横須賀のソウルフード「のりだんだん」って何?
ココがキニナル!
横須賀に「のりだんだん」というソウルフードがあるけれど、いわゆる「のり弁」となにが違う?「のりだんだん協議会」というのがあるようなので、調査を!(たむたむたむさん)
はまれぽ調査結果!
のりが2段になっているから「のりだんだん」。認知度、回顧度は、横須賀市内でもばらつきはあり、正確な発祥は不明
ライター:やまだ ひさえ
今も、未来も家庭で愛される「のりだんだん」
横須賀のソウルフード「のりだんだん」だが、取材中、耳にした瞬間に「懐かしい」と答えるのは、50歳以上が多かった。年齢が若くなるにつれ知らない人が増えている。
地元の味をもっと多くの人にと「よこすか産業まつり2015」では、「のりだんだんコンテスト」が行われた。審査は、出品された「のりだんだん弁当」を購入し、気に入ったお弁当に投票するというもの。もちろん協議会も参加している。
当日は朝からメンバーで準備
販売もメンバーが担当
同協議会の「のりだんだん弁当」
ノリもおかずも地元の食材にこだわり、栄養バランスも考えた家庭らしさを追求したお弁当に仕上げた。結果は、同協議会がプロを抑えて優勝。家庭の味にこだわった点が評価され、栄冠に輝いた。
のりだんだんは家庭の味であることが証明された
同協議会では小学校などで講演会も行っている。
伊藤さんが横須賀市内の小学6年生の総合学習で講師を務めたが「のりだんだん」を知らない子どもも多く、興味深く聞き入ってそうだ。
作り方を一から教えていく
子どもたちが作った「のりだんだん」
自作の「のりだんだん」は、仲良く試食。
実習後、子どもたちからは「のりだんだんは冷めてもおいしく食べられる、おいしいお弁当です。温かい給食だった小学校時代と異なりますが、楽しんで栄養を考えて、中学校の食生活も豊かになってほしいと思います」という感想が寄せられた。
「のりだんだん」は、こうして次の世代に受け継がれていく。
究極の「のりだんだん」を作る
「のりだんだん」は、家庭の味。それぞれの家でこだわりがある。
同協議会・椎野貴三江(しいの・きみえ)さん作 (同)
時間が経ってもご飯が見えないよう、ノリでご飯をぴっちり包む。この加減を間違えると、ご飯がはみ出してくる。
伊藤さん作のりだんだん (同)
幼稚園時代に使ったアルミ製のお弁当箱に入れるのが、伊藤さんのこだわり。
伊藤家のご馳走のりだんだん (同)
運動会用に作ったご馳走のりだんだん。
伊藤家の昔ながらのスタイル、重箱いっぱいに作った「のりだんだん」の上に、子どもたちの好きなキャラクターを合体させた力作。切り分けていただく。
一番上にご飯を少し乗せておくと、弁当箱のふたにノリがくっつかない
弁当箱を開けたとき、ふたにノリがついてしまって寂しい思いをした人は多い。ご飯を少し乗せておくことで防げる。のりだんだんの知恵だ。
ノリ3段の、のりだんだん「だん」。かなり贅沢
基本的に「ご飯」と「ノリ」と「しょうゆ」があればできる「のりだんだん」だが、面白い同協議会のアンケートがある。
「おかか」が登場!
ノリをしょうゆに漬けるのがポイント
かつお節を使うと、また一味違う
実は、筆者はかつお節を使う派。しかも、かつお節を乗せたあとに、しょうゆをかける。
この上にノリを乗せる
ご飯の上にかつお節を乗せてからしょうゆをかけることで、しょうゆが程よくご飯に染み込み、ノリの香りを残すことができる。
しょうゆの味とノリの風味が染み込んだご飯がたまらない
実は、今回の取材の中で筆者は「のりだんだん」の新しい世界を知った。場所は横須賀市走水海岸。県内にもその名を知られた養殖ノリの産地だ。
走水海岸 (提供:横須賀市役所)
走水は、東京湾の湾口部に位置する海岸。昔から湧水の地として知られている。
何十年ものかけて流れ込む富士山の雪解け水が、大地に含まれる栄養分をもたらすことで、豊かな漁場を作りあげてきた。その走水で1950(昭和25)年ころから始まったのが、ノリ養殖だ。
最盛期には20数軒あった養殖漁師も、2016(平成28)年3月現在では8軒と減少しているが、品質自体は高い評価を受けている。
「かながわブランド」として高値で取引されている
その走水で作られているのが「究極の、のりだんだん」を作ることができるといわれている「青まぜ」だ。
最高の「のりだんだん」に必須のアイテム!
「青まぜ」は、通常のノリに青ノリを混ぜた板ノリ。風味と香りが強く、味にコクがあるのが特徴だ。
混ぜられている青のりが味と香りをもたらす
板ノリなので、軽く火であぶってから使うが、あぶった瞬間に磯の香りが鼻をくすぐる。
青まぜを使った究極ののりだんだん
「のりだんだん」の魅力は、味もさることながらお弁当箱のふたを開けたときのしょうゆとノリの合間った香りにある。「青まぜ」を使うと、しょうゆの風味に負けることなく、ノリの風味が際立っている。
最後まで風味が落ちない
「のりだんだん」は、まだまだ進化しそうだ。
取材を終えて
お弁当が「のりだんだん」だと、豪華な気分がして嬉しかったのを覚えている。
しばらくご無沙汰していたが、改めてその魅力を実感した。
簡単なので、ぜひ、作ってみてほしい。
―終わりー
のりだんだん協議会フェイスブック
菱倉水産
住所:横須賀市走水1-5-6
電話番号:046-841-5935
杏mariさん
2016年09月23日 20時03分
私、保土ヶ谷出身ですが“のりだんだん”と言ってましたよ〜(⌒▽⌒)
くま180さん
2016年09月08日 17時07分
横須賀出身ではないんですが、小学生の頃遠足、家族旅行などのお弁当のご飯がこれでした。実は昭和51-2年頃のTVで横須賀育ちの山口百恵さんが「子供の頃こんなお弁当がごちそうだった」と作り方まで紹介していました。そこで母が試しで作ってみたのですが、おいしかったな~。多分全国的にはそこから広まったと思います。北海道出身の母はあの時までこういうのはレパートリーになかったです。
ふとへいさん
2016年09月03日 08時01分
中学は弁当持参だったので、三浦出身の母親が作ってくれた弁当は”のりだんだん”であることが多かったです。1層ずつはがしながら食べてた記憶が、、、、、。醤油のしみ込んだ御飯がたまらなく美味しいんですよね。確かに学生時代以降、”のりだんだん”に出会った記憶がなく、あやうく忘れるところでした。まさにソウルフードですね。今度、神戸出身の嫁さんに作ってもらおうっと。