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2度の爆発事故を起こした金沢区の工場は今どうなってる?

ココがキニナル!

2008年と2010年に2度の爆発事故があった金沢区の工場はいまどうなってるの?(はまろうさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

いまは更地になっており、企業側は土地の売却も含めて事業展開を検討中!

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ライター:ワカバヤシヒロアキ

日本カーリット本社へ



―今後の横浜工場はどうなる?
昨年10月に残存処理が終わり、更地になっております。ですが、今のところ今後の事業計画については未定であるというのが現状です。土地の有効利用という意味でも、売却も視野に入れて計画を考えております。

―売却先の予定はあるか?
ありません。工業用途の土地でもありますし、なかなか購入先と巡りあえない状況です。また、あの場所には金沢産業連絡協議会という組合があり、売却する場合でも周辺企業との協議をしなければならない取り決めがあります。

―近隣への説明等は十分になされる予定はあるか?
自治体への許認可の問題もありますし、当然ながらその中での近隣説明は行うことになると思います。また、組合との兼ね合いも含め説明責任はあるものと考えています。


以上が日本カーリットの説明である。
これに対し、周辺の企業はどのように感じているのだろうか。周辺の工業団地を取りまとめている横浜金沢産業連絡協議会(以下、「協議会」)に話を伺うことにした。



横浜金沢産業連絡協議会へ



対応してくれたのは、所長の寺島氏。工業団地一帯の調整役を行っている人だ。
 


産業連絡協議会は、シーサイドライン産業振興センター駅の目の前にある


事故当時の周辺事業者の中では、2008年の事故では1名が怪我、2010年の事故では直接の負傷者はいなかったそうだ。人身以外の事故については、周辺企業80社が被害を被る形となったということだ。

また、休業補償や製品製造に関する補償は2社を除いて全て完了しているとのことだった。補償とは現状復帰を前提とするものであり、現状復帰以上のものを要求されているものが1社あり係争中とのこと。もう1社は、現状復帰に係る工期が遅延しているため未完ということであった。

協議会としては、概ね十分な補償を得られているという認識だ。地域全体に対する謝罪および説明についても、昨年から2回は行われているとのことだった。
 


協議会の入る産業振興センター


さらに寺島氏は、「事故後、金沢消防署から指導を受けて危険物取扱に関する再徹底は行われている。

地域としての安全管理も徹底されてきているように思う」とも言っていた。
この地域の安全管理に対する意識も変わっているのかもしれない。

工場跡地の今後について尋ねると、日本カーリットは恐らく土地を売却するのではないかと寺島氏は漏らしていた。ただ、その場合には、当該土地が使用協定の中で化学団地エリアという位置付けにあり、化学系工場を誘致したいというのが協議会としての考え方らしい。

ちなみに、土地値については概ね購入時の半値以下になっているのではないかという見解も得られた。


おわりに



日本カーリットは、横浜工場跡地の売却を優先的に考えているのだろうという事は推測できる。

ただ、事故のインパクトがあまりにも大きかった為、今でも危険に対する不安を感じている人は多いのだろうと思う。環境報告書の中にも今の横浜工場の存在は一切触れられておらず、取材の中でも今後の事業計画は、未定の一点張りであった。

日本カーリットの担当者は、写真や名前の公表もNGとのことで、どうも事故の事は全て過去の事というスタンスを感じてしまった。
安全管理の徹底については行われているようなので、群馬の工場ではそれを維持していってもらいたい。
また、可能な範囲で横浜工場跡地の活用についても定期的な報告を望みたいと思う。


― 終わり ―
 

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  • 負のイメージが多い日本カーリットですが、毎朝作業前のラジオ体操、昼休みの間だったのか?なんの曲かギター演奏の放送が流れ、防火用水池でのザリガニ釣りなど、爆発音は耳障りだったが、必ずしも嫌な思い出だけではなかったのは、子供ならではの無知の影響だったのだろうか。

  • 高校時代に日本カーリット行きのバスが和田町駅前から出ていたのを思い出しました。

  • 工場の現状や本社の様子、非常に興味深く拝見しました。日本カーリットと言えば創業から100年近く続く横浜とは深い関わりのある企業ですね。10数年前までは保土ヶ谷に工場があって昭和30~40年代は数度の死傷事故を含む爆発を度々起こしており、子供の頃は何度もド~ン!と爆発音を耳にしていました。そんな保土ヶ谷工場は周辺が広大な緩衝地帯になっていたため、手付かずの自然が残っており今は里山公園としても活かされています。2008年の爆発事故の時は子会社だった「関東高圧化学」の工場だったので、余り日本カーリットの名前は耳にしなかった記憶があります。その翌年(2009年)にこの会社を吸収、再び昨年大きな爆発事故のニュースと見た時は非常に驚きました。

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