横浜市内に民家の井戸はどれくらいある?
ココがキニナル!
横浜市内の一般家庭が庭などに飲料用の井戸を掘るにはどうすればいいですか?(費用や、届出など)(jckさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
自宅の庭に井戸を掘るためには申請は必要なし。ただし地下水の飲用はオススメせず。費用は民間業者で110万円ぐらいかかる。井戸の数は約2681個以上
ライター:すがた もえ子
それでは、実際に井戸を掘るとしたら?
横浜市の温泉利用でない地下水採取の窓口は水・土壌環境課になる。
井戸を掘るということは、地下水を利用することになるのだが、地下水をくみ取りすぎて地盤沈下をしてしまったという例も横浜市で過去にあるそうだ。その際は家庭用の井戸などではなく、大規模な工業用の地下水利用が影響したのだという。
横浜市神奈川区にある三ツ沢公園内の横浜市基準水準点(画僧提供:掬茶・Wikimedia Commons)
海面を基準とし高さを測る水準点
環境省では20mmを超える変動から地盤沈下といっており、横浜市は近年では年間10mmほど変動しているという。
井戸の利用の仕方で申請が必要になる(フリー画像より)
新しく自宅に井戸を掘りたいという問い合わせはほぼ無いということだが、問い合わせがあっても市は公平を保つために業者を紹介することはできない。その場合は“さく井協会”などを紹介するか、個人的に井戸業者を探してもらうことになる。
掘るに当たっての費用などは市としては把握していない。
業者の方にお話を聞いてみる
今回お話を伺ったのは、横浜エリアでも施工を行っている藤沢市にある「井戸屋」さん。
井戸堀工事、井戸ポンプ設置工事、井戸清掃の会社だ
代表取締役の綾久(あや・ひさし)さん
建築業の「三和グループ」のグループ会社である株式会社井戸屋の設立は1996(平成8)年9月19日。阪神淡路大震災をきっかけに、その翌年に井戸専門の会社として立ち上げられた。
さっそく井戸を掘りたいという方がどれくらいいるか伺ったところ、2011(平成23)年の東日本大震災以降自宅に井戸を掘りたいという方が増加したという。
井戸屋の施工数推移(井戸屋HPより)
このグラフを見ると、震災のあった2010(平成22)年度より件数が増加している。
井戸屋の地域別施工数(平成9年度~26年度)(井戸屋HPより)
どんな人が井戸を掘りたいと思うのだろうか。そのことを尋ねると「一般家庭がほとんど」だという。自宅の庭に井戸を掘り、生活用水として利用するのだそうだ。
井戸を掘る過程は?
まずは井戸を掘りたい現地へ行き、どれくらいの機材が必要か、どの重機が入るのかなどを判断するところから始まる。
ボーリングで地盤を掘る(井戸屋HPより)
工事期間は7~30日ほど、費用は現地の状態や井戸の深さや水量によって変わってくるというが「井戸屋」の場合は110万円からだという。
井戸用の浄水器も扱っている(井戸屋HP)
茅ヶ崎市浜見平しろやま公園の水洗トイレシステム(井戸屋HP)
「井戸屋」では井戸を活用した災害用トイレ設備に力を入れている。普段はほかの目的で利用できるため、利便性が高いのである。これを思いついたのは東日本大震災が起こった際に、被災地で井戸掘り活動を行った経験からだという。
井戸を使えば、災害時でも水洗トイレが利用できる(井戸屋HP)
普段の生活用水や飲用だけではなく、非常時に一番困るトイレの問題も、井戸水が解決してくれるのには驚いた。井戸の活躍の場は、今まで以上に増えていきそうだ。
取材を終えて
井戸というと、今では滅多に見かけなくなったような気がしていたが、震災以降は掘る人も増えているということにびっくりした。考えてみれば生活用水としての水道水の節約にもなるし、いざというときの備えにもなる。
自宅に井戸が無くても、家の近所の災害用井戸の場所を把握しておくのは重要だな、と今回の取材を終えてあらためて思った。
―終わり―
取材協力
井戸屋
住所/茅ケ崎市堤587
電話/ 0467-54-3241、0120-11-3286(フリーダイヤル)
http://idoya.jp/
三日坊主さん
2015年12月10日 17時03分
気にはなってた・・・と言うか自分の場合は、そこまで頭が回らず依頼すら出さなかったお題ですが、大変興味深く拝見いたしました。