ドラマの歌も歌う三浦市の「かもめ児童合唱団」とは?
ココがキニナル!
三浦市を拠点としている、「かもめ児童合唱団」。レコードも多数?出て有名らしいですが、メンバー、活動内容等々気になります!(紀洲の哲ちゃんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「かもめ児童合唱団」は現在約30人で活動。これまでにアルバム4枚をリリースし、地域で無料ライブなども行っている
ライター:やまだ ひさえ
「ソリスト」の集まり
かもめ児童合唱団は、三浦市に縁の深い作家・北原白秋のトリビュートシリーズを2枚、オリジナルアルバムを2枚リリースしている。
『北原白秋トリビュートシリーズvol.2城ヶ島の雨/あなたが美しいのは」』
(かもめ児童合唱団HPより)
1枚目のオリジナルアルバム『焼いた魚の晩ごはん』は、矢沢永吉の『アイラブユーOK』などのカバー曲とともに、北原白秋の童謡を収録した楽しいアルバムだ。
『焼いた魚の晩ごはん』 (かもめ児童合唱団HPより)
さらに、2016(平成28)年1月20日には、新しいアルバムをリリースしている。
新作『インターネットブルース』(提供:かもめ児童合唱団)
同アルバムには『泣くな、はらちゃん』の劇中歌『私の世界』や昭和の佇まいが色濃く残る三崎銀座商店街を歌った『古い港のシャンゼリゼ』などの書き下ろしが収録されている。
タイトル曲『インターネットブルース』を聴いてみると一般的な合唱団との違いに気づく。
「合唱団」というと調和のとれたハーモニーを連想する人は多いと思う。しかし、かもめ児童合唱団の歌は、一人ひとりの声が聞こえてくるようになっている。実は、これこそが小島先生が創立からずっとこだわってきたスタイル。そこに藤沢さんがアレンジを加えた形だ。
合唱団にはコンクール風の声があると小島先生は話す。個人の音域、音質などを練習で調整し、全員が同じ音色になるようにしているのが、一般的な合唱の歌い方だ。
指導中の小島先生。「大きな声で歌って」
小島先生が大切にしているのは、子どもたちの個性だ。子どもには子どもらしい声があり、歌声がある。
「みんなで歌えば、それが合唱!」
これがかもめ児童合唱団のコンセプトであり、大きな声で伸び伸び歌う独特のスタイルを創りあげてきた。藤沢さんも、子どもたちそれぞれの魅力を延ばしながら、どうやったら子どもたちに楽しんでもらえるかを一番に考えている。
振りがばらついていても、それが個性だ
現在、かもめ児童合唱団には30人ほどの子どもたちが在籍している。姉妹で参加している子もいるし、親子2代で参加という子もいる。取材当日が2回目の練習という幼稚園の年長さんがいた。
前列右から2番目の出口蒼介(でぐち・そうすけ)君は、練習2回目という
「まだ、歌うことに慣れていない子は、先輩の間に入ることで自然に歌を覚える」と、小島先生は話す。厳しく注意することはない。
「うまく歌えと言われないから楽しい」
参加している子どもたちは、口々にそう答えてくれた。蒼介君もそうだが、だからかもめ児童合唱団には、自分から入りたいという子どもたちが多い。
歌いたい子が集まっている
一人ひとりの歌声を大切にしているかもめ児童合唱団だが、生の歌を聴くと個性と個性が調和した一つの形になっている。
現在、かもめ児童合唱団は独自の活動である空き地ライブやイベントなどの参加、また、老人ホームの慰問と、多彩な場所で歌声を披露し感動を呼んでいる。
恒例の空き地ライブ (かもめ児童合唱団HPより)
「かもめ児童合唱団は、歌いたい子が集まり、楽しく歌っている。だから優しい歌声になるし、心が解放されるようなほっとする歌声になり、聴いている人に感動を与えることができる」と藤沢さんは話す。
合唱であって、合唱という枠を飛び出したかもめ児童合唱団。
「かもめになって飛んで自由に行ってほしい」
それが半世紀にわたり三浦市の子どもたちを指導してきた小島先生の願いだ。
取材を終えて
取材にあたりアルバム「インターネットブルース」を聴かせてもらった。正直、子どもには歌詞を理解するのが難しいのではないかと思う歌もあった。
でも、かもめ児童合唱団の子どもたちが歌うと、それが独特の楽しさになっていた。
実は、ちょっとクセになっている。
ぜひ、一度、聴いてみてほしい。
―終わりー
かもめ児童合唱団