政令指定都市なのに、相模原市市営交通がない理由は?
ココがキニナル!
神奈川第三の都市、相模原。大きい市ですが、市営交通が無いのです。なぜ今まで設立されなかったのか、そしてそのような計画が無いの?(かねくろさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
鉄道や民間のバス網が発達していたため、これまで市営交通はなく、計画されたこともなかったが、旧津久井地域には市による乗合タクシーが運行
ライター:はまれぽ編集部
合併後の取り組み
政令市になってから始めた公共交通の取り組みもある。
旧津久井町の根小屋(ねごや)地区では、これまでも民間のバス路線はあったものの片回り運行であることや道路が狭く、バス車両が通行できない地域が多いなど課題が多かった。
このため、地元住民が中心になり、路線の見直し検討委員会を組織。市と協議を重ねた結果、2014(平成26)年4月から市委託業者による「根小屋地区乗合タクシー実証運行」を開始した。
地元の声から始まった乗合タクシー(提供:相模原市)
こちらも「稼働した便の1便あたりの輸送人員が1.5人以上であること」かつ「全運行本数に対する実運行本数の稼働率が50%以上であること」という条件下での運行だったが、1年間の運行で条件をクリアしたため、2015(平成27)年4月から本格運行を開始している。
奥山総括副主幹は「これまで民間でまかなえていた地域に市営交通を導入することが必ずしも正解とは言えない。どうすれば市民が満足できる交通網になるかを考えていきたい」と話した。
新交通システム導入へ
前述のように、相模原市はバス網が発達している。しかし一方で交通渋滞が慢性化している地域もある。
小田急線・相模大野駅から北里大学・病院、女子美術大学の間のバス路線は市内で最も運行本数が多く、1日1万人以上が利用している。
多くの市民がバスを利用している(クリックして拡大、相模原市HPより)
このため、交通渋滞によって15~20分の遅れが常態化。雨や交通トラブルがあると、定刻から1時間前後遅れることもあるといい、公共交通として定時性・速達性が確保されていないと奥山総括副主幹はいう。
このため、市では新しい交通システムの導入を進めている。その点について同課交通計画班の兼杉龍一郎(かねすぎ・りゅういちろう)担当課長に聞いた。
相模原市が目指す「新交通システム」の目標(相模原市HPより)
兼杉担当課長によると、新しい交通システムは路線バスをベースとし、走行形態、車両、駅・停留所、運行方法などの改善を組み合わせたものになるという。
将来的には相模大野駅から麻溝台地区、JR相模線・原当麻(はらたいま)駅までの一部区間では道路幅員を広げ、終日にわたってバス専用の走行路を確保。さらに輸送力強化のため、2つの車体をつなげた「連節バス」の導入も検討している。
連節バスの導入も検討
現在は新しい交通システムに関する基本計画案を策定している最中。計画策定後は3~5年以内に連接バスによる急行運行、5~10年をめどにバス専用の走行路を確保し、20年をめどに定時性・速達性を確保したい考えだ。
相模原市が目指す「新しい交通システム」のビジョン
(クリックして拡大、相模原市HPより)
現状の相模原市の公共交通について、市民に聞いたところ「市街地は、かなちゅう(神奈川中央交通)があるので税金をかけてまで公共交通を整備する必要性を感じない(70代女性)」という声が上がった。
新しい交通システムについて、日常から近くを車で通るという40代男性は「ここはトラックも多く通る。バスが乗降するたびに車線がふさがれて乗用車も通れない。バス専用路線は大いに賛成で、早急に実現してほしい」と訴えた。
取材を終えて
地域や地形の特性によって、公共交通を整備することが最善の行政サービスとは言えないこともある。相模原市はその典型的な事例の一つだろう。
前述の40代男性のように感じている人は少なくないと思う。
行政は「市民が真に求める行政サービス」に耳を傾け、素早い行動に移してほしいと思う。
―終わり―
もぐらもぐらさん
2016年02月14日 14時31分
記事とは全く関係無いですけど、「はまれぽ」今後も期待してます。
三丁目の夕日さん
2016年01月29日 12時54分
相模大野と相模原駅を結ぶ相25系統はどの時間でも混んでる。運が良くないと途中からは絶対に座れない。特に相模大野〜北里大学の間は「山手線」並み!北里大学で乗り降りする人と相模原方面の利用者の分離もして欲しいし、土日の夕方はどのバスも遅れててバス停に定時に来たバスは一本前のバスだった。何てことも良くある。だから早く連節バスとバス専用道路でイメージを変えて欲しい!!
akumakunさん
2016年01月17日 18時17分
市営交通って民間企業の少ない地方都市ってイメージだよなぁ税金で民間企業の空洞を埋めるイメージ