優れた作品も上映していきたいという。

今回は、オープニングメイン作品『おやすみなさいを言いたくて』の主演ジュリエット・ビノシュの特集を組んだ。今後もそういう形で旧作も合わせて上映したり、監督が新しい作品を出したら、その監督の古い作品を同時にやったりと、古い映画も上映していく方針だそうだ。
 


1月末から市川雷蔵特集を予定している


また、「女性ならではの視点」でドキュメンタリーも含め「食べ物」をテーマにした作品も取り上げていきたいという。



館内はどう変わった? 



「映画ファンとして望んでいたことを実現した」と八幡さんが言う、新しい「横浜シネマリン」。あらためて、その特徴を教えていただいた。
入口は開放的にして、お客さんがたくさん入れるようにし、座れるスペースを設け、ゆったりと過ごせるようにした。
 


広々しているので、お客さんがたくさん入っても大丈夫!
 

座ってゆっくり話ができる場所もある


今後は、小腹がすいた方のために、飲食できるものを置いたり、小さなテーブルなどを置いたりすることも考えているそうだ。

女性オーナーの気遣いはトイレにも・・・。
 


トイレを洋式にし、女子トイレの数も増やした


劇場内については、デジタルの機材を入れ、より良い鑑賞環境にするために、さまざまに変更、工夫がされた。
 


座席は前の4列をはずし、165席から102席にしてゆったりと座れるように


スクリーンを一回り大きくして上にあげ、座席も互い違いにずらして設置して前の人の頭がかぶらないようにした。音響設備は東京国際映画祭の音響・映像を設計している方にお願いし、最新式のものを導入・設計してもらったそう。ボリュームを抑えた中でも、ささやき声やかすかな風の音などもしっかり聞き取れるように設計されている。
 


音の聞こえを良くするため、吸音材は左右対称ではないのだそう


また、スクリーンの前に小さな舞台を作り、舞台挨拶やトークなどもできるようにした。
2014(平成26)年12月12日のプレオープンでは、小津安二郎監督の『青春の夢いまいづこ』に、(無声映画に音楽をのせる)サイレントピアニストの柳下美恵さんが映画に合わせてピアノ演奏も行ったという。
 


ピアノがそのまま置かれており、今後も同様の企画が行われる可能性もある


ちなみに12月12日は、小津安二郎監督の誕生日で命日。映画界の巨匠にちなんだこの日をオープンと決めたという。

実際に工事を始めてみると、築60年の建物とあって、壁1枚はがすと水漏れが見つかったり、配水管の腐食が見つかったりと、次々と問題が発生。なかなか工事が進まず、前日の夜まで工事してやっとオープンにこぎつけたと、八幡さんはその苦労を話してくれた。その慌ただしさの名残りは、外観にも・・・。
 


以前あったシネマリン看板から喫茶店の上につながるフィルムの模様がなくなっている


実は、老朽化のため、一旦、はずされたもの。1月末に新たにつけられる予定だそうだ。
 


大通りから見える看板は、急いで上の部分の「松竹東急」の文字だけ消したとのこと


こちらも付け替える予定!

オープンから約1ヶ月。新聞などを見て来館したり「応援しています」と見ず知らずの人に声をかけられたりすることも多く「求められている」と感じたという。売上の数字的には、少し厳しい状況だが、浸透していくのには、1~2年かかると覚悟してじっくりとやっていきたいと八幡さんは話す。

「お客さんが入りそうな作品ばかり選んでしまいそうなところを抑えて、自分のやりたい作品を取り入れながらやっていこうと思っています。ゆくゆくは自分のカラーを出して行けたらいいですね」と。
 


「何とか、このワンスクリーンを守っていきたい!」と八幡さん


「せっかく、横浜ニューテアトル、ジャック&ベティと横浜シネマリンが近くにあるので、皆さんに3館を愛していただければと思っています。この辺りに来れば、魅力的な映画がやっているという感じになればいいかな」とも。



新しくなった「横浜シネマリン」で映画鑑賞!


