横浜市が2015年に策定した、市長の教育に対する基本方針をまとめた「教育大綱」って、いったいなに?
ココがキニナル!
横浜市が策定した「教育大綱」の具体的な内容は? 教育現場にはどう生かされるの?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
2017年までの3ヶ年で「未来を担う子ども」の成長を市の関係部局と教育委員会だけでなく、地域や家庭と一緒に「オール横浜」で育てる
ライター:はまれぽ編集部
教職員の職場づくりも注力
いじめや不登校に限らず、教育課題が複雑化・多様化するなかで児童・生徒一人ひとりの状況に応じたきめ細かな対応ができるよう、教育環境も整える。
横浜市では2010(平成22)年から全国に先駆けていじめ・不登校などの問題に対応する「児童支援専任教諭」を市内全小学校に配置。
児童のさまざまな問題に耳を傾ける児童支援専任教諭
加えて、子どもだけでなく家庭や行政機関と向き合うスクール・ソーシャル・ワーカー(SSW)など専門家が学校を支える体制を構築し、児童支援専任教諭も含めて学校と地域を結ぶ体制を作る。
さまざまな専門家とも連携(第2期横浜市教育振興基本計画より抜粋)
さらに、現場に立つ教職員が生き生きと働ける職場づくりを進め、教職員が子どもにしっかりと向き合える時間を確保できる環境も整えていくという。
大綱ではこの「基本理念」と「重点方針」を踏まえ、尊敬される教師を育成し、信頼される学校を目指す。その上で家庭・地域・学校が連携して子どもの教育環境を整備して「横浜の子ども」を育むという「第2期横浜市教育振興基本計画」で示した「5つの目標」を着実に進めるとしている。
健やかな「横浜の子ども」を育む環境づくりを目指す
保護者の反応は?
この大綱について、街頭で内容を説明した上で、小中学生の子どもを持つ保護者に反応を聞いた。
中学2年の長女と小学5年の長男がいる40代女性は「きれいな文言ばかり並んでいるが、具体的にどういう教育をしてくれるのか、イメージがわかない。ただ、学校の先生の職場環境を改善するというのはいいことだと思う」という。
中学1年の長男がいるという30代女性は学校と警察、家庭、地域の連携という点に期待を寄せる。「報道でしか知らないが、これが強化されれば川崎のような(男子中学生が殺害された)事件は減るのでは。被害に遭った子と同じ年の子の親としては、大いに気になるところ」と、事件を振り返って沈痛な面持ちだった。
川崎でも同じ取り組みができていれば救えた命かもしれない
押見担当課長は「学校内での教育だけでなく、学校を卒業した後に国際社会で活躍できる子どもを育てることが大きな目的。そのために、関係各所と連携して取り組んでいく」と改めて“オール横浜”を強調した。
取材を終えて
「横浜市教育大綱」の取り組みは林市長が2期目の任期を満了し、市の「中期4か年計画」が最終年を迎える2017年に終了する。
保護者の言うように「きれいな言葉ばかり並んで具体例がイメージしにくい」という印象は否めないが、取り組み自体は大いに評価すべきものであることに違いはない。
横浜から世界で活躍する子どもたちを育てていくため、“オール横浜”の取り組みに期待したい。
―終わり―
八景のカズさん
2015年09月14日 13時15分
市長が教育のあるべき姿、ビジョンを打ち立たせても、部下にあたる教育委員会は本気でやる気がないような雰囲気が伝わる。表向き綺麗事並べても中身が伴わないから市民に誠意が伝わらない。過去の事例を集めて整理し、反省すべき点、改善すべき項目を明確化してから改革を進めることが必要。