新しいシネマリンを実感したい! そこで、実際に映画を観ることにした。
 


劇場に足を踏み入れる
 

椅子の座り心地は結構良い感じ! 飲み物のホルダーもついていて便利そう


観た映画は『トスカーナの贋作』。イラン映画『友だちのうちはどこ?』で知られるアッバス・キアロスタミ監督、脚本による2010(平成22)年公開のフランス、イタリアの合作映画で、ジュリエット・ビノシュが主演している。

シネマリンでは、オープニングメイン作品『おやすみなさいを言いたくて』に合わせて、ジュリエット・ビノシュの特集を組んでいて、これはその中の1作品だ。
 


ジュリエット・ビノシュ主演の4作品を順に上映した


「トスカーナの贋作」は、南イタリアのトスカーナを舞台にした、ほぼ男女二人の会話だけで進行する映画だ。偶然、夫婦に間違われた二人が偽の夫婦を演じていく話なのだが、パンフレットの写真から連想するようなラブストーリーではない。この二人、終始、言い争いばかりしている。二人の会話に惹き込まれつつ、観ているうちに、何が本当で、何が演技なのかわからなくなる。虚実が混ざり合い、男と女の本音が見え隠れする・・・たぶん、深い映画だと思う。解釈は観る方にお任せしたい。
 


ほのぼのしたラブストーリーという期待は裏切られる!?


ビノシュは、すごく表現力豊かな女優だと再認識した。場面ごと、瞬間ごとに変化する彼女の表情は魅力的! そして、トスカーナの風景が、とても美しく心地よかった。

新しく生まれ変わった「横浜シネマリン」での映画鑑賞初体験。

しっかり、イタリア、トスカーナに連れて行ってくれました! 小さな劇場だけに、よけいに映画の世界に包まれ、その中に浸ることができる感覚があって、とにかく気持ちが良かった。閉鎖された空間で、その世界観の中にすっぽりと包まれる映画館ならではの魅力を実感! 

暗闇の中から階段を上り、一歩外に出ると、映画の世界とは打って変わって、真冬の冷たい風が吹いていた。
 


シネマリンのイメージはこんな感じ?!(パンフレットより)




取材を終えて



関内周辺の映画館の歴史を含めて「横浜シネマリン」の今昔を知ることができ、楽しい取材だった。前オーナーの内嶋さんには、ほかにも映画全盛時代の面白い話をたくさん聞かせていただいた。記事の中で紹介しきれなかったことが本当に残念!

また、シネマリンを再生した、八幡さんの熱意には、一人の映画ファンとして心動かされた。新たな「横浜シネマリン」は内装がきれいになり、過ごしやすくなっただけでなく、劇場内の映像や音響はもちろん、椅子の座り心地なども、シネコンと比べても遜色なかったように思う。けれども、私が観た回の観客はわずか8人ほど・・・。
もっと多くの方が来館して、盛り上げてくれることを期待したい!


―終わり―
 
〈施設情報〉
横浜シネマリン
住所/横浜市中区長者町6-95
電話/045-341-3180 FAX/045-341-3187

〈参考文献〉
「横浜映画渡来100年祭」(神奈川県民共済生活協同組合)1997年
「映画館物語 映画館に行こう!」(高瀬進著、冬青社)2002年
「シネマシティ ―横浜と映画―」(横浜都市発展記念館)2005年
「東京シネマガイド 首都圏の映画館徹底研究」(シネマガイド)1994年
神奈川新聞(1989年〈平成元年〉4月8日)
「横浜市電の時代」(長谷川弘和著、大正出版株式会社)
「今よみがえる横浜市電の時代 ~あの頃の市電通りへ~」(天野洋一著、BRCプロ)
 

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  • 映画の街・伊勢佐木町に映画館が残ったのは嬉しい。シネコンもいいけど、時々はミニシアターにも足を運びたい。

  • 何で割引情報にそう思わないが付くんだ?間違ってんのかと思って調べたらあってるじゃないかwそう思わない厨かよw

  • 月曜日はメンズデーで男性は\1000で観れますよ~って、割引情報も書かないと。レディースデーは水曜だったかな?

